【呪術廻戦】神回!!アニメ勢による2期 第40話「霹靂」の感想など【宿儺の考察多め】

 11/9(木)に呪術廻戦2期第40話が放送されました。いつも通りアニメ勢の筆者が感想や考察などを語っていきます。

下記より、アニメ呪術廻戦・アニメ放映分の単行本のネタバレ及び、筆者の感想&考察要素を含みます。※

参考)単行本で言うとどの部分か?

 単行本13巻 ・第113話 渋谷事変㉛~第116話 渋谷事変㉞

ファーストインプレッション:

 め~~~~~~~~ちゃくちゃ面白かった。ドラマが濃くて、3話分くらいを見たような満足感だった。言わずもがな神回!!主に恵と甚爾、夏油一派、宿儺と漏瑚のシーンで色々と考えさせられるというか…それぞれ思う事があった。(詳しくはこの後の【シーンごとの感想など】や【考察・疑問など】のパートで述べている。)

 作画も素晴らしかった。今回は影の表現が少ない描き方だった。あの描き方を何と言えばいいか分からないのだが、あの感じ個人的にめちゃくちゃ好きである。NARUTO疾風伝でもああ言った影をあまり入れない作画の回があったのだが、酷く印象的で記憶に残っている。

出典:TOHO animation チャンネル, TVアニメ『呪術廻戦』「渋谷事変」第2期PV第3弾(URL: https://youtu.be/PKHQuQF1S8k?si=DhwVjHwoKOZTPnUY)より

ストーリー構成

 ほぼ原作通りだが、アバンで宿儺vs漏瑚を一瞬見せ、Aパートは恵vs甚爾→パンダ&日下部サイド

シーンごとの感想など

・アバン:漏瑚vs宿儺

 ほんの10秒程度の短いアバンだった。「分かっていた…分かっていたことだ!!だがここまで……!!」という漏瑚の台詞と、宿儺がゲラゲラ笑いながら下降してくる姿。これだけでもう「漏瑚~!がんばれ~~!!!(;;)」と言いたくなってしまう程、押され気味という事が分かってしまった。あの宿儺の邪悪な笑い方、本当にすごいなと思う。諏訪部順一さん素晴らしい…。

・Aパート:恵vs甚爾

 ここの戦闘シーンは原作からかなりボリュームアップして描かれている。特に、建設中っぽい建物内のシーンは甚爾のヤバさが際立っていて「この人本当にどうなってるんだ…」と苦笑してしまう程だ。足踏みをし、その破片をつんつんしながら脱兎を処理していく姿にはもう笑うしかなかった。

・Aパート:パンダ&日下部

 もっちりしたパンダのドアップに心が癒される。とても可愛い。日下部はパンダにそれっぽい事を言っていたが、内心は「死にたくないから危険な場所には行きたくない」「この状況で一人にはなりたくない」である。思わず「こらっ!」と言いたくなるほどの怠惰な態度。非常に人間臭くて笑ってしまった。「パンダ故に渋谷の土地勘はない」という台詞もじわじわくる。そしてそんな2人の前に現れたのは夏油一派のメンバーである。

・Aパート:恵vs甚爾

 渋谷で大暴れする甚爾と逃げに徹する恵。車や標識が飛んできていて、もうめちゃくちゃである。この辺りの描き方もすごかった。動きの緩急や、スピード感だったりが存分に伝わってくる。後、鵺に掴まっている時の恵の顔が可愛い!このカットだけでもいいから配布してほしい。引き延ばして部屋に飾りたい。ちょっと話は逸れるが、目の下に切り傷がで虎杖とお揃いっぽく見える。

・Bパート:硝子と夜蛾学長

 唯一の回復薬である硝子は夜蛾学長と高速の料金所に佇んでいた。どうやら猪野と伊地知は硝子の治療を受けられたようだ…一安心。学長の言う通り、敵からしてみれば他者にも反転術式の使える硝子は真っ先に狙いたいところであろう。硝子や夜蛾学長もこのまま無傷のまま乗り切ってほしい…。また、学生時代を思い出して煙草を吸う硝子には色々考えさせられる。

・Aパート:恵vs甚爾

 引き続き、格上の甚爾との戦闘をどうにか収めようと奮闘する恵。恵がどういう作戦を企てていたのか分かりやすい演出になっていて(かといって説明じみている訳ではなく、カメラワークや見せ方で~という意味)、彼のクレバーさが出ていて良かった。そして接近した後の甚爾のハッとしたような表情。特に声もないのに、”気づいた”というのが分かる絵だった。そして甚爾が直毘人に交渉する回想シーンが始まる。「俺にとってはゴミ溜めでも、才能があれば幾分ましだろ」「もう、どうでもいい」「どうでもいいんだ」という台詞には、「甚爾!!!あんたってやつは;;」と拳を握ってしまった。

 回想を終えると、奥の手の構えを取っている恵が映る。そして唐突に名前を問われ、「伏黒」と答える恵に、「禪院じゃねぇのか、よかったな」と言い残して自害した甚爾。この嬉しそうに口角を上げる表情や、「よかったな」に込められた温かいニュアンス…思わずうるっときてしまったし、「こんなん!みんな好きになるじゃん!!!!!かっこよすぎる!」と情緒を乱された。こんなん狡すぎる…。たった一言なのに、親の愛情を感じさせる声…子安武人さん流石である…。ジタバタしている視聴者と、困惑する恵。恵にとっては、知らないめちゃくちゃ強いおじさんが突然乱入&大暴れしてきて最後名前だけ聞いて自害したんだから、意味が分からいだろう。しかも最後は孫の姿だったし。

・Aパート:やっぱり生きてた…

 恵が一旦真希たちの無事を確認しに行こうとその場を離れようとするも、背後から襲われた。「?!」っと思うと恵が振り返った先にいたのは重面!!!!!!こんの~~っ!!やっぱり生きてたか!!!と顔がしわくちゃになった。どんだけ視聴者のヘイトを集めれば気が済むんだ、重面よ。

・Bパート:夏油一派の会話

 夏油の遺志を継ぐために、偽夏油と組むと述べる祢木と菅田。夏油の肉体の解放を望む枷場姉妹、そしてそのどちらでもないラルゥ。祢木らと対立する考えの双子は双方一触即発状態となったが、「夏油は互いを傷つけ合うことを一番望んでいない」と両者を収めた。「私達は家族。いつかまたどこかで一緒にご飯を食べるのよ」という台詞が特に心に残った。夏油の事も含んでいるのだろうな。地面の亀裂が双方の進む道が違うことを表しているようだった。

 0ではほぼ出番の無かったラルゥだが、今回のやり取りでかなり好きになってしまった。速水奨さんの低音+女性的な喋り方も癖になる。今後活躍するのかしら…。

・Bパート:パンダ&日下部らに対峙する祢木たち

 同行を求める祢木らに対し、敵意を向ける日下部。彼もシン・陰流なのだなという新情報も入手。戦闘が始まっちゃうのかしらと思っていると、背後で大爆発。渋谷中に響く邪悪な笑い声…。もう渋谷はお終いかもしれん…と思う位の絶望感である。諏訪部さんのゲラゲラ笑い、邪悪すぎてもはや癖になる。

・Bパート:宿儺vs漏瑚(神作画

 ここからは宿儺の無双パートであった。そして絵もとんでもない。映画なのではないかと思う程のクオリティだった。原作からさらにボリュームアップされていて、この戦いの激しさや宿儺のやばさが物凄く表現されていた。カメラワークも本当にセンスの塊すぎるし、映す物等で間接的にこのバトルの激しさを表しているのも本当に素晴らしいのだが、こういうどうやって戦うのかという肉付け部分、よくこんなアイデア出せますね?!と思う。この辺は絵コンテだったり、各パートの方のセンスに一任されるのだろうか…前にも述べたが、見てきたんですか?と思うレベルである。

 また、辺りに溶岩が噴き出て渋谷がドロドロになっていく様などからも、劣勢なのだが、ちゃんと漏瑚自身が強いことも理解できる仕組みになっていてすごい。その上で、それ以上に宿儺がやばいんですよというのが理解できる。”漏瑚が弱い”という印象にならないのが凄いなと思う。いやでも、ずっと炎の技を使って精一杯戦っている漏瑚を素手で相手する宿儺本当に強過ぎる。攻撃を放とうとする漏瑚の腕が輪切りにされるのが何度かあったり、溶岩で囲んでも全然効かないし攻撃もひょいひょい躱すしで、あんまりな仕打ちに漏瑚が可哀そうになってきて「がんばれー;;」と応援し始める次第である。

 建物が数軒沈んでいく様もあったが、「渋谷っていうか日本おしまいになっちゃう」という絶望感しかない。あとちょっと笑ってしまったのだが、建物内に入った時に宿儺が漏瑚を蹴り飛ばしながら走り抜けていた。またボールにされちゃって…。不憫でしかない。

 「ほら頑張れ頑張れ、俺が飽きるまで何度でも付き合うぞ?」と漏瑚の首根っこを掴む宿儺にはもうウワァ…としか感想がない。しかも漏瑚の獄ノ番「隕」(文字通り隕石みたいなやつ)が発動され、日下部たちが避難しようとするとこに「ならん」とカットインしてくるとこも恐怖である。思わず動きを止めてしまう日下部たちからも、宿儺がいかにヤバい存在なのかが分かる。まさに、「互いの一挙手一投足が全ての死因にりうる恐怖」である。さらに「よしと言うまで動くのを禁ずる」と言い始める。めちゃくちゃ焦らして焦らして、隕石が迫る直前で「よし」と言う宿儺。原作を確認するとなんともいい笑顔をしている。にこにこだ。宿儺にとって、居合わせた人間がどうなろうとどうでもよくて、ただ自分に従うしかない人間の矮小な姿や、周囲の人間の命が自身の「よし」と言う言葉に掛かっているというその支配感、そういったもので遊んでいるだけというのがよく分かる。宿儺にとってはちょっとした出し物とか余興みたいな感じであろう。

 未だ一発も当たっていない宿儺が、「オマエの得意で戦ってやろう」と言って何かのワードの後に「フーガ」と唱えた。炎が出てきた…。この辺りについては考察パートで後述する。漏瑚に対して同じ炎で戦うっていうのも舐めプっちゃあ舐めプだが、面白い展開だなと思った。そしてOPにもあったような掌印の表現、めちゃくちゃかっこよかった。散らばる硝子が溶けていく様子からも、一帯が高温になっていることが伝わってくる。そしてシネマスコープで構える両者の姿。本当に今回は絵がめちゃくちゃかっこいい!

 急に花御や陀艮の待つ白い空間が出てきて、漏瑚もそちら側へ行ったのだなというのが察せられる。「すまない」と謝り、「また逢えるのを心待ちにしているぞ」と告げるその人間臭さよ…。こういう仲間思いなところもあるから、嫌いになれないのだ。…と思ってると、何故か宿儺が出てきて漏瑚の真意を知り、更に今までの行いについてフィードバックを始める。飢えが足りてなかったぞと言いつつ、「千年戦った中ではマシな方だったぞ。誇れオマエは強い」と賛辞を贈る宿儺。漏瑚は涙を流する。「なんだこれは」「さぁな、俺はそれを知らん」というやり取りも深みがあって印象的だった。

 現実に戻ってくると、漏瑚は炎で焼き尽くされていた。自分の得意な炎で、しかも火力勝負で負けるというのは本当に不憫だったと思うが、呪いの王から認めて貰えて漏瑚もちょっとは救われたのかもしれない。

・Bパート:白髪のおかっぱ呪詛師

 「お迎えに参りました宿儺様」と言うおかっぱ呪詛師。じっと見つめた後「裏梅かっ?!」と言う宿儺は大分嬉しそうである。最初「誰だ」という凍り付いた声音と比較しても分かるように、逢えて相当嬉しそうだ。この呪詛師の名前、そして2人が旧知の仲っぽいことが明かされた。

・Bパート:ピンチっぽい重面

 どうやら何かやばそうな相手と対峙していて、焦っている様子の重面。恵は頭を強く打っているようで、流血も酷く意識もなさそうだ。

・エンディング:特殊ED!新規絵!!!

 裏梅という名前が明かされた辺りからEDのイントロがかかっていて、渋谷事変初となる特殊エンディングとなった。今でも息が切れてしまう程の怒涛の展開というのに、この特殊ED。ここからもっと凄いですよ~とでも言っているようである。

 前回に引き続き、またもや新規絵が追加された!これはもう今後も追加されること間違いなしであろう。今回は、クレープを片手に写る虎杖&恵である。めちゃくちゃ可愛いので目に焼き付けておいた方がいい。

考察・疑問など

・虎杖の肉体の行方

 宿儺と組みそうな裏梅というキャラが接触してしまった事で心配なのは、虎杖の肉体がどうなるか…という事である。裏梅は「お迎えに参りました」と言っていたし、このまま宿儺をどこかに連れて行く可能性が大である。イムリミットが来た後、虎杖が囚われてしまってないか心配だ。東堂助けて…。

・甚爾の良心

 今回の話で、甚爾の唯一の良心は恵に向けられてたのだなと実感した。禪院という柵を捨て、家族も捨て、ただ自分の欲に忠実に生きていたように見えた彼にも、恵に対する情だけはどうしても切り離せなかったのだろうな。どうでもいいと言いながら、大事な存在だったのだ。息子にかけた言葉が「禪院じゃねぇのか、よかったな」だというのもグッとくる。五条先生が何とかしてくれたんだよとか、今先輩や同級生に囲まれて頑張ってるよとか伝えたくなった。言わなくても感じ取っているのだろうけど。

 死後ではあったが、最後に大きくなった息子の姿を見ることができて甚爾も安心しただろうし、嬉しかったろう。禪院家でどんな酷い待遇を受けていたのか不明だが、唯一気にかけていた恵の無事を確認できて彼の人生も報われて良かったなと思った。登場回数は多くない割に特大のインパクトを残し、さらにカッコよさまで視聴者に植え付けて去っていった甚爾…こんな魅力的なキャラだとは思ってなかった。

 恵にしてみれば、信じられないほど強いおじさんが急に現れて急に自死した事になるので、頭の中ははてなマークでいっぱいだろう。万一今後恵が気づくとしてもかなり後だろうな~と思う。今は考える余裕もないし、察するにも情報が少なすぎるので。

・漏瑚の涙

 死後の精神世界と言ったところであろうか、先に逝った花御と陀艮がいる空間へ足を踏み入れた漏瑚は、仲間に「すまない」と謝り、「再び生れ落ちる時は我々ではないが、それでもまた逢える日を心待ちにしている」と告げた。そして宿儺からはフィードバックと、「誇れ、オマエは強い」と賛辞の言葉を受け取る。その言葉を聞いた直後に漏瑚は涙を流して「…なんだこれは」と困惑した様子で最期を迎えた。非常に人間らしい最期だったと思う。

 漏瑚は何故涙を流したのだろうか?圧倒的な強者、自分がたどり着けない位置にいる宿儺という呪いの王からの言葉に、認めて貰えたような、魂が解れたような、ホッとしたような気持ちによって色々な感情が涙になって溢れたのかもしれない。最期の相手が宿儺だったのは不憫だなとも思うが、呪いである漏瑚にとっては一番幸せな死に方だったのかもしれないとも思った。

 宿儺は「さぁな、俺はそれを知らん」と答えたが、”それ”はなんなのだろうと考えてみる。涙の事かもしれないし、涙が出るその状況や感情かもしれない。

・宿儺の術式

 「心配せずとも、術式の開示など狡い真似はせん」と言っていたが、こちらとしては「いや、教えて?!」となった。だが、「知られているものと思っていたが、そもそも呪霊。知らぬはずだ」と宿儺も言っていたので、知っている”術師”は存在するのかもしれない。そして気になるのは、炎の攻撃に切り替える時に聞こえないワードを言っていたのだ。アニメでは暗転した時に「開(フーガ)」が聞こえたので、遅れて聞こえてきたような演出とリアタイ時は思っていた…が、単行本を見てみると「■」「開」となっているし、アニメでも口の動きが「フーガ」ではなかった。開にはフーガというルビ降られているのに、■の方は何もない。意図的に隠されているのだ。あの聞こえなかったワードは今は開示できない情報だということである。

 「■」「開」という文字面を見てみると、意味的には「■を開」とも取れないだろうか。そして「オマエの得意で戦ってやろう」という台詞。その後に炎の技が出てきたということは、もしかしたら宿儺は炎以外も扱えるのかもしれない。数ある選択肢の中から、オマエの得意な炎で戦ってやろうという意味だったのではなかろうか?自分の得意な炎に、火力で押し負けた漏瑚はめちゃくちゃ不憫だが(しかも焼けてるし)、今後相手の苦手な術式を選んでぶつけてくる可能性も全然ありそうだ。怖すぎる。

・裏梅と宿儺の関係

 今回やっと名前が公開された、白髪のおかっぱ頭の呪詛師。彼なのか彼女なのか不明だが、裏梅が宿儺のもとに現れた時、宿儺が「裏梅か?!」と嬉しそうに声をかけていたし、裏梅も「宿儺様、お迎えに参りました」と言っていた。1000年以来の再開…といった具合であろうか?会話の感じを見る限りは、旧友というよりかは主従関係のようにも見える。そして前回も述べたが、声の感じから物凄く忠誠心を感じるというか…。イェレナ感が過ったということで、異常なまでの忠誠心とか執着を持ったキャラだったりしないだろうか~なんて思ってしまった。あと全然根拠はないが、オープニングのSPECIALZの歌詞は裏梅と関係してたりしないかしら~と…。

・今後の宿儺の動き

 宿儺は今回偽夏油と組んでいる裏梅と再会を果たした様子。そして2人は旧知の仲で関係性も良さそうである。ということは…宿儺も偽夏油と組む可能性が非常に高い。非常~に緊急事態である。指15本にしてこの世の終わりみたいな存在の宿儺、そこに作中一番胡散臭い策士な偽夏油が出会ってしまったらもう正直勝てる気がしない。五条先生でも流石に荷が重そうだ。

・宿儺の誉め言葉?集

 特に意味はないが、宿儺のポジティブ?なフィードバックを集めてみた。恵が異様に多くて笑う。

五条

 

 

1

「なんだ貴様が頭ではないのか、力以外の序列はつまらんな」

単行本1巻

 

 

1

「面白い、式神使いのくせに術師本人が向かってくるか」

単行本2巻

2

「いい術式だ」

同上

3

「オマエあの時何故逃げた。宝の持ち腐れだな」

同上

4

「いい、いいぞ、命を燃やすのはこれからだったわけだ。魅せてみろ!!伏黒恵!!」

同上

5

「事情が変わったのだ。近い内、面白いモノが見れるぞ」

同上

6

天上天下、唯我独尊。己の快・不快だけが生きる指針。両面宿儺、彼にとって七海が死のうと真人が死のうとどうでもいい。唯一の好奇はただ一人。それ以外は心底どうでもいい」

同上

7

「いい、それでいい」

単行本7巻

漏瑚

 

 

1

「人間、術師、呪霊、千年前戦った中ではマシな方だった。誇れ、オマエは強い」

単行本14巻

・重面が怯えていた相手 ※次回予告の映像を含む

次回予告の映像も考察のヒントとして含むので、気になる方は飛ばして下さい。※

 ラストで「ふざけんなよ!起きろよ!!クソ術師!!」と重面が追い詰められていて恵に暴言を吐いているシーンで終わったが、ここと次回予告の映像と併せると、伏黒の式神が表に出ているのでは?と思われる。そして次回予告で出ていたのはオープニングで奥の手と思しき掌印と一緒に出ていたマーク(舵みたいなやつ)である。また、予告を見るとその式神の頭上にはあのマークが乗っていて、めちゃくちゃガタイのいい筋肉もりもりのおじさんだった。恵が布瑠部由良由良を使ったのか、何等かの影響で発動されてしまったのか…。その二択が考えられそうである。

 そもそもあのオープニングの掌印は例の奥の手なのかというのもあるが、恐らく合っていると思われる。今まで恵が奥の手を使おうとしていたシーンは幾度かあったが、いずれもあのオープニングと同じ掌印を結んでいる。

 さて、もし恵が奥の手を使ってしまったとしたらとんでもないことである。五条先生が言っていた通り、あれは”死んで勝つ技”なのだ。そして不安な点はもう一つ。宿儺がどういう行動を取るのかということだ。何やらタイミングを狙って恵に接触しそうな雰囲気であり、筆者の中ではそのタイミングとして”奥の手の発動”を1つの候補として挙げている。大丈夫…かな…。すごく心配だ。恵は意識もなさそうなのに、式神が自立しているというのも大変気になる。悪用されそう。…主に宿儺に。というか、もうこんなの渋谷事変が呪術廻戦の山場ですと言われてもいいくらいの話になってくる。でも現状原作はまだ続いている。芥見先生、これ以上の地獄がまだあるっていうんですか…。

・今後の真人の動向

 ついに独りぼっちになってしまった真人。仲間の死を認識しているのだろうか?また、それをどう捉えるのだろうか?真人には漏瑚たちのような情の厚さはなさそうだが、ある程度仲間意識はあったように思える。「皆先に行ったんだね~自分は自分らしくやろ」という感じになるのかなぁ…。オープニングでは虎杖&東堂と楽しそうに戦っていたし、以降も自分の気の向くまま、欲望に真っすぐ行動しそうではある。

・夏油一派の想い

 今回の話は、彼らの絆の深さ、そして夏油への信頼、敬意、愛情そういったものを感じられる回でもあった。そして各々夏油を想ってぶつかり合う姿には、家族のように身を寄せ合っていたことがよく伝わってくる。双子の意見も痛いほど分かって、聞いているこちらも辛い気持ちになる。夏油の肉体の解放を望む者、夏油の遺志を継ぐ者、そのどちらでもない者。各々の考えは異なるが、皆家族であり皆夏油を想っている事には違いない。夏油は生前も死後も苦しんだ人である。近くに寄り添ってくれる“家族”がいて本当に良かった…と今更ながら思った。どうにか夏油の魂が報われてほしいと願うばかりである。

・タバコを蒸す硝子

 「少し学生時代を思い出しまして」と言いながら煙草を吸う硝子はどんな心境だっただろうと思う。

・パンダや日下部たちは無事なのか?

 あの一瞬でその場から離れたようなので、恐らく無事かと思われる。怪我はしているかもしれないが…。

■おまけ:単行本の扉絵が怖い

 前からちょこちょこ思っていたのだが、単行本の扉絵が不穏である。13巻までは、過去編の8巻と9巻を除いて全て明確なキャラクターは描かれていない。描かれているのは、せいぜい呪いっぽいものだったり、呪いか人間かよく分からない者だったり、改造人間っぽい者だったり…そんな程度である。が、共通して言えるのは、「不穏」であること。

 そして、今回めでたくも14巻をアンロックした筆者は表紙を捲って「え?!虎杖…?宿儺?」と驚愕した。アパートの廊下を歩く虎杖らしき人物の後ろ姿が描かれているのだ。おまけに、近くの部屋のドア下には血痕らしき物が。えぇ…と思いながら、今までの扉絵を見てみようと1巻を開いた瞬間背筋が凍った。1巻と14巻の場所が一致しているのだ…。どういうこと…。

おまけ:今後のアニメ呪術廻戦について

 今回でもう第40話で、2期は残すところ8話。このペースで行くと、恐らく2期の内容は単行本16巻くらいまでであろう。そして、1期や2期を踏まえるとアニメの2クール分は約8巻分に相当すると仮定できる。現在の単行本最新刊は24巻なので、次3期が放送されるときはだいたい24巻くらいまでの内容になるんじゃなかろうか。

 アニメ勢なので原作がどんな感じなのか分からないが、どこかのイベントでは「今年こそ完結目指します!」みたいなコメントを芥見先生が残していたので、物語はかなり終盤に差し掛かっているのではと思われる。めちゃくちゃ適当な勘だがアニメ4期分くらいまでのボリューム感と予想してみる。仮にそうすると、今回の2期は劇場版から約1年半で公開されているので(このクオリティを考えると超スピードだなと思う)、素人勘定で多めに見積もって2年半とする。これだけの人気作品なので、完結までノンストップでアニメ化されると思う…という前提の基、次の第3期はだいたい2026年のどこか、第4期は2028年~2029年辺り…で放送されるのではなかろうかと。

 筆者はアニメが放送されてからその話分だけ単行本を読み進めるという追い方をしているので、現在家で眠っている24巻を読めるのは3年後くらいという事である。笑える。しかし1期からこの方法で楽しんでいるので、また待つのみ…という感情だ。待っている間は溜めているアニメや他の趣味に没頭しようと思う。何の話だろうという感じだが、おまけは以上である。

■次回、第41話について

 考察パートでも触れたが、次回は恵の奥の手っぽい式神?がどうして出現しているのかがポイントになってきそうだ。そして重面が痛い目をみる回となりそう。

芥見先生のコメント

 ※未投稿だったので、アップロードを確認次第掲載。

■アニメーターさんの投稿

諏訪部順一さんの投稿

 つい笑ってしまったのでご紹介。

 

以上。

【呪術廻戦】アニメ勢による2期 第39話「揺蕩-弐-」の感想など【宿儺・偽夏油の考察多め】※追記:エンディング新規絵

 11/2(木)に呪術廻戦2期第39話が放送されました。いつも通りアニメ勢の筆者が感想や考察などを語っていきます。

下記より、アニメ呪術廻戦・アニメ放映分の単行本のネタバレ及び、筆者の感想&考察要素を含みます。※

参考)単行本で言うとどの部分か?

 単行本13巻 ・第119話 渋谷事変㉗p.63~第112話 渋谷事変㉚

ファーストインプレッション:

 とんでもない展開に息も絶え絶えであった。あんなにもストーリーが動くとは思っていなかったので物凄い衝撃を受けた。そもそも領域内に入った後の甚爾がどんな動きを見せるのか全く予測不明だったのもあって、ずっと前屈みでリアタイしてしまった。領域に入ってすぐ真希の游雲を奪う甚爾は鬼に金棒状態で、何をしでかすか分からないハラハラ感があったし、その甚爾を上手く利用して陀艮を祓った後に領域外に出るも、甚爾をどう抑えるんだろうと思っている隙に恵がターゲットにされ、親子対決に引き込まれて「ついにこの二人が戦うのか!!!」とテンションもうなぎ登り。更に残された直毘人、七海、真希たちは突然現れた漏瑚に炎を浴びせられて安否不明。本当に一瞬の出来事で、しばらくショック状態が続いてしまった。双子たちは怪しい動きをしていて、この取り返しのつかなそうな展開の始まりに”ついに地獄の門が開かれてしまった感”がある。途中で出た夏油と双子の回想シーンは、アニメ勢としては劇場版のプロモーションで見覚えのある絵でびっくりした。「この絵好きで呪術廻戦展でポスターとか買ったんだけど!!!!!」と気分も爆上がりだ。てっきりオリジナルのイラストかと思っていたが、まさか原作にあるシーンだったとは…。まぁそうやってキャッキャッしている内に宿儺が双子の首を飛ばしてしまったので、心は冷え冷えである。呪いの王と言われているだけあって、作中で一番邪悪で惨い。

 そして今回は何と言っても宿儺の格の違いを見せつけられた回であった。またその過程も面白かった。漏瑚という比較対象を軸に、上手く表現されていると感じた。まずは漏瑚ってとんでもない呪霊だったのだとその強さを思い知った後、宿儺が登場する。すると漏瑚は冷汗をかいて彼の命令には反射的に従ってしまう…漏瑚からしてもこれ程の相手という訳だ。宿儺という存在がどれだけ危険な存在なのかがよ~く伝わる構成だった。五条といい宿儺といい、漏瑚が2人の引き立て役みたいになっているのがちょっと不憫である。

テレビアニメ「呪術廻戦」第39話 場面カット ©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

ストーリー構成

 ほぼ原作通り。

シーンごとの感想など

・アバン:前回のラストシーンのおさらい+α

 めずらしく前回のおさらいから始まる第39話。タイトルが出た後は、前回省略されていたナレーション部分が入ったバージョンになっており面白い作り方だなぁと思った。絵も新規で描かれているし、声も撮り直していた。芥見先生も述べていたが、おさらいシーンもちゃんと新規で作ってくれるのは視聴者としては嬉しい。

 そして一直線に游雲を奪いに来た甚爾。パワーに自身のある真希の手を簡単に振りほどいてしまう程の圧倒的な力の強さ。ナレーションの説明により、今の甚爾は極めてイレギュラーな状態にあり、術式が暴走した影響で本能のまま戦い続ける殺戮人形と化してしまったことが分かった。

 これまで4人がかりでボロボロにいなりながら陀艮に抗っていたのに、海も割れるほどの打撃を一瞬で打ち込み「その牙は常に、強者へと向かう」というナレーションでオープニングとなる。陀艮が甚爾に祓われたとしても、ターゲットがまた誰かに移るだけで危険な状況であることには何ら変わりないんだなという絶望を感じた。

・Aパート:陀艮を圧倒する甚爾

 もうここからは、大変楽しそうに高速で動き回る甚爾を見守るしかなかった。筆者は個人的に、このスピード感と激しい戦いの表現にNARUTOのペイン戦辺りを見たときと同じものを感じた。そして甚爾演じる子安武人さんが全く喋らない。お魚を口から離した後の息くらいである。彼に意識というものがなく、本能のまま動いているのだなと実感した。普段着で常人離れした戦いを繰り広げる甚爾には、もうポカーンと見つめることしかできない。 砂浜に追いやられた陀艮の視界に映る甚爾が、瞬きする度に迫ってくる演出もあって思わず「こわ!」っと思ってしまった。

 依然ピンチな状況ではあると思うが、真希にとって甚爾の存在は大変興味深かったようだ。真希は甚爾のように呪力が0という訳ではないが、呪力が極めて少ない分フィジカルギフテッドの恩恵を受けている身である。恐らく衝撃を受けたのだろう。こんな場でなければ、真希にとってとてもいい経験&モデルだったろうに。

 七海が「伏黒くんもう少し持ちますか?」「申し訳ない」と言葉をかけるところも何とも言えなかった。大人として子どもである恵を守るべきというのが七海の本来の考えではある一方、この状況下では恵に頼らざるを得ないのだ。不甲斐なさや、悔しさも感じていただろう。

 游雲を研ぎ始める甚爾には「あぁ…それ5億以上の価値なのに…」と思ってしまった。そして直毘人のナイスフォローもあり、甚爾によって陀艮は祓われ、領域は解かれた。

・Aパート:領域外へ出た七海たち、放り出される恵

 元の渋谷駅へと戻った七海たち。特に恵はボロボロだ。そんな中、甚爾がゆっくりとこちらに歩いてくるその足音と近づく姿がめちゃくちゃ怖い。次は誰をターゲットにするのかと肌がピリピリしてしまう。値踏みするような目のアップの後、駅のガラスが破られ外に放り出された恵。来てしまったのだ…親子対決が!!!!!恐らくあの中で恵を”強者”と認識した故の行動だろう。

・Aパート:残された3人

 真希が「恵!!!」と叫ぶその後ろにはまさかの漏瑚。背筋が凍った瞬間である。漏瑚は消えていく陀艮の身体の一部を手に取り弔いの意を示す。「後は任せろ、人間などに依らずとも我々の魂は廻る」「百年後の荒野でまた会おう」の言い方にグッときた。花御、漏瑚、真人、陀艮の4人は特に絆が深かったのだなと。漏瑚も呪霊とはいえ、自分たちが生き残らなくても呪いの世界になれさえすればよいというブレない軸を持っていたりと中々魅力的な性格の持ち主だ。千葉繁さんが発したこの台詞からは、漏瑚の仲間思いで情に厚い部分も垣間見えていいな~と思った・・・・・が!!!!次の瞬間、七海たちを一瞬で燃やしてしまったのだ…。ショック過ぎて言葉も出なかった。真希の「七海さん!」と言いかけた叫び声が辛い。直毘人も動きを失敗してしまったのか、噴火口2口から噴き出す炎に焼かれてしまった。とんでもなくショックな展開である。

・Aパート:宿儺を呼び出す枷場姉妹

 おろおろしている間に、宿儺の顔がカットインしてきて「?!」となった。宿儺の指が解放されたとのことで、場面は枷場姉妹の視点に移る。虎杖に指を飲ませて宿儺を呼ぼうとしているらしい。絶対止めときな!!!と全力で止めにかかりたい気持ちであった。そんな願いも虚しく指は食べさせてしまうし、更に漏瑚も虎杖に何かしようとしている。ここで回想シーンが入り、偽夏油(寄生体)が漏瑚に”虎杖に一度に10本指を取り込ませれば、一時的に宿儺に肉体の主導権を移す事ができる”と説明している様子が映される。その後オープニングでも描かれていた指コレクションを取り出した。ここでAパートは終わりである。

・Bパート:虎杖に指を取り込ませた漏瑚

 偽夏油の言う通りに保有していた10本の指を虎杖に食べさせた漏瑚。「これで虎杖の中には最低でも15本の指が在る」と言っていたが、この本数も的確だ。恐らく偽夏油の入れ知恵かなと言ったところだ。双子に再度手をかけようと腕を上げたが、その前腕は切り落とされていてヒェ…となってしまった。ここからは宿儺のヤバさを視聴者に分からせるための時間であった…。

・Bパート:宿儺

 己の顔を掴む漏瑚に対して「1秒やる、どけ」と告げる宿儺。静かなトーンなのにドスが効いているめちゃくちゃ怖い一言である。(この時傷も一瞬で治っていた。)思わず漏瑚も瞬時にその場を退き、宿儺と距離を取る。絶対的強者感のあるBGM、そして漏瑚が冷汗をかき心音が大きく響くその演出で、漏瑚の動揺っぷりが伝わってくる。遥かに格上なのだ。見ているこちらも、何も悪いことをしていないのに「大変申し訳ございません…」と謝りたくなる程おっかなかった。

 「五条悟とは異質の強さ!!圧倒的邪悪!!互いの一挙手一投足が全ての死因に成りうる恐怖!!」「息していいんだよね?!」という漏瑚や双子の台詞からも、もう宿儺が目の前に立っているだけで自分が死と直面していると錯覚するような恐怖・絶望が物凄く表れている。宿儺が「頭が高いな」と一言言えば、3人共反射的に跪いてしまう程。片膝だけついた漏瑚は頭の上部を切られ、「片膝で足りると思ったか?」と言われる始末。やばすぎる…。

 指1本分くらいは話を聞いてやると言った宿儺に、「夏油様を解放してください」と頭を下げる双子。その後、急に回想シーンが来て夏油推しの筆者は飛び上がった。「呪術廻戦0の時、ダヴィンチの表紙になってたやつだ?!」とびっくりした。筆者はこの表紙が好きすぎて、呪術廻戦展でポスターやらポストカードやらを購入したのだ。まさか本編に出てくるシーンだったとは思わず、うわぁぁとなった。更に双子から五条について聞かれて「親友だったんだ。ケンカしちゃってそれっきり」と溢す夏油に筆者は心の中でむせび泣いた。“夏油を殺した五条の事は許せないけれど、たった一人の親友だからこれでいいとも思った”と言う双子から、どれだけ夏油のことが大好きで彼の事を想っていたのかが痛いほど分かる。夏油が離反したその時からずっと一緒に過ごしてきたのだ。彼の抱える苦しみ等も感じ取っていたのだろう。だからこそ、その夏油の肉体を利用する寄生体をどうにかしてやりたいとずっと思っていたのだろう。必死だったに違いない。

 双子たちの気持ちが分かった後、彼女が交換条件を宿儺に提示する。宿儺に交換条件はまずい!やめておきな!っと思っていると、宿儺は2人に表を上げさせ美々子の頭を打ち飛ばしてしまった…。酷すぎる&容赦ない。反撃しようとした菜々子も木端微塵にされてしまってもう筆者の心はボロボロである…。ウサギの耳のついたスマホを持つ宿儺には若干シュールさを感じて微笑してしまったが、双子の人生を思うとしんどすぎる…。

 お次は漏瑚。「肉体の主導権を永劫得るために縛りを作れ」と提示する漏瑚。宿儺が「必要ない」と言った時の漏瑚の顔がちょっと可愛いので、ぜひ単行本でも見て欲しい。猫ちゃんみがある。俺には俺の計画があると言いつつ、一撃でも入れられたらオマエらの下についてやると言う宿儺。そしてその時には渋谷の人間を一人を除いて皆殺しにしてやろうと言う。漏瑚もその提案を飲み、2人の戦いが始まるぞというところでエンディングとなった。

・エンディング:新規絵!※追記

 大事な事を忘れていたので追記。エンディングの、恵と虎杖が2人で信号待ちしているカットが、渋谷駅の山の手線ホーム?と思しきところで佇んでいるカットに差し替わっていた。以前も一度野薔薇ちゃんのソロカットがガチャガチャのカットになっていたので、これはもう意図的であろう。最終回までにどんな絵が公開されるのか楽しみである。ファンとしては、1年ズが渋谷を散策している時にスリーショットを撮ってあげたかった...とか意味の分からない感情になった。自撮りでもいい。3人で写ってるカットも入れてくれないかしら...。

考察・疑問など

・七海、真希、直毘人は無事か

 明確に描かれていないので何とも言えないが、正直かなり厳しい状況かと思われる。あの一瞬で漏瑚の炎を近距離で喰らったのだから。直毘人には噴射するタイプの攻撃を二重で当てて来ていたし、安か否で言ったら間違いなく否であろう。いや~でも…あんな一瞬で3人の命が奪われるなんて考えたくない。直毘人は両腕があればあの術式でなんとか回避はできたかもしれないが、回避できたとしても漏瑚の火力が凄まじいのと、そもそも火が人間相手には分が悪いというのもあるので劣勢であることには変わりなかったであろう。また、真希や七海も近接物理タイプだし、もし仮に呪力かなんかを強化して咄嗟に自身を守ることができたという場合でも、なんとか命は取り留めた…レベルであろう。ファンとしては皆に生きていて欲しいしもっと活躍するシーンが見たいので、明確な安否が述べられるまでは無事を祈っていこうと思う。いやでも非常にしんどい。芥見先生は地獄を練り上げているに違いない。

・宿儺のヤバさ、そして今後どうなるか?

 指15本分であの絶望感である。特級呪霊の中でも強い漏瑚が自分の生に縋り、宿儺の存在に怯え跪いてしまう程の邪悪さだ。もうこの時点で宿儺が復活したらこの世の終わりとしか思えないし、20本全てを取り込んだ暁にはもう無理じゃん…と思ってしまう。今のところ五条先生しか張り合えそうな人がいないのも不安すぎる。絶対復活させちゃいかん。(でもどうせ復活するんだろうな…)

 前々から考察しているように宿儺vs五条という戦いはいずれは起こるとは思うが、それにしても五条大丈夫か?!と思うくらい宿儺が本物すぎる。呪術師最強の五条と、呪いとして最凶の宿儺といった具合であろうか。五条も五条で0や過去編を見てしまうと、「五条先生は最強だし、最後はなんとかしてくれるでしょ」感がだんだん薄れてくるのだ。

 地獄を練っている芥見先生のことだから、宿儺は20本の指を取り込んで復活しそうだ。今のところ希望が見えなくてキツい。ここまで来ると、過去宿儺を封印した人誰?!どうやったの?!となる。死後も呪物として残ってしまったとは言っていたが、そこまで持っていった人よっぽどな人物である。0でチラッと出ていた菅原道真が今出ている情報では一番相応しいだろうか?いやでも、呪術全盛の時代には宿儺に術師は負けたと述べられていたし…。過去封印した人に転生してもらって、ぜひノウハウをご教示願いたい。

・宿儺の計画とは?虎杖と恵の今後が限りなく不穏

 今回、宿儺は明確に計画があると言った。そして、今までの行動を見るに①虎杖との縛り(契闊)、②恵の存在 の2つが大きく関わっていることは間違いないだろう。以前も考察したが、宿儺は①と②をもって、完全復活しようとしていると思われる。1人以外は全員殺すと言っている程、恵は宿儺にとってガチ・キーパーソンなのだ。

 そしていつ①の契闊を起こすのかというところが非常に重要であろう。それが②で恵を利用してくるタイミングである可能性がめちゃくちゃ高いからだ。今まで恵と接触する機会が何度かあったのにも関わらず手出しはせず、恵の成長を見守る様子だった点から、恵の術師としての成熟を待っているだとか、特定の状況を狙っていると予想できる。このことから、契闊と唱えるその直前に虎杖or指が恵の近くにある状態であることが必須だろう。何故なら、繰り返しになるが宿儺が恵の状況を把握する必要があるし、利用対象だからだ。じゃあどういうタイミングで宿儺は契闊を行うのだろうか…?

 今まで出た情報から想像してみると、「完成された領域展開の発動」や「布瑠部由良由良の発動」がトリガーになる可能性が非常に高いと見ている。そしてなーんとなく宿儺は影を新しい器にして利用してきそうだ。漠然とした勘ではあるが、宿儺が恵に興味を持ち始めたきっかけの一つでもあるので、可能性としてはあり得るだろう。ただ、宿儺が引っ越しするなら新たな器もそれなりの強度や耐性がないと意味がないだろう。そういう点で見ると影でいいのかな~?というのはあるが、今のところ1番あり得そうなパターンと考えている。

 また、仮に宿儺が新しい器に引っ越ししたとする。そうなった場合、虎杖が無事でいられるかが不安だ。NARUTOの人柱力のように、尾獣を抜かれたら死んでしまうとか…そういうのがないか心配である。

・現状の宿儺の指の取り込み数は?何故呪霊側が把握しているのか?

 そういえば今虎杖は何本指を食べたんだっけ~?と思ったのでまとめてみた。現状15本である。漏瑚が言っていた、「これで虎杖の中には最低でも15の指が在る」のその15本ピッタリだ。枷場姉妹が何本取り込ませたか分からないので、最低15本と言っている。な~んでそれまで何本取り込んだのか知っているんでしょうねぇ…どうせ偽夏油(寄生体)の入れ知恵であろうが、それにしても詳しすぎて怖い。仮にメカ丸に偵察させていたとしても、そもそも偽夏油が始めから虎杖に目を付けていたという事になるので一層臭う。やはり、最初から虎杖に指を取り込ませるために仕込んでいたとしか思えない。指を取り込めば取り込むほど、偽夏油のシナリオを辿っていくようで不安が大きくなっていく。

 

取り込み数(計)

場面

1

1(1)

恵たちを救うために自ら宿儺の指を取り込んだ

2

1(2)

火葬場で五条が食べさせた

3

1(3)

宿儺が特級呪霊から指を奪って食べた

4

1(4)

八十八橋編最後に恵の手から宿儺が食べた

5

1(5)

枷場姉妹が食べさせた

6

10(15)

漏瑚が食べさせた

・偽夏油(寄生体)はどこまで知っているのか?

 今回感じた事に、「何故虎杖の宿儺の器としての情報に詳しいのか?」というのがある。そして今回全部は見られなかったが、何やら宿儺関連で漏瑚に助言をしていた様子。まるで虎杖や宿儺の事を知り尽くしていますといった様子だった。事情を何故か知り尽くしているキャラというのはアニメや漫画ではよくある事である。偽夏油(寄生体)もそういう事として流すこともできるが、この呪術廻戦という作風そしてこのキャラの胡散臭さといい、これまでの様子を見るとどうも本当に理由があって詳しいとしか思えない。偽夏油が何者なのか紐解くヒントになるかもしれないので、今まで彼が匂わせてきた情報をまとめておく。

 

怪しい部分

予想などのメモ

1

虎杖が生きている事を知っているような口ぶり

宿儺がどんな行動を取るか分かっていた?

2

高専の情報に精通している

夏油の記憶orメカ丸から情報を得ていた?or元々知っていた?

3

加茂憲倫(御三家の汚点)の説明

本人だった?or加茂に寄生していた?or加茂にそうさせるように仕向けた?

4

呪胎九相図が生まれた過程の説明

同上

5

宿儺にとっての地雷の存在に気づく

宿儺がどういう人物でどんな行動を取るのか知っていたからこそ異変に気付いた?

7

真人に有効打撃が当たって嬉しそうにしていた

真人を取り込んで更に利用しようとしている?

8

獄門疆(呪霊からしても忌物)を保持しており、使い方も詳しい

獄門疆も加茂憲倫が集めていた?

9

五条悟の封印のための戦術を立てられる(術式や弱点も把握)

夏油の記憶&元々知っていた?

10

自分の目的には五条が邪魔である

11

五条に「新しい世界でまた会おう」と言う

新しい世界では五条がいても構わない?orむしろ必要?

12

抗う夏油の肉体に感激して高まっている

新たな発見ができて嬉しそう。そもそも呪術自体に興味があり精通している?加茂と関連ありそう

13

「術式は世界か、いいね素敵だ」と楽しそうに言う

同上

14

夏油の術式や、五条との交友関係を把握していた

夏油の記憶or元々知っていた?

15

虎杖の器としての特徴を説明

虎杖のような人物が産まれるように仕向けた?orずっと待っていた?

 正直、偽夏油の言葉や行動の一つ一つが怪しすぎて仕方がない。もう本当に、ずーっと前からこの計画を企てて機会を狙ってて、今がそのタイミングなんですというような素振りなのだ。準備もしっかりしているし、描いているシナリオを着々と歩んでいる雰囲気がものすごく出ている。

 1期から偽夏油が仮のラスボス感というか…そんな感じがあるなと思ってきたが、こうなるとますますその勢いが強まってくる。あまりに主人公サイドの情報を知っているくせに、肝心の本人に関しては殆ど開示されていないからだ。名前すら未開示だ。本当のラスボスではないかもしれないが、そうだとしても相当厄介な相手だという事がストーリーが進むごとに強まっている。

・甚爾vs恵のバトルはどうなる?

 次のターゲットとしてロックオンされてしまった恵。宿儺が目をつけるくらいだし、やっぱり恵は特別な存在なのだなと実感。だが、その恵は既にかなり消耗している状態なのでこのまま甚爾と戦うのは相当厳しいのではなかろうか。一度領域展開もしてしまっているし、再度できるほどの呪力量も残っていない可能性が高い。彼は限界に近いのだ。

 だが、それでもあの中から恵を選んだという事はまだ恵には可能性があると取ってもよいだろう。五条のように覚醒するかもしれないし、あんまり使ってほしくないが自死覚悟の奥の手もある。そして、宿儺は恵だけは生かしておきたいと言っている以上、誰かに恵を殺させるなんてことはしないはずなので、甚爾を倒せるのか否かは別として恵は恐らく生存するであろう。

 甚爾は”器が壊れるまで”本能のまま戦い続けるということなので、器の限界が来さえすればその暴走は止めることができるであろう。それまで踏ん張るのが大変そうだが…。正直、素でこの甚爾と戦って勝てる相手はそうそういないように思えるのだ。恵には勝ってほしい気持ちはあるが、今の状況では厳しいところであろう。もし奥の手を使えば勝てるとしても、それは”死んで勝つ”に相当するので避けて欲しいところである。

・漏瑚の台詞

 呪いの命は廻ると言っている。呪術廻戦というタイトルにも関わってくる重要な台詞と思ったので掲載。

 漏瑚「人間などに依らずとも、我々の命は廻る。百年後の荒野でまた会おう」(単行本13巻)

・漏瑚の挑戦の行方は?

 一発でも攻撃を入れられたら宿儺を仲間に引き込めるという事で、漏瑚はその挑戦を受ける訳だが…宿儺がワザと当たってくれでもしないと無理なのではなかろうか?宿儺にメリットがあればお情けをくれるかもしれないけども…今のところ何とも言えない。どっちかと言うと漏瑚が祓われそうである。

 宿儺にしてみれば、自分の計画があるしそれも順調に進んでいるようなので、漏瑚にああいう台詞をかけたのも一種の暇つぶしでしかないのだと思う。別に漏瑚がどうなろうと宿儺にとってはどうでもよい話なのだ。もちろん恵が絡めば話は変わってくると思うが、今のところ呪霊サイドは宿儺にとっての切り札に気づいてはいなさそう(偽夏油は知ってそうだが)なので、単純に宿儺の退屈凌ぎとして抜擢されたに過ぎないのであろう。

・宿儺のタイムリミットが来た後の虎杖は?

 ”宿儺が一時的に肉体の主導権を握る”、そのタイムリミットが来たら虎杖はどうなるのであろうか。代わる前は満身創痍で意識もない状態に見えたが、一応宿儺に代わった事で身体は治ったようだ。意識が戻り次第、そこからの記憶は残っているだろう。宿儺が勝手にやったこととはいえ、自分の身体を使われて枷場姉妹を殺害されてしまった事を虎杖が知ってしまったらどれだけ苦しむだろうか。またイムリミットまでの間、宿儺は漏瑚だけを相手にするとは限らない。一般人や仲間等と鉢合えばまた惨い事をしかねない。その後の虎杖の気持ちを考えると辛くて仕方がない。

・夏油と虎杖

 上の事を書いていてふと思ったが、自分の肉体を勝手に利用されて周りの人を傷つけられる苦しみを知っているのは虎杖だけではなく夏油もまたそうだと気付いた。夏油は死亡後ではあるが、肉体が抗っている様子を見ると夏油の意思も恐らく残っていると思う。酷く辛いだろう。

・白髪おかっぱ頭の呪詛師について

 今回登場してないが、書き忘れていたのでここに残しておく。あまり他作品のキャラクターを引っ張ってくるのはナンセンスかもしれないが、初登場した際に思った第一印象が「イェレナっぽい」であった。お声が斎賀みつきさんなのでまぁそうなのだが、何となくあの喋り方に誰かへの忠誠心があるような印象を受けた。

おまけ:全員(禪院)集合②

 第39話をリアタイした後、単行本で放送分まで読み進めていたらおまけページに「8時ダヨ!全員集合!」と書いてあるページがあって笑ってしまった。前回、「全員とはいってないけど、禪院にかけてるのかなって思った」と述べたが、あながち間違いじゃなかったのかもしれない…。

おまけ:ヤバい人に腕を引きちぎられがちな漏瑚

 五条にも宿儺にも腕を切られているなとふと気がついた。漏瑚も大変だな…と思ったというだけだが、ちょっと面白かったので記述した。

■次回、第40話について

 甚爾vs恵の親子対決と漏瑚vs宿儺との戦闘シーンが見どころとなりそうだ。パンダや日下部なども久しぶりに登場しそうである。パンダは何やら驚愕といった表情をしていたり、日下部は抜刀していて何等かの戦いが予想される。恵がやや呆れた顔をしていたので、ひょっとしたら日下部やパンダが加勢にきたのかもしれない。

 漏瑚vs宿儺戦は、PVで既に出ていたが恐らく漏瑚は歯も立たないであろう。以前の五条先生との戦闘のように、一撃も当たらずずっと劣勢状態が続くと思われる。また、PVでかなり気になっていた火の海の中で宿儺が日の矢を放つシーンも見られそうでワクワク&怖いである。

 漏瑚は強い特級呪霊だし、七海や直毘人、真希などの優秀な術師にあんな一瞬で攻撃をしかけるのだ。でも悉く戦闘相手が悪く、五条と宿儺の引き立て役みたいになっていてちょっと不憫である。

出典:TOHO animation チャンネル, TVアニメ『呪術廻戦』「渋谷事変」第2期PV第3弾(URL: https://youtu.be/PKHQuQF1S8k?si=DhwVjHwoKOZTPnUY)より

 

芥見先生のコメント

※HUNTERxHUNTERの、俺でなきゃ見逃しちゃうねおじさん...。

■アニメーターさんの投稿

 

以上。

【呪術廻戦】アニメ勢による2期 第38話「揺蕩」の感想など

 ついに10月31日がやって参りましたね!作品としては5年前の今日渋谷事変が起きた訳ですが、今回もいつも通りアニメの感想&考察を述べていきたいと思います。対象話は、10/27(木)放送された呪術廻戦2期第38話となります。ちなみに、ハロウィンの本日呪術廻戦の新ビジュアルの公開や記念特番が放送されます!ファンたちを睡眠不足にさせるスケジュールですが、筆者もできるだけ追っていきたいと思っています。

youtu.be

下記より、アニメ呪術廻戦・アニメ放映分の単行本のネタバレ及び、筆者の感想&考察要素を含みます。※

参考)単行本で言うとどの部分か?

 単行本12巻 ・第102話 渋谷事変⑳ p.93~p.110

       ・第106話 渋谷事変㉑ p.178~最後まで

 単行本13巻 ・第107話 渋谷事変㉕ ~ 第109話 渋谷事変㉗

ファーストインプレッション:

 作画の雰囲気が冥冥サイドと七海たちサイドで違うのが面白いなと思った。冥冥の方は生っぽい感じで、七海たちの方はそれよりもアニメっぽい感じ。そういえば、1期では回ごとに結構キャラの描き方が結構変わっていたりしていたな~と言うのを思い出した。(アニメではよくある事だが)2期は多少の変化はあるものの、1期よりも描き方がより統一されているように思う。こればっかりは好みの話になるので何が良いという話ではないが、アニメの呪術廻戦という大きな枠組みの中で制作陣の方がいろんな試行錯誤の上作り上げていって下さっているのが良く分かる。

 とは言いつつも、リアタイ後の本当の感想と言えば「冥さん美しい&かっこいい!」、「可愛い呪霊がおじさんになって辛い」、「ナナミン優しいかっこいい!」、「恵ナイス!」、「ナナミンが叫んでいる!」、「甚爾?!」という感じであった。

テレビアニメ「呪術廻戦」第38話 場面カット ©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

ストーリー構成

 ほぼ原作通り。

シーンごとの感想など

・アバン:冥冥&憂憂

 アバンは冥冥たちの戦闘が一区切り着くまでが描かれていた。三石琴乃さん演じるしっとりとした艶のある演技と丁寧な絵作りで、冥冥の美しさが存分に味わえた。特に冥冥を映すアングル、そして目元や口元の描き方がとても魅力的だった。そして冥冥の術式名「黒鳥操術」も明かされた。そして神風(バードストライク)という技が五条悟以外誰も避けられたことがないという説明の時に五条先生が映ったが、「げへへ」みたいな笑い方をしていて笑ってしまった。いいアニオリである。そして領域外に出た冥冥たちを待ち受けていたのは偽夏油(寄生体)。ここのカットがかっこよかった。ぼやっとした視界の中、光を背負い龍っぽい呪霊が揺蕩う様子がこれまた見惚れてしまうほど綺麗だった。そして「やるじゃないか、最近の術師にしては」と意味深な台詞を残してオープニングとなる。ガワは夏油という事もあって、偽夏油がいちいちかっこいいのが悔しい…。中身違うのに、やっぱりかっこいい…。

・Aパート:七海&真希&直毘人vs陀艮①

 合流した七海らは、渋谷駅の構内を歩いていた。「五条悟が封印か……狐につままれたようだ」「私もです。ただ偽物とは言え夏油さんが絡んでる。その辺りに種があるのかと」と会話する直毘人と七海。七海は夏油を偽物と認識しているのだなという事と、偽物とは言えちゃんと夏油”さん”と敬意を払っているのが七海らしいなぁと思う。まぁそう呼ばざるを得ないのだが。

 そして突然ひょっこり現れた呪霊。陀艮というらしい。七海が対応しようとするも、直毘人がすでに接近していてパンチを1撃。速すぎてびっくりした。陀艮は泣いてしまっている。ちょっと可愛いなと思って見ていたら、相当の数の人骨を吹き出す。これは…帳が降りてすぐ吸い込まれていった人たちだろう…。うん…可愛くないかもしれない。そして特級呪霊たちの名前を呼んで花御の名前を口にした瞬間、怒りを爆発させて厳ついおじさんになってしまった。可愛かった呪霊が急におじさんになって辛い。

・Aパート:七海&真希&直毘人vs陀艮②

 陀艮が構内に水を溢れさせ、真希の身体が波に攫われそうになる。あの激流が胸下の水位で迫ってきたが、咄嗟に呪具を柱に刺して上に上がり体勢を整える真希。体幹の強さが伺える。

 そして急に直毘人が「呪霊よ、アニメーションが1秒に何フレームあるか知っているか?」と問う。彼の術式の話というのは分かるが、アニメで描かれている以上メタい台詞になってしまっていてジワジワ来てしまうのと、陀艮は「呪霊ではない。私は陀艮」と答えてお互いに言いたい事を喋り続けていて全く会話になっていないのも笑えてくる。呪術廻戦の小説で、恵が「五条との会話はキャッチボールではなく、打ちっ放しゴルフかバッティングセンターレベルだ」と表現していたが、まさにそんな感じだ。五条同士で会話しているくらい噛み合っていない。

 「呪力過多、術式もまだまだ手数があるな。ならばどうする?」辺りで流れてくるBGMがお洒落で気分が高揚した。その後、陀艮が直毘人に逆転されるがそこからはアニオリになる。直毘人の術式説明だ。彼の術式は「投射呪法」というらしい。1秒を24分割し予め視界で動きを作ってトレースできる事、また触れた物も同じフレームレートで動きを作る必要があり失敗すれば1秒間フリーズするとのこと。リスク説明の時に、作った動きが過度に物理法則や軌道を無視した動きを作れば自らもフリーズするというナレーションが入るのだが、絵コンテの絵に「リテイク!!!!動きつながってません!!」とデカデカと書いてあって笑ってしまった。その後もタイムシートが出てきたりして、アニメでアニメの説明をするという、シュールさ増し増しな感じになっていた。更に「五条悟を覗き最速の術師」という説明があり、直毘人も凄いが五条がどこでもトップを取ってくる感じで改めて規格外なんだな…と。

 ぼけっと見ていたら、陀艮が印を結ぼうとしていてそれを直毘人が阻止したように見えたが、お腹に模様が描かれており領域展開がされてしまった。単行本のおまけページには「邪魔されてしまったので、お腹に呪印を描いて発動しました」と書いてあった。そんなのたまったもんじゃない。初見殺しにも程がある。

・Bパート:七海&真希&直毘人vs陀艮③

 そうこうしている内に、直毘人たちが見たことのある空間に閉じ込められていることが分かる。夏油達が集っていたリゾート地っぽいあの浜辺である。まさか陀艮の領域内だったとは。

 そこからは、必中のお魚式神たちが七海たちを容赦なく襲ってきて思わず目を細めてしまった。ピンチもピンチである。陀艮が真希に手をかざした時、後ろから黒い幕が吹き上がってきた。何と恵のご登場である!!!!!思わず恵っ!!!と歓声を上げてしまった。そして真希の手元に游雲を出現させ、気の利く可愛い後輩ポイントが限界突破する。流石過ぎる!!

 恵は領域展開の押し合いに持ち込み、陀艮の必中効果を除去していた。ここで恵の領域展開が見られるなんて思っても見なかった。両手が塞がって動けない恵(不完全だからであろうか?)に式神を飛ばす陀艮だが、その式神は七海によって薙ぎ払われる。式神の身体が二分されて割けていくところの恵がかっこいいし、ナナミンはニューヘアで更にかっこいい。しかしボロボロで痛々しい姿だ。それなのに「君は私が守ります。領域に集中してください」と告げるナナミンに思わず唸ってしまう。直毘人も右腕が奪われ、全員ギリギリの中で戦闘が再開される。

 恵は只でさえ限界そうな様子なのに、足元に用意した脱出用の穴に皆で飛び込めるようにしていた。なんてできる子なんだ…。七海が「君だけ残るなんてことは無しですよ?」と言うと「命は懸けても捨てる気はありません」と言い切る恵。成長した恵にほっとしたのは私だけではないはず。恵の意図を理解し、七海が2人に「2人共!!集合!!」と叫ぶ。今回ナナミンの色んな姿が見られて脳のキャパシティが限界である。走る2人と追う陀艮。広がる穴に皆で飛び込むぞ!いけー!っと思っていると、外から甚爾が入ってきて、そこでエンディングが流れ始めた。混乱も混乱である。

※恵が助けに入るシーン付近や、最後のナナミンが叫ぶ辺りから甚爾乱入まで、アニメでは台詞をカットしている台詞があるので是非未読の方は確認してみて欲しい。明確に考えていることなどが記述されている。

考察・疑問など

・偽夏油は渋谷事変で何をしようとしている?

 ふと思った。そういえば「獄門疆を見てないといけないから、ここ(ホーム)で待ってるよ^^」と言っていたことを…。だがどうだ、彼は冥冥の方まで来ているではないか。全然ここで待ってるよじゃないのだ。まさか獄門疆をホームに放置して線路を渡ってきたとは思えないし、もう”五条悟の封印”という目的は果たしたも同然なのではなかろうか?なぜそのまま撤収せず、残っているのだろう。まだ何等かの目的が残っているとしか思えない。これ以上何をするというのか…。疑わしいのはやっぱり宿儺関連だ。宿儺の器である虎杖に何かしようとしているのか、宿儺の地雷である恵に何かするつもりなのか…その辺がどうも怪しいなと思う。

・虎杖が呪胎九相図との血縁関係にあるとしたら

 前回の脹相の存在しない記憶のシーンから、脹相と虎杖は本当に兄弟なのかもしれないという可能性が出てきた。ただこれは本当に”可能性の1つ”であって、本当は脹相の妄想だったのかもしれないし、虎杖の能力かもしれない。色んな可能性が残っているので本当に仮の仮だが、もしそうだとしたらと考えると色々思う所がある。

 1)偽夏油が何故呪胎九相図を回収したのか?

 単純に意思疎通のできる特級呪霊を仲間に引き込みたかっただけかもしれないが、偽夏油が胡散臭すぎて全て深読みしたくなってしまう。呪胎九相図と虎杖の関連性に気づいていた上での抜擢だったりするのだろうか?

 2)虎杖が呪霊との混血としたら

 そうだからと言って特にどうという事もないのだが、あの常人離れした身体能力にも納得しやすい気もする。呪霊の血が入っているから身体能力が向上する訳でもなさそうだがまぁ何となく…。

 3)呪霊の子を孕む特異体質の娘と宿儺の関連性

 虎杖が特異体質の娘から産まれていた場合、その娘と宿儺の関連性も気になるところだ。虎杖は宿儺の器だからだ。見覚えのない懐妊と言っていたので本人に直接的な関与はなかったにしろ、何か間接的な繋がりがあったのかもしれない。

・宿儺の術式とは

 五条がその内宿儺の術式が刻まれると言っていた。今までの感じやPVからすると、宿儺は炎っぽい能力を有していると思われるがどのような能力なのか気になる。

・甚爾乱入

 頭を抱えたくなるほどのバッドタイミングで入ってきた甚爾。恵がせっかく広げた出口が塞がってしまいそうじゃないか。領域内にいた皆がどうなってしまうのか心配でならない。そして何と言っても、あの場に乱入した甚爾は今後どんな動きをするのだろうか?復活後に彼がどんな行動を取ってきたのかを考えてみると面白いかもしれない。

 一先ず明確に描かれていたのは、自分に指図してきた術師であるオガミ婆を倒した事。その後はどんな行動をしてきたのだろうか。元々そこそこ血の気が多い性格にも見えるので、状況も掴みつつ「鈍った身体を解すか~」くらいの感じで目に付いた呪霊・術師と戦闘しそうではあるが...見返りなくそんなことするのかな~というのも正直ある。夏油らとの関係性も気にはなるが、早々に手を組むような性格には見えない。本当に単独行動でかき回してくる可能性のが大きそうである。まぁ一旦はとりあえずあの場にいる人間を見境なく襲うのではないかな~というのが筆者の予想である。

・甚爾を見た皆の反応は?

甚爾を見たそれぞれの反応も気になる。少なくとも直毘人は甚爾と気がつくであろう。

・偽夏油(寄生体)はいつから生きているのか?

 以前、偽夏油について考察した際に彼はかなり前から目的のために動いているのでは?と記述した。かなり前というのは、呪術全盛の平安時代だったかもしれないし、加茂憲倫の活動していた明治時代かもしれない、はたまた別の時代かもしれない。少なくとも、あの術式そしてあの用意周到さからはかなりの年月をかけて計画を企ててきたということが伺える。そして今回冥冥に対して発した「やるじゃないか、最近の術師にしては」という台詞は、これを裏付ける台詞として捉えてもいい気がする。

・冥冥たちが心配

 ついに偽夏油(寄生体)と対峙することになった冥冥と憂憂。今のところ冥冥は偽物の可能性が高いと見ている。そして彼を筆頭に今回の事件を起こしたことも勘づいている。恐らく冥冥はできるだけ寄生体の目的や行動の意図を把握しようと探りを入れつつ戦闘をするであろう。偽物と勘づいていても、あくまで夏油本人として接していく気がする。しかし相手は名前すら明かされていない胡散臭いキャラクターだ。冥冥の思考もそこそこ読めている気もするし、当然自分が倒されるシナリオなんてのは1mmも許さないであろう。そうなるとどうしても冥冥と憂憂の安否が気がかりだ。ある程度踏ん張ってくれるはずだし冥冥たちに勝ってほしいが、それ以上に偽夏油がここで負けるはずがないだろうというのが大きくて不安になる。

・五条が強過ぎる

 登場していないのに、五条が如何に特殊な存在なのかが浮き彫りになってくる。五条悟が産まれて世界のバランスが変化したと言っていたが、本当にその通りなんだなというのが分かる。

おまけ:ナナミンのニューヘア

 本人は必死に戦っているし、何なら深手を負っているので不謹慎極まりないのだが、髪を下ろした七海がかっこよすぎる。第38話はいつものバッチリ決まったナナミンも見れるし、乱れ髪のナナミンも見れるしで一度で二度美味しい。後ろの刈り上げの感じといい、五条先生と似た髪型だなと思ったのでこうやってニューヘアのナナミンが見れるのがちょっと意外である。芥見先生が「五条と髪型が被る」と言いそうだからだ。

おまけ:全員(禪院)集合

 リアタイで初見視聴を終え、二度目で思ったのだが七海が「集合!」と呼び掛けているのは2人とも禪院だ。全員とは言ってないが、勝手に「禅院とかけているのか…?」と思ってしまってちょっと面白かったし、集まってきたのが真希&直毘人だけでなく甚爾まで来てしまったので本当に”禪院”集合だなと。真依がいないのが残念(?)である。というか真依を含めた京都校の子たちはいつ来るのだろうか?筆者はとにかく東堂を心待ちにしている。ちなみに筆者の予想は、23:00以降と思っている(リンク)。単行本12巻は22:04~22:25までの話なので、京都校のメンバーが来てくれるとしても数話先の話と想像できる。早くて単行本13巻の終わり辺り~14巻くらいであろうか。

■次回、第39話について

 言わずもがな甚爾の登場により、どのようなバトルになっていくのかが見どころであろう。ただいくら低倍速にしても、目を見開く恵たち、両耳を塞ぐ真希、陀艮、式神、甚爾 くらいしかなくてヒントがまるでない。これは次回面白い事がたくさん起こりそうである。あの状況に甚爾が加入するのは本当に炎上している中にガソリンを放り込むような感じなので物凄く不安である。あと元々甚爾が振り回していた游雲があるので、一刻も早く武器庫に仕舞ってほしい所である。絶対お父さんに持たせてはいけない。

芥見先生のコメント

■アニメーターさんの投稿

 

以上。