【呪術廻戦】アニメ勢による2期 第45話「変身」の感想など【東堂最高】【偽夏油の考察まとめ】

 12/14(木)に呪術廻戦2期第45話が放送されました。いつも通りアニメ勢の筆者が感想や考察などを語っていきます。

下記より、アニメ呪術廻戦・アニメ放映分の単行本のネタバレ及び、筆者の感想&考察要素を含みます。※

参考)単行本で言うとどの部分か?

 単行本15巻 ・第129話 渋谷事変㊻

        ・第130話 渋谷事変㊼

        ・第131話 渋谷事変㊽

        ・第132話 渋谷事変㊾

 ※筆者コメント:4話という大ボリューム!もう15巻も残すところ1話のようである。2期は残り3話。この感じだと、16巻の後半辺りまでは確実にいくだろう。

リアタイ後の所感:東堂がかっこいい&おかしい、狩る者狩られる者の演出がすごい

 前回に引き続き、東堂の供給に筆者は大歓喜。かっこいいのはもちろん、攻撃を受けて吹っ飛ばされてしまう姿や、真人の黒閃を喰らって血を吐く姿等々、ここまで追い込まれた東堂は見たことがなかったので、非常にヒヤヒヤもした一話であった。うわ~まずいまずいとなったところでネックレスがパカっと開いて謎空間が広がった、あの瞬間の何とも言えない気持ちは忘れられない。若干の気まずさすら覚える素晴らしい演出だった。限界を迎えているだろうに、虎杖が最後決めるとこにちゃんと合わせて出てくるもの最高だった。フェイクで真人の注意を引くというのが何とも粋である。

 また、虎杖が真人を追い詰めた時のあの底冷えするような演出にも思わず唸ってしまった。今まで多くの命を玩んできた真人が一気に”狩られる者”へと転じ、虎杖が圧倒的強者”狩る者”へと転ずるあの瞬間、鳥肌モノのシーンだった。毎度毎度言っているが、榎木淳弥さんと島崎信長さんの表現する虎杖&真人に圧倒される。特に虎杖に関しては、主人公とは思えない恐ろしさだった。ある意味宿儺のような怖さが滲み出ていた。

テレビアニメ「呪術廻戦」第45話 場面カット ©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

ストーリー構成

 ほぼ原作通り。

シーンごとの感想など

・アバン:真人戦

 真人の作り出したフィールド、戦い方、声の全てがしっかり気持ち悪くて関心してしまう。「おいおい俺は仲間外れかい!?」からのテンポ感も堪らない。幾魂異性体という新しい改造人間も出てきたが、芥見先生っぽいな~と思うデザインだった。これまで余裕そうだった東堂が幾魂異性体に先手を取られるところにはヒヤッとした。道路に放り出されるが、その時の弾み方に筋肉の肉厚感(?)があって東堂の肉体の強靭さが表現されているな~と思った。そこら辺に落ちていたハンガーを投げて位置替えし、改造人間の後頭部に打撃を入れる戦い方もかっこいい。その場にあるものを上手く利用して戦うのって柔軟さやクレバーさが見えて好きなのだ。改造人間の仕組みを即座に理解するの所でも「東堂頭よいんだな」と改めて実感。そして筆者がやや沸いたのはこの後の「許せ、憐れな魂達よ」のシーンである。オープニングのやつだ~~~!!!と気持ちもうなぎ登り。この台詞が似合うのも渋くてかっこいい東堂だからこそであろう、流石である。

・Aパート:真人戦(領域展開)

 真人の繰り出す棒状の改造人間は、少しだけ花御vs虎杖&東堂のシーンを彷彿とさせる。懐かしい気持ちになった。また、109を投げ飛ばす等、皆が知っている建物が作中に出てくると現実世界との境界を曖昧にしてくれて一層ワクワクさせられる。また、真人や虎杖の戦い方を見ていると以前から随分成長しているなと思った。120%のポテンシャルを引き出しているという部分がよく分かる。

 予告から領域展開がされることは知っていたが、真人にとって宿儺が問題点である。どう対応するのだろうと思っていたら、五条を真似して一瞬だけ展開するという小技を使ってきた。偽夏油の存在故仕方がなかったとはいえ、結果的に五条先生が敵に塩を送る形になってしまったのが不憫である。最強なので調整されているという点もあるかもしれないが、それにしても上手い具合に五条がMAXの力を出し切れないような展開にもっていかれてるな~と。不穏さしか感じないのだが、芥見先生の描く今後のエピソードを震えて待つしかない。

 そして展開される真人の領域。手がいっぱい出てくる描写はいつ見ても気味が悪い。そして展開されるまでの3者の演出も面白かった。東堂は九十九から簡易領域を教わっていたようで、ちょっとホッとした。しかし東堂や虎杖がそれぞれ対応し切るよりも早く真人の領域展開が完了してしまい、まずいじゃん!!!!とさっき感じた安堵は消え失せる。宿儺に接触してわざわざ煽っていくのが真人らしい。宿儺は薄ら笑みを浮かべているだけで、特に何も言及はしなかった。ちょっと話はズレるが、ここの宿儺の姿勢が好きである。右手を懐に入れているのがかっこよい。

 展開後に真人の手の間から東堂が見えたが、ここの構図も”東堂が真人の術中であること”が分かってよい。東堂の左手が変形するところは筆者、めちゃくちゃ狼狽えてしまった。迷わず手を切り落とす東堂の瞬時の判断力といったら…。まさに(?)恐ろしく速い手刀である。切り落とされた手部は肉塊となり、やがて鋭い硝子の破片のような形で降り注がれる。ネックレスの紐が千切れそうになっていて、さっきは「手がああああああ;;」と思っていたのが今度は「ネックレスがああああ;;」となった。心の中で絶叫しまくりである。ここの千切れそうになる紐も細かく描かれていて素晴らしかった。

・Aパート:真人戦(領域展開?)

 胴体がガラ空きになった東堂の腹部に黒閃を入れる真人。咄嗟に呪力で守ったとはいえ、大量の血を吐き息も上がっている東堂の押され具合は顕著である。真人の無為転変も復活してしまい、これほんとマズい!!!!!と思っていたところで千切れるネックレス。これ見よがしなカメラワーク。そして中身が露わになり、虎杖と高田ちゃんの写真が映し出される。歌も流れ始めたし、視聴者の頭は「??!」でいっぱいだった。真人が「え?…はぇ??え???」と言っていたが、ほんとそれである。真人への共感が過去一だ。筆者はいつもリアタイする際メモを取りながら視聴するのだが、ここのシーンだけ「??!」と「東堂の無量空処」しか残ってなかった。それくらい理解不能。ここから結構な尺で東堂のよく分からないシーンが続くのだが、混乱しすぎて左上の”※東堂のイメージです”の文字をボケっと見ているしかなかった。変な残像を見てしまったかな…みたいな気分だった。リアタイ後に見直してみたが、ぱつぱつのセーラー服を着た東堂がいたり、めちゃくちゃキラキラしててハートもいっぱい飛んでいた。特に見直したからってどうしてこうなったのかは理解できなかった。原作はどうなってるんだ…?と思ったら、ネックレスがパカっと開いて真人が「?」ってなる位のコマしかなくて更に笑ってしまった。原作補完に定評のあるアニメ呪術廻戦、流石である。アニメーションだからこそ、この東堂の謎空間を挟めたのだろう。

 最後高田ちゃんと握手するイメージを経て、東堂が真人の手を叩いて位置替えを発動した。しっかり虎杖に花を持たせる東堂に拍手である。地に横になる東堂は顔色も悪く、手も痛々しい。虎杖が走っていく姿を見届けてから意識を失うのが本当にかっこいい。かっこいいが、心の中では「東堂死なないで!!!!!」と叫んでいた。

・Aパート:真人vs虎杖

 ついに魂の本質を見つけたと述べる真人。蛾が羽化するような描写は、オープニングにもあったカットである。そして自分に無為転変をし、新しい姿へと変身した真人。ここで前半は終了だ。色んな事がありすぎたAパートだった。

・Bパート:真人vs虎杖

 冒頭のやり取りも面白い。真人の「オマエを殺して俺は初めてこの世に生まれ堕ちる」という台詞を聞いている虎杖の表情が鋭くて印象的だった。前髪も上がっているので、宿儺みが出ている。BGMに関しても、1期の真人戦の曲がアレンジで流れていてあの時の戦闘も想起させられてよかった。

 お互い消耗しているのが分かる描写のあと、真人が「お互い元気いっぱいだな」と言うのが真人っぽい。意図していないのかもしれないが、ジャンプの他作品リスペクトっぽい部分もあった。虎杖の構え方はHUNTERxHUNTERのゴンを思い出させるし、虎杖の周りを飛び回る真人にはワンピースのルフィvsベラミーを思い出した。

 東堂に矯正された逕庭拳が今ここで上手く作用するのも熱い。と思ったら暗転からの「呪霊よ、オマエが知らんはずもあるまい」という東堂の台詞で沸く筆者。太陽を背負い、「腕なんて飾りさ、拍手とは魂の喝采!!」とフェイクを入れて真人の注意をそらした東堂…もう最高だよ…となった。術式が使えなくなってもはったりで戦い切る漢、東堂…かっこいいが止まらない。東堂の作ってくれた機会にジャストミートさせてしっかり黒閃を決める虎杖も流石である。

・Bパート:狩る者狩られる者

 変化が解け、改造人間のストックも尽きた真人。「認めるよ、真人。俺はオマエだ」と告げ始める虎杖の抑揚のない淡々とした喋りには、ゾッとした。感情も動かさずただ読み上げるような言い方、鳥肌ものである。真人は恐怖一色といった様子で、涙も滲み出ていた。狩る者と狩られる者の立場が決定した瞬間であった。

虎杖「ただオマエを殺す。また新しい呪いとして生まれたら、ソイツも殺す。名前を変えても姿を変えても何度でも殺す。もう意味も理由もいらない」

虎杖「この行いに意味が生まれるのは、俺が死んで何百年も経った後なのかもしれない。きっと俺は大きな……何かの歯車の一つにすぎないんだと思う。錆び付くまで呪いを殺し続ける。それがこの戦いの俺の役割なんだ」

 冬景色に変わり、逃げ惑う真人と静かに歩き追う虎杖。うさぎと狼の描写が彼らの関係性を強調している。地面に転がる真人と見下ろす虎杖の構図も、真人の絶望的な状況を表していて好きである。また、ここからの島崎信長さんの演技も素晴らしかった。もう為す術なしといった様子で、奇声を上げて雪(砂)を投げつける真人。惨めさが凝縮された演出だった。(この砂を投げるお芝居、1期の真希vs真依でもあって物凄く印象的だったのを思い出した。)

 そうして真人が這いながら逃げようとしているところに、見覚えのある足元が…。いっつも最悪のタイミングでくるじゃん!!!!と憤りを覚える。「助けてあげようか、真人」と告げる偽夏油。いつもいつも胡散臭いし、狙ったような(多分狙っているんだろうけども)タイミングで登場するので頭抱える。でも夏油の恰好をしているので、その胡散臭さすらかっこよく思える。うわーっとなってるところでタイトル画面→エンディングとなった。タイトルが最後なのもお洒落である。

・予告

 詳しくは考察パートに書くが、偽夏油の予告がま~~~~意味深で意味深で…。

考察・疑問など

・真人戦で虎杖が変化した部分について

 最後に真人を追い詰め、”呪霊の命を狩る者”として確立した虎杖。榎木淳弥さんの演技もゾッとするような、冷たい声音だった。前髪が上がっているのもあって、ある意味宿儺感が増したというか圧倒的強者感が増したというか…。主人公らしからぬ、恐ろしさを感じる演出になっていた。虎杖が今後どうなっていくのか分からないが、呪術廻戦と言う作品の底にある薄暗さを改めて実感した。

偽夏油についての考察・疑問まとめ

 危惧していた通り、真人を祓い切る前に登場した偽夏油。五条封印の時といい、毎度毎度「ここで来たら嫌だな」と思うタイミングで出てくるので本当に腹立たしい。リアタイしている時に偽夏油の足元が見えた瞬間「うわ…」と漏らしてしまった程である。次回偽夏油が大きく動きそうな気がするので、今一度情報整理をしてみようと思う。これまで何度も偽夏油について考えてきたので、過去の記事で考察した内容もまとめていく。

・予告の台詞

 45話に向けた予告もなかなかに意味深である。偽夏油は台詞数も少ない分、発言した内容については重要な情報を含んでいるとみていいだろう。もちろんこの台詞に関してもだ。下記で気になった点を一つ一つ上げていこうと思う。

偽夏油「作為的な運命は運命じゃないかもしれない。でもね、偽物の運命が交じり合う瞬間はどうしようもなく運命なんだよ。メッキの中で育つものもあるよね。」

1)作為的な運命

 作為的な運命という言葉がこれ程似合う者がいるかね?と思う程、偽夏油にピッタリな言葉だと思った。もちろん筆者はアニメ勢なので、偽夏油にとって何が”運命”なのかは分からない。だが、これまでの行動を見ていると”自分の描いたストーリーに向けて念入りに準備&行動している”印象を受けるので、”作為的な運命”というのがピッタリだなと思ったのだ。もう引くほど昔から”ある目的”のためだけに、めちゃくちゃ練られたシナリオを用意して戦略も立てて、今行動するタイミングなんです~という臭いがプンプンする。じゃなきゃ、五条封印のためにあんなに準備しないだろう。

2)偽物の運命が交じり合う瞬間

 さて、偽物と言えばこの偽夏油本人を指している事は当然の事であろう。ここで注目したいのは、”偽物の運命が交じり合う”と表現している事だ。これをそのまま捉えると、他にも偽物の運命がいることになる。誰だろうか?偽物の運命、つまり作為的な運命を歩んでいる者が少なくともあと1人いるのだ。直感的に虎杖かな?と思った。真人もあり得るが。

 偽物の運命を別の言葉に置き換えよう。「運命と見せかけて、実は狙ってやったもの」と言い換えることができる。ここで虎杖について思い当たるのは、①虎杖が宿儺の器であること、②虎杖が指を喰らって宿儺が受肉した事、③宿儺と縛りを交わした事、そして④虎杖が五条の生徒になり、死線をいくつも乗り越え真人を追い込み夏油の姿をした者と出会う事…等々、正直偽夏油が糸を引いていそうな”運命”が多すぎる。今虎杖と偽夏油が出会ったことも作為的な”運命”にしか思えない。

3)どうしようもなく運命なんだよ

 2)を踏まえてた上でのこの”運命”とは一体何なのか。なんだかとても嫌な感じがする。運命と言ったらポジティブな意味でも使うし、その反対でも使う。でも偽夏油が言うとどうしても偽夏油にとってポジティブな意味での運命と聞こえてくるのだ。「意図的に仕掛けたこと同士が交じり合ったのは偶然だよ。別に狙ってやったことじゃないよ^^」と絶対狙って交じり合わせたんだろうと思える台詞である。偽物の運命が交じり合う瞬間は運命…偽夏油の指す”運命”ってなんだろうか。

 偽夏油、虎杖、真人の3者の交じり合いなのかもしれないし、偽夏油と虎杖、あるいは虎杖と真人のことなのかもしれない。例えば、虎杖が宿儺の器である事も、宿儺の指を喰らった事も、全部偽夏油が作り上げた偽物の運命だとする。そして真人も実は偽夏油が生み出した存在だったとする。その2人が渋谷事変で交戦することになるのって、運命じゃない??と、こういう解釈もできる。

 偽物が夏油を狙っていたと述べていた以上、夏油の運命も作為的運命と言えるだろう。こう考えると、1つのパターンの交じり合いというよりかは、今まで撒いて育ててきた作為的運命全ての事を指しているような気がする。何が偽夏油の目的かも分からないので結局堂々巡りなのだが、とにかく主人公サイド的には嫌な方向の展開が待っていそうだ。

4)メッキの中で育つもの

 ここもまた意味深。作為的な運命の中でも育つものがあるよねという意味だろうが、どうであれ偽夏油にとってメリットになりそうな表現である。種まきして芽吹きから言って以上成長するまではしっかり見守っててそれ以降は個々に任せていたけど、ちょうどいい感じに育ってるじゃん~~みたいな印象を受ける。

・偽夏油の目的とは?そのシナリオは?

 いつからかは不明だが、この者は”ある目的”のためにかなり長い期間動いていたことが察せられる。そしてこの目的を達成すると、”新しい世界”になっているという。それに際して、五条悟はどうしても邪魔な存在で抑制しておきたかったことが下記の台詞から分かる。

偽夏油「そういう術式でね、脳を入れ替えれば肉体を転々とできるんだ。勿論、肉体に刻まれた術式も使えるよ

   「夏油の呪霊操術とこの状況が欲しくてね、君さぁ夏油傑の遺体処理を家入硝子にさせなかったろ」

   「変な所で気をつかうね、おかげで楽にこの肉体が手に入った」

   「心配しなくても封印はその内解くさ。100年…いや1000年後かな。

君強過ぎるんだよ。私の目的に邪魔なの」(単行本11巻)

五条 「ハッ、忘れたのか?僕に殺される前、その体は誰にボコられた?」

偽夏油「乙骨憂太か、私はあの子にそこまで魅力を感じないね。無条件の術式模範、底なしの呪力。どちらも最愛の人の魂を抑留する縛りで成り立っていたに過ぎない。残念だけど、乙骨憂太は君にはなれないよ

偽夏油「おやすみ五条悟。新しい世界でまた会おう」(単行本11巻)

 その五条悟をいつから危険視していたのかも分からない(産まれたその瞬間からかもしれない)が、かなりの期間をかけて入念な準備をしてきたことはこれまでの活動を見ても十分に伝わってくる。そのために夏油を利用したという点もあるので、夏油の身に起きたこともシナリオの内だった可能性が大いにある。“呪霊操術”と“五条悟”の唯一の親友という2つを持ち合わせていたが故、生きている間も死んだあとも地獄のような状況で苦しまなければならない夏油が不憫で仕方がない。

 シナリオと言えば、以前から気になっていた虎杖が指を拾ったと表現していた点。この寄生体は宿儺を引き込むことも目的の内にしているので、虎杖が宿儺の器であることを事前に把握して”拾うように仕向けた”としてもおかしくない。また、加茂憲倫の件も何やら糸を引いているような気がしてならない。

 「夏油の呪霊操術が必要だった」と述べていた件も気になる。今までのストーリーを見る限り、呪霊の動きに関してそこまで作為的だと思う場面は見当たらなかった。強いて言うならば、虎杖が宿儺の指を飲む羽目になった場面、そして恵のお姉さんたちが呪われた事くらいである。この辺りの件も、呪霊を操って仕向けた可能性は0ではない。はたまたこれから本領発揮ということも大いにあるだろう。弱って捕獲しやすそうな真人がちょうど目の前にいるので…。

 またこの偽夏油、かなりの年数を生きているように思える。それ故アニメ勢が予想するにはまだヒントが無さ過ぎて想像するにも厳しいものがある。呪術廻戦ではちょくちょく呪術全盛の時代(=平安時代)の人物名が出てくるので、もしかしたらその時代の者なのかもしれない。

 今の時点でぼんやり言えることを書いてみる。1000年後に五条を解放するだろうと言っていることと、虎杖が1000年生まれてこなかった逸材であることを関連付けると、宿儺が猛威を振った呪術全盛時代そして1000年という時間を経て産まれる宿儺の新たな器…これを繰り返すことが目的だったりするのだろうか?あとは、宿儺vs総力をあげて戦う術師たちのその状況をまた再現したい…とか?繰り返すことに何のメリットあるのかは考えもつかないのでただの妄想だが…。呪術廻戦という名前の作品だけあって、呪術+廻る戦いということでこの作品の核心に触れられる大事な部分な気がするのだ。なんとなく…。

夏油「戦争の前に2つ条件を満たせば勝てるよ」

  「五条悟を戦闘不能にし、両面宿儺、虎杖悠仁を仲間に引き込む」(単行本2巻)

夏油「宿儺の動きがさ、少し私のイメージとズレる。これは推測でしかないんだけど、恐らく学生の中に宿儺にとっての地雷がいる。それを踏めば最悪今回の行動全てが台無しになる」

漏瑚「先に虎杖だけ攫ってしまえばいいだろう、どの道使う駒だ」

夏油「いや虎杖…宿儺自身もまた爆弾だ。私達にとっても高専にとってもね。刺激するタイミングはより混乱が求められる時にしたい」

夏油「10月31日渋谷、五条悟の封印のために利用できるものは温存する」(単行本7巻)

・真人をどうするつもりなのか?

 真人に「助けてあげようか」と言うものの、以前真人に通用する攻撃をしたメカ丸を見てニヤニヤと笑みを浮かべていた偽夏油。「効いてるね」「場合によっては今この場で…」という台詞からは、真人が追い込まれるのを望んでいるかのような口ぶりだった。

 真人の死を求めているのか、或いは手駒にしてしまおうと思っているのかは現状不明である。ただ花御や漏瑚、陀艮たちは五条の封印のために散々利用され、今や皆冥界である。真人が偽夏油にとってまだ利用価値のある存在であれば、取り込んで完全な手駒とし、命擦り切れるまで利用されそうである。

夏油「……効いてるね」

夏油「(やるね彼。一時的だろうけど特級クラスの呪力出力。真人対策もしっかりしてきたわけだ」」

夏油「場合によっては今この場で……」(単行本10巻)

・「虎杖悠仁、両面宿儺を仲間に引き込む」はどうなる?

 夏油が漏瑚達に提示していた第2条件の「両面宿儺 虎杖悠二を仲間に引き込む」はどうなるのだろうか。現時点、五条封印という第一条件は達成され、残すところは宿儺(虎杖)を引き込むことである。夏油と裏梅が繋がっている事と宿儺と裏梅が旧知の関係性であることから、宿儺を仲間に引き込むことに関してはハードルが低そうである。ただ、引き込むにしても肉体の主導権は虎杖にあるので直接のやり取りや情報交換はできない。ここをクリアしなければ偽夏油の条件は達成できない。そこでポイントとなるのは、①縛り、②契闊 の2点であろう。

 まずは①縛りについて。虎杖と偽夏油の間で他者間の縛りを結ぶという方法だ。偽夏油の懐には封印された五条がいる。虎杖の良心に付け込んで取引するにはあまりにも好条件だろう。また偽夏油は弁が立つし、縛りに関する知識も豊富そうだ。虎杖が縛りを結ばざるを得ないような状況にもっていくことも容易い話だろう。

 2点目の②契闊であるが、これは可能性としては低いかなと思いながらの予想である。1分間宿儺優位となれば、偽夏油も直接宿儺と会話できる。ただ、これは宿儺と虎杖しか知らない契約であろうということと、宿儺がトリガーを引かなければいけないということからあまりこの線はなさそうだ。やはり契闊は恵を利用して自由になる時まで取っておくだろう。

夏油「いや縛りはあくまで自分が自分に科すものだ。他者の介入や他者間との縛りは簡単ではないよ」

夏油「私達に協力し情報を提供する、その対価として真人の“無為転変”で体を治す。そういう“縛り”を私達は彼と結んでいるからね、殺すのは治した後だ。彼には渋谷でも働いてほしかったけど仕方ないね」

夏油「真人、他者間との”縛り”は自らが自らに科す”縛り”とはわけが違う。その違いの1つに“罰”の不確定さがある。自分の中の“縛り”は破った所で得たモノ…向上した能力などを失うだけだが、今回は駄目だ。”縛り”を破った時、私達にいつどんな災いが降りかかるか分からない」(単行本9巻)

・偽夏油と呪胎九相図&加茂憲倫の関係性

 加茂憲倫の件も糸を引いているような気がしてならない。下記の五条や真人とのやり取りから、偽夏油は未知の事に触れる事ができて嬉しそうである。また「術式は世界か、いいね素敵だ」という台詞からも、なんとなく術式に対しての探求心や好奇心などを感じた。分かりやすく言うと、呪術オタク…のような気配を感じる。

偽夏油「おやすみ五条悟。新しい世界でまた会おう」

五条 「僕はな。オマエはそろそろ起きろよ

五条 「いつまでいい様にされてんだ、傑

偽夏油「あっはっは、凄いな初めてだよこんなの」

偽夏油「真人、見てくれ。君は肉体は魂の先に在ると述べたが、やはり肉体は魂であり、魂は肉体なんだよ

偽夏油「でなければこの現象にも、入れ替え後の私の脳に肉体の記憶が流れてくるのにも説明がつかない」

真人 「それって一貫してないといけないこと?俺と夏油の術式では世界が違うんじゃない?

偽夏油「術式は世界か…フフ…いいね素敵だ」(単行本11巻)

 そしてここで思い浮かんだのが加茂憲倫である。加茂憲倫については、アニメでは偽夏油が説明しており、彼の知的好奇心により呪胎九相図が生まれたと述べている。また「多くの呪術文化財と共に史上最悪の術師として名を残す」とあるので、彼もまた呪術に対しての執着があったと予想できる。つまるところ、加茂憲倫は悪い意味で知的好奇心の塊のような人物であり、自分の知識欲のためなら何でもするといった性格だったのではなかろうか?

 寄生体と加茂憲倫との関連性は全く説かれていないが故まだ妄想段階ではあるが、やはりこの二人には何か重要な繋がりがあるとしか思えない。寄生体が加茂憲倫の身体を乗っ取っていたのか、加茂憲倫がそうなるように仕向けたのか、それとも加茂憲倫こそがこの偽夏油なのか、はたまた別の関連性があるのか…まだ謎は深い。それにしてもこの史上最悪の呪術師と同じ名前を付けた(漢字は違うが…)加茂くんの名付け人は一体どんな人物なのか気になってしまう。

ナレーション「明治の初め、呪霊の子を孕む特異体質の娘がいた。呪霊と人間の混血、異形の子。身に覚えのない懐妊に始まり、親類縁者からの風当たりは常軌を逸し、彼女は子の亡骸を抱え山向こうの寺へと駆け込む。その寺は呪術師が開いたものだったが、その時点で彼女の運は尽きてしまう」

ナレーション「加茂憲倫、多くの呪術文化財と共に史上最悪の術師として名を残す、御三家の汚点。彼の知的好奇心は呪霊と人間の間に産まれた子の虜となる。九度の懐妊、九度の堕胎。それらがどのように行われ、その後彼女がどうなってしまったのか、一切の記録は破棄されている」(単行本7巻)

・偽夏油にとってのリスクは?

 今のところ偽夏油の思惑通りに進んではいるが、彼の行動を阻害する可能性のある要素をまとめてみようと思う。余りにも状況をコントロールされているので、どうにか弱点を見つけたい一心である。

1)旧・夏油一派

 ミゲルやラルゥ等、夏油を慕っている腕っぷしの良さそうなメンバーが何らかの行動を起こすかもしれない。ただ、偽夏油の脅威になるほどの存在かと言われると否かな…と思う。

2)夏油本人の意思

 トリガーが不明だが(五条の存在は大きな影響を与えそうだ)、偽夏油にとっては予測不可能であろう。リスクとしてはかなり大きそうだ。

3)五条悟

 五条先生は現状獄門疆に閉じ込められてしまっているが、五条悟が故の何かしらの想定外が起きる可能性もあるし、五条が解放された後に偽夏油が狙われる可能性も大いにある。前者においては、筆者としてはなんかミラクル起きてくれ~という気持ちだ。後者は自分にとって不味い状況にならないから五条を解放するはずなので、あまり期待はできなさそうである。

4)その他術師

 特に虎杖・乙骨・秤は五条の一押し生徒であることと寄生体の想定や予想を大きく上回りそうということでリスクになり得るであろう。乙骨については下記のように、偽夏油の解釈が若干甘い部分がある。そういう意味ではこの中では一番有力なのではなかろうか。

五条「忘れたのか?僕に殺される前、その体は誰にボコられた?」

寄生体「乙骨憂太か、私はあの子にそこまで魅力を感じないね。」

寄生体「無条件の術式模範、底なしの呪力。どちらも最愛の人の魂を抑留する縛りで成り立っていたに過ぎない。残念だけど、乙骨憂太は君にはなれないよ」(単行本11巻)

五条「菅原道真の子孫だった。超遠縁だけど僕の親戚!!

乙骨「え誰?」

真希「日本三大怨霊の一人」

パンダ「超大物術師だ」

棘 「ツナ」(単行本0巻)

・五条の封印が解かれた後は?

 「新しい世界でまた会おう」と言っていた。“また会おう”なのだな~と意外に思った。もうこのまま封印しておくつもりだろうと予想していたからだ。何故“また会おう”なのだろうと少し気になってしまう。五条は間違いなく偽夏油を始末しにかかるであろうし、そもそも「君強過ぎるんだよ」と言って五条を警戒しここまで念入りに準備して抑制したのだ。自身に危害を加える恐れがあるのに何故解放するのだろう?

 恐らく、解放しても自身にとってまずい状況にならないからわざわざそうする訳だ。自分が五条より強い立場にいる予定なのでOKなのか、それとも新しい世界になっていれば自身に危害を加えられようと何も問題はないのか…。むしろ必要だから解放する可能性すらある。

 仮に「呪術全盛の時代の再来、そして宿儺が猛威を振る状況の再現」を偽夏油の目的として置いてみる。偽夏油としてはその状況を鑑賞したいと思っているとする。思惑通り宿儺が復活してめちゃくちゃになった世界で開放されたとしたら、五条は宿儺を止めることが最優先事項になる。つまり偽夏油に対する優先度は下がるであろう。そこを見越しての解放かもしれない。まぁ根拠のない妄想であるが…。

・夏油の身体を乗っ取ったのは何者なのか?

 100年、1000年後も生きているつもりでいるが、一体何者なのだろうか。肉体に限界が来たらまた新しい肉体へと移り変わるみたいな要領で、実質不死のような感じだろうか。なんだか天元みたいなタイプだなと思ってしまった。

・冥冥たちの安否

 あのタイミングで夏油がこっちに来たということは…という感じである。まだ呪霊を使って足止めされている可能性もあるが、あまりよい状況ではなさそうだ。

・you are my SPECIALのmyとは…

 予告の運命云々をいろいろ考えていたら、SPECIALZが偽夏油視点の歌に思えてきた。ちなみにyouは虎杖(宿儺)を指してるように感じる。偽夏油に「君は私にとって特別なんだよ^^」とか言われたら吐いてしまいそうである。想像すると割と言いそうではあるのでなおさらゾッとする。

■次回、第46話について:偽夏油の動き、京都校メンバー参戦、脹相も登場しそう

 予告の映像からすると、今回の続き(偽夏油の登場~)と京都校のメンバーの動向がメインになりそうだ。虎杖を取り巻く状況は偽夏油によって大きく乱されるだろう。真人が劣勢なのは確定であろう。後は彼がどうなってしまうのかという点と、偽夏油が虎杖にどういう会話を持ちかけるのかが気になる。眉をハの字にして困ったように笑う偽夏油と、額に汗を浮かべる虎杖から、嫌な臭いがプンプンする。その笑い方していいのは本物の夏油だけだぞ。

 また、度々映るルーレットのような絵は1期の八十八橋編で偽夏油と真人、脹相で遊んでいたシーンを思い出させる。そしてアップで写っている誰かの目元や、足首に包帯?が巻かれていてショートブーツっぽい靴を履いている者が誰なのかも気になる。新たなキャラクターが参画する可能性もありそうだ。眉毛が下がり眉で目が垂れ目っぽく、下瞼には隈か何かがある。乙骨くんか?!っと思ったが、ここで乙骨が出るかね…?というのもあるので確証はない。足元の方は靴のデザインも包帯でぐるぐる巻きの足首も脹相のキャラデザと一致する。脹相もどうなっちゃったんだろうと気になっていたので、出てくれるなら嬉しいことこの上ない。足元アップが脹相だとすれば、目元の方もアイメイク諸々が落ちた脹相と考えればあり得そうである。彼も下がり眉だしちょっと眠そうな目をしているので…。脹相が出てくるとなると、現着している加茂くんと絡みがあるのかも少し気になってしまう。加えて日下部っぽい人物のカットもあるので、第46話は散り散りになった術師たちの安否や動向も知ることができそうだ。

芥見先生のコメント

 ※投稿され次第、掲載予定※

■アニメーターさんの投稿

 

以上。