呪術廻戦にハマった話

 突然なのだが、去年からアニメを見る機会が格段に増えた。その中で特に心に残った作品がいくつかあり、それらについてつらつらと綴っていこうと思う。まずは呪術廻戦。言わずもがな今や誰もが1度は目にしたり聞いたことのある作品なのではないだろうか。

※この記事は、アニメ呪術廻戦のネタバレを含みます。筆者はアニメ分しか原作を読んでいないので、アニメ以降のネタバレは一切ありませんが、個人的考察は含まれる可能性がありますのでご注意ください。

 

 2021年の年明け早々、ふと最近話題になっている呪術廻戦を見ようと思い立った。まあ物は試しだという気持ちで第一話を見たのだが、知らない間に1クール全て見終わってしまい、2クール目はリアタイで金曜日の深夜放送を毎週楽しみに過ごすというのを続け、アニメ1期が終わった今も何度も何度もアニメを見返し….つまりは物凄くハマってしまったのである。(原作やファンブック、小説等も購入済。ただし個人的な想いでアニメや映画化されるまでは原作は読み進めないと決めている。)なんでこんなに魅力的な作品なのだろうと考えているのだが、今回はそこについてまとめてみようと思う。

 そもそも、アニメというのは目と耳でその世界観を楽しむ映像コンテンツだが、呪術廻戦はその“目と耳で楽しむ”ための工夫に物凄く凝っている作品なのではないかと思う。下記、思うままにその魅力を記述していく。(順不同)

 

 

■原作をより魅力的に魅せている

 これはきっと原作読者の誰もが感じたことだと思う。アニメを制作するにあたって、芥見下々先生が手掛けている「呪術廻戦」という作品を一度紐き、そしてどう魅せていくべきかじっくり考えられて作られているのではないかと思う。

例えば、

・第一話の始まり方(第1話)

原作:伏黒が五条先生と電話しながら百葉箱の中身を確認するシーン⇒虎杖と先輩とのこっくりさんシーン

アニメ:虎杖が謎の場所で捉えられており、五条先生が「おはよう」と声をかけるシーン(原作第2話)⇒OP

 この部分、アニメは冒頭に原作の第2話を持ってきている。アニメ勢にとっては、「どこ?誰この人!!」となること間違いなし。そしていきなり「君の秘匿死刑が決定した」と告げられ、主人公っぽい子が死刑決定される衝撃。何があってこうなってるのかな~と気になったところでOPとなるわけである。(このOPも初めて聞いたときめちゃくちゃ引き込まれた。また別で語ることとする。)ちなみに、この冒頭シーンはアニメ第2話で繋がる構成になっている。

・虎杖が宿儺の指を食べた経緯(第1話)

原作:宿儺の指を狙う呪霊と戦う伏黒&虎杖。かなり劣勢。伏黒からより強い呪力を得るために指を狙っているという言葉を聞き、「助かるためには俺にジュリョクがあればいいんだろ」と宿儺の指を丸呑みする虎杖。⇒宿儺が受肉

アニメ:(状況は原作と同じ)動けない伏黒の代わりに自分なりに応戦する虎杖。呪霊に手足ごと身体を捉えられ、指も相手に渡りそうになる。咄嗟に口で宿儺の指をキャッチする。呪霊は虎杖ごと指を食らおうとするが、その時伏黒の言葉を思い出し、自分に呪力があれば皆助かるんだろと言って指をパクリ。⇒宿儺が受肉

 このシーン、虎杖がより一層「宿儺の指を食べなければならない」という発想に至るように作られているように感じる。原作もアニメもどちらとも、虎杖は伏黒をはじめとする自分の周りの人を助けようという気持ちでこの行動を取った訳だが、虎杖としてはそう動かざるを得なかったという部分が色濃く出ているように思える。この演出が今後の話でどう影響しているのか、非常に楽しみである….。

・順平の過去エピソード(第10話)

原作:順平がいじめのターゲットにされてしまったきっかけエピソードなし。

アニメ:順平がかつで映像研に所属し、部室をたまり場にしていた生徒に唯一反抗したのがきっかけでいじめのターゲットにされてしまったというエピソードが描かれている。

 このエピソード、単行本4巻にて下々先生が「この辺(順平の過去)のエピソードを描いた方が、もうちょっと吉野の善い面をお届けできた気がする。」とコメントしていた。順平の善い面・背景を知ることで、視聴者である我々はその後の彼の悲しい運命により一層心を痛ませることになるのだ..。

 

...とここまで述べてきたが、余りに気持ちが強すぎて軽く例を挙げようにもボリューミーになってしまった。とにかくアニメ制作に当たって下々先生やスタッフの方達が一丸となって作ってくださったのでは…と感じられる。私はアニメ⇒原作という形で本作品を追っているが、それぞれの表現の違いやアニメならでは・漫画ならではの伝え方を享受するのが大変楽しい。

■オープニングとエンディングがお洒落

 先程もちらりと述べたが、この作品は本当にOP・EDが素晴らしいと思う。「何故か飛ばせない」「毎回聞くのが楽しみ」という気持ちになる。筆者はもうアニメ1期を10回以上周回しているが、まだ一度もOP・EDをスキップしたことがない。(こんなの初めて。そもそも音楽として好きなんだと思います。)そして音楽もさることながら、映像も大変良い…。

・1クール目OP(廻廻奇譚):

 呪術廻戦のスタートダッシュを飾ったこの曲。歌詞も歌詞でThe 呪術廻戦!という曲だなと思う。OP映像は、電車内で虎杖がうたた寝から目覚めるシーンから始まり、また眠りに入るシーンで終わる。1クール目ということもあって登場人物がしっかり映っており、どんなキャラなのだろうとわくわくする作りになってた。(特に、パンダ先輩のカットと、真希さんの眼鏡の演出が好きです。)何といってもこのOPは、とあるシーンが変化する。何とも粋な計らい...と心の中で手を合わせた。

youtu.be

・1クール目ED(LOST IN PARADISE feat. AKLO):

 対するエンディングもこれまたお洒落。軽快なこの曲に合わせてラフに描かれたキャラ達がオフのシーンや踊ったりする姿を見せてくれる。本編の話が重たくても、このEDにたどり着くと後味がより良くなるというか。爽快感があるのだ。それでまた見よう!という気持ちになる不思議なエンディング。どこかの雑誌で、「この映像は、担当した方のコンテのタッチ感がよかったので、そのまま生かして作成した。」と述べられていたが、その良さすごい伝わっています…と心の中でまた合掌した。(余談:某配信サイトでは、伏黒くんのカットで宿儺を装ったコメントがとある回以降から増えていたのがすごい好きでした。)

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・2クール目OP(VIVID VICE):

 2クール目からリアタイし始めたのもあってか、第14話にて夏油の意味深な言葉⇒OPの流れで高揚感をバチバチに感じたのを今でも忘れられない。個人的に特に思い入れがあるOPなので、下記長くなると思う。

 誰かの視点で、目を開くところから始まる。このOP、物語のヒントやエッセンスが散りばめられている気がして、物凄く好きである。もう正直、最初のカットだけでも色々語りたい…果たして誰目線なんだろうとか(個人的に五条先生なのかなと思ってます。まつ毛バサバサですし。)、窓が開いた後の細かい埃の演出も素晴らしいし、黒猫らしき猫が振り向くシーンも…。そして次は真っ黒な制服・真っ黒な傘で雨の中歩く生徒たちのカットで、葬式を連想させる。「命の表面張力が」という歌詞と共に真人はシャボン玉をぷくぷく吹いていて、命そのものの儚さだったり、真人が今まで弄んでいた人間の命を表しているようにも見える。五条先生も花束を片手にうつむき加減で歩いていて、なんだか切なく不穏な雰囲気。(ここ無下限で雨ガードしてる。)夏油は微笑しながら丸いデザートにチョコをかけていて、何といえばいいか…“自分の手は汚さず上手く計画を進めてる下衆さ”が垣間見えたり、一方で帳を下ろしているようにも見える。(もうこのOPだけで一個記事が起こせそうです。)

 こう…テンションは上がるが、どこかずっと不穏で張りつめていて…心がぐっと熱くなるのである。「選択肢なんて罠に見える。」「現実を変えて見せる。真実が例え残酷でも。」という歌詞も切なくて良い。後初めて見たとき、「五条先生、その雷みたいなの何…」と思った。絶妙なネタのチラ見せで本当にわくわくした。極めつけは最後のギターのシーン。アニメ勢の私は、普通に一つの演出だろうと何んとなく見ていたが…まさか…。これまた面白い仕掛けを…。

youtu.be・2クール目ED(give it back):

 これも素晴らしい曲だと思う。冒頭は優しいピアノの音とスマホで撮影した(インスタストーリーを彷彿させますね。)風の映像。切なく繊細な曲調で、本編とのギャップを感じる。映像を見る限り季節は冬。こうやって皆で冬に笑い合っていられたらいいなという我々の希望をくみ取って下さったのかな….なんて。後、サビ入る前の野薔薇が後ずさる動きがとんでもなく滑らか。初めて見たときびっくりした。途中で虎杖が撮影しているというのが明確に分かるが、「ひとりじゃないって信じてみたい」という歌詞と彼の表情の変化が涙をそそる。原作読んだらまた解釈変わるんだろうなと。またその時が楽しみである。

youtu.be

■音の演出の素晴らしさ

 作中の声・環境音・曲等を含めた音の演出もまた感動物である。これもまた後述するが、呪術廻戦の魅力の一つに“現実感”が挙げられると思う。我々の現実世界というか、“アニメ”の視点じゃなくて自分たちの現実に近い視点で見れるというか。だからこそシュールな笑いが冴えたりするというか…。ということもあって、音に関してもとても自然で本当に撮影してきた映像を見ているような感覚になる。下記に特に音の面で好きだった場面を挙げる。

・真人との死闘の末、虎杖が決意をするシーン(第13話)

 このシーン、真人との戦いを終えて高専に戻り、七海と五条先生の待つ場所まで歩いている時のモノローグなのだが、もう音楽と榎木淳弥さん(虎杖役)の声の演出がめちゃくちゃ良い。曲とシーン切り替えのタイミングも素晴らしく、また「正しい死に様なんて分かりゃしない…」から始まる台詞が自然でスッと、でもずっしり入ってくる。榎木さんの声のアプローチが、何といったらいいか難しいがアニメ界的にはすごく独特な気がする、でも現実的にみるとすごく自然で、大変魅力的だと思う…。呪術廻戦に本当にぴったりというか…。上手い言葉が見つからないが、虎杖の言葉がスーッと入ってくるようなすごく不思議な感覚になる。

 これまた余談だが、このシーン、「あいつを殺すまで」という台詞に真人と宿儺のカットが入るのが個人的にすごく好きだった。確か原作は真人だけだったと思うが、アニメ独自の演出により、「あいつ(=宿儺)を殺すまで」という言葉にも聞こえる。それは結局のところ虎杖が宿儺の指を全て食らい、自分が器として死ぬことを意味する。呪いで苦しむ人が減るように、より多くの人を助けるためにここまで覚悟できる虎杖…一体何が彼をそこまで突き動かしているのか。色々考えさせるシーンだった。

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・虎杖&釘崎VS血塗&壊相のシーン(第24話)

 ここ、リアタイした時に完成度の高さに感動して思わず涙してしまったシーンである。正直映像も音の演出もどちらも凄すぎて、切り分けて話すのはナンセンスなのかもしれないが….。なんというか映像も音も互いにハイクオリティで成り立っている上にその二つが余りにもマッチしていて、アニメというよりPVやMVを見ているようなそんな感覚だった。もう逆に「どうやって作っているの?」と思う位である。素人なので本当に想像での話だが、アニメーションの魅せ方がすごく音楽と合っているので、シーンのイメージを互いに擦り合わせた状態でBGMを先に作っておいて、それに合うように映像も調整しているのか?と思っていたが、なんとこれ“フィルムスコアリング”と呼ばれる、映像に対して曲を付けていく手法で作曲されたと…。

 下記の公式チャンネルで動画が公開されているが、概要欄で初めてその真実を知った。驚愕である。こんな素晴らしい技法も、呪術廻戦を観ていなかったら知らなかったと思うと本当に頭が上がらない。つくづく素晴らしい作品である。

 それにしてもこの動画、映像とBGMだけで作品として成り立っているのがすごい。また面白いことに、脳内で榎木さん(虎杖役)・瀬戸さん(釘崎役)・檜山さん(壊相役)・山口さん(血塗役)の4名の方の声が聞こえてくる…。それだけ印象的で大好きなシーンなのである。

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・東堂の台詞(第15話、第16話、第20話)

・「どんな女がタイプだ!」と虎杖に問う台詞前の「スーッ」っていう息を吸う音

・「俺たちは全身全霊で世界に存在している。」

・「お花畑」

・「何故なら俺は一人じゃないから。ブラザー!お前がいるから…!」のブラザーの言い方

・「呪力(指パッチンしながら)」の言い方

 筆者、呪術廻戦のキャラは漏れなく皆大好きなのだが、特に推している登場人物の1人が東堂である。最初の方はなんだこいつ…?と思っていたが、「リアタイと録画両方見んだよ!」とブチギレしたシーンで完全に好きになった。

 そんな東堂の台詞で、音として特に印象に残っている台詞を挙げてみた。原作でも東堂はなかなか異質な存在感を放っていたと思うが、更に木村昴さんの演技によってより一層東堂の濃度が上がっているように思う。言葉を選ばずに言うと、強い・賢い・ハイセンス・なかなかに気持ち悪い・たまに訳が分からない・教え上手等が東堂の良いところだと思っているので、そういう部分が滲み出ているシーンが好きである。これからも活躍してくれることを祈る…!!

・真人の台詞(第9話、第10話、第12話、第13話)

・物凄いゲスイ顔で言う、「君たち…マナーは守ろうね」

・真人VS七海での「うーん、楽しい…..!」

・順平に「だから…死ぬんだよ?」と囁くシーン

・虎杖に向けてワイヤーみたいな攻撃を仕掛ける時の声

・「やっぱりあいつ、人間殺せないだろ」

・「これが死か…!」からの「今ならできるよね」からの「今はただ君に感謝を」

・宿儺に怒られて致命傷を負った真人のモノローグ

・「しかし参ったな….俺は今どうしようもなく虎杖悠二を殺したい」のシーン

 既に察した方もいるかもしれないが、推しているキャラの二人目が真人である。虎杖サイドで見ると本当に憎い敵だし、倫理的な面で見てもかなり宜しくないことをしているので、「頼むからずっと砂場でサッカーしててくれないかな」と思う位だが、いい意味でも悪い意味でも好奇心の赴くまま・自由気ままな真人の生き様が大変好きである。そんな真人に声を当てている島崎信長さんがまた素敵な演技で…。優しい爽やかな声且つ、語尾が上がるようなご機嫌な声のトーンなので、真人の欲求に素直な部分や純粋な部分、それがかえって残酷だったり気味が悪かったりする部分を引き立てて良いなと思う。それが実感できるのが上記の台詞かなと思い選んだ。

 ちなみに筆者的には、小説の第一弾も読んで頂きたいところ。真人視点の話があり、彼の内面や自由な様を伺えるので。ただ、虎杖と出会って戦いの愉悦を味わってしまった今、真人がこれからどんな風に活躍(?)するのか期待である。好きなキャラなので、出てくると嬉しいが、でも出てこないで欲しいようなジレンマを感じるのが真人である。

・その他好きなシーン

・虎杖「爺ちゃん、死にました」(第1話)

⇒ここの演技でぐっと心を掴まれた方、多いのでは...。

・夜蛾学長との面接に応じる虎杖(第2話)

⇒死に際の心の在り様をできるだけ引き出して虎杖を評価しようとする夜蛾学長。「宿儺を喰う。それは俺にしかできないんだって。」「生き様で後悔したくない」という虎杖の覚悟の言葉がスッと入ってきて好き

・虎杖が特急呪霊と対峙し、憎悪・恐怖・後悔の気持ちが溢れるシーン(第4話)

⇒まさに死に際に呪いをかけるってこういうことなのかもしれないと思わせるシーン。すぐ祖父の言葉を思い出し、呪いと転ずることのないよう拳に全て乗せろと自分に言い聞かせるが、虎杖が弱っている姿が榎木さんの演技も相まってとても印象的だった。

・夏油「さぁ…どうかな?」(第5話)

・夏油「君たちにそんな情があるかは知らないけどね」の「ね」(第7話)

・夏油「よく言うよ。呪霊の分際で」(第7話)

⇒櫻井さんの夏油、非常に胡散臭く、穏やか~に神経を逆撫でしてくる感じで好きである。シナリオがあって、それ通りに事を運んでいるような、狙って置いているような声の演技。(夏油も実は推しの人物。胡散臭すぎて好き。)

・虎杖に「私は大人で君は子ども。私には君を自分より優先する義務があります。」と言う七海(第9話)

⇒七海は一見淡々とし、規定規則に準じ少し融通が利かなさそうな、気難しそうな、打っても響かない硬い印象を始め持つかもしれないが、実は内面かなり熱血でめちゃくちゃ良い人っていうのがこの台詞から滲み出ている。(この後の虎杖の「この人よう喋るな」って顔好き。)津田健次郎さんの七海本当に最高だった...。

・大人オブ大人の七海に叱られるのではとを怯える伊地知(第11話)

岩田光央さんの悲痛な演技とても好き。伊地知さんに胃薬あげたくなる。

・五条先生「それより、さっきからよく悠二周りの映像切れるね」の「ね」(第17話)

⇒嫌味ったらしくて好き。五条先生のこういうとこ良い性格しているなと思う。

・虎杖「おお~ん…オペレーター…」(第22話)

⇒分かってなさそうな声で好き。

・不良をぶん殴って更生させましょ!と生き生きしている野薔薇に「な、なんで?」という虎杖(第22話)

⇒本当に引いてる声で好き。

・五条先生「周りに味方が何人いようと、死ぬときは一人だよ」(第23話)

⇒この台詞、作中でもなかなか聞かないくらいの鋭いトーンで、何というか...現実を突きつける印象を受けた。そして同時に、虎杖のお爺ちゃんの「一人でも多く助けてやれ。お前は大勢に囲まれて死ね」という遺言が脳裏に過った。結局死ぬときは独りであるっていう部分、虎杖は覚悟が決まっているんだろうか。そこを理解した上で、それでもやっぱり大勢に看取ってほしいのだろうか...。ここの台詞、実際は伏黒に伝えてるシーンなのだが、まるで視聴者を通して虎杖にも言っている気がしてギクッとした。

 五条先生って結構、表面上の起伏が激しいというか、ポイントポイントでどんどんニュアンスが変わっている印象を受ける。中村悠一さんの声と演技がそういった部分を引き出しているのだなと思う。本当にすごい。

・壊相にとどめを刺した拳を見つめて「痛ってぇ…」という虎杖(第24話)

⇒自分たちを殺そうとしてきた呪霊とは言え、目の前で弟が死んで涙した壊相の命の重みを痛みで実感しているような…そういう複雑な気持ちが声に表れてて好き。

■映像の演出の素晴らしさ

 先程は音に着目したが、次は映像の部分。何回見直しても新しい発見がある位、工夫やこだわりが詰まっているな~と感じる。下記、お気に入りのシーンの抜粋である。

・領域展開シリーズ

 呪術戦の頂点である、領域展開という技。発動したキャラの見せ場になるので必ずチェックしたい場面である。個人的には、真人の領域展開の発動モーションが特に好きだった。虎杖は領域外へ排除しようと押し出す手、七海は領域内に取り込もうと囲うような手。そして領域を構築する際に手と手を取り合うぬるぬる動くシーン。気味が悪くて最高だった。

宿儺:伏魔御厨子(第4話)

漏瑚:蓋棺鉄囲山 (第7話)

五条先生:無量空処(第7話)

真人:自閉円頓裹(第13話)

伏黒:嵌合暗翳庭(第23話)

(余談:後々思ったが、宿儺の領域展開が特殊に見える。他のキャラは領域に閉じ込めるような演出だが、宿儺はそうでもない。対象者の内部に発動するのだろうか?今後分かることだろうから、楽しみしておこうと思う。宿儺はまだ謎が多い。)

・虎杖&七海VS呪霊2体(第9話)

・七海が呪霊を切った後に武器を振って、画面に血が付着する演出

・受け身を取るも、雨で足元が滑って二回体勢を崩す虎杖の動き

この二つがこのシーンの中で好きだった。カメラワークや動き等が本当に工夫されているなとしみじみ思う。

・真希VS真依の戦闘シーン(第17話)

 この姉妹のすれ違い、切なくて良い。真依が真希との実力差を改めて突き付けられた後、もう呪力うんぬんじゃなくてとにかく必死に足掻いている姿が痛々しい。特に砂を投げるカットがそれを表している気がしてとても好き(真依さんに砂を投げさせたスタッフの方に感謝。)

・川での三輪VS真希の戦闘シーン(第18話)

 第18話の作画、全体的に物凄いハイクオリティだった。中でも感動したのは、真希が投げたクナイに背景の景色が映っているところ。

・伏黒&狗巻&加茂が花御から逃げるシーン(第19話)

 逃走しながら角を曲がる3人の一連の動作がリアル過ぎる。それぞれ足の運びとか身のこなし等の動きがちょっとずつ違うのと、カーブを曲がるときのあの遠心力を観てる側も感じるというか。作画されてる方凄い….。(余談:加茂さんがかなりスススッと曲がってる気がするが、もしやフィジカルめちゃくちゃ強いのでは???)

・川での真希VS花御のシーン(第19話)

 ここ好きな箇所が3つあって、一つは伏黒が花御の呪力吸収攻撃を食らう前カットで、真希の眼鏡にその状況が映っているところ。次に心臓を狙った不意打ちの攻撃を肩で受ける真希。三つ目は花御が真希を捉える際に首を守るために手をかませる真希。後者2つは、花御の攻撃視点なので真希がそれに対してどういう身のこなしをしているのか強調されていてとても良い。虎杖が真希のことを「喧嘩はチョー強い!歩き方でもうやばい」と称していた理由がよく分かる。

・花御VS虎杖&東堂のシーン(第19話)

 黒閃の演出も鳥肌ものだが、その後に花御が具現化した木の根のような攻撃に対応する2人のモーションも凄い。虎杖はどちらかというと軽やかでひらひらと舞っているような動き。東堂はしっかり構えていて、ずっしりどっしり冷静に対処しているような動き。2人の戦闘経験や体格の違い、でも戦闘センスはバチバチに良いという部分が出ていて好きである。(第19話は好きな画が多い。)

・五条先生の虚式茈(第20話)

 スーパー五条先生タイムと言っても過言ではない。当たり前のように空に立つ五条先生。どういう原理か分からないが、かなり広範囲の状況をまるで目の前で見ているかのように淡々と対応していくし、色々と追い付いていかない場面。更に追い打ちをかけるように、距離があるな~と言いながら「少し乱暴しようか」と、虚式茈というどう見ても“少しレベルの乱暴”ではない術を繰り出す先生。超人的な威力が映像からも伝わってきて、自分も虎杖と同じような表情になっていた。呆然である。

youtu.be

・血塗&壊相との戦いを終えた虎杖&釘崎のシーン(第24話)

 24話全体に特に言えることだが、表情が物凄く自然。リアル。口の動き、瞳や瞼の動きがどんどん変わる。イベントで榎木さん瀬戸さん・朴監督も述べていたが、アフレコ後にリップシンク等を詳細に詰めたのだとか。うーん…….素晴らしすぎる。ここ、原作も非常に印象的な魅せ方になっていたが、更にアニメ化した際にこうなるか…!と感動。お芝居と絵とが綺麗に融合した、素晴らしいシーンの一つだと思う。

※正直もっとあるが、一旦ここまでにとどめておく。

■柔軟さや新鮮味があり、共感性もある

 全体的な話になるが、呪術廻戦を観ていて感じるのは一定の型に囚われない柔軟性だったり、ふとした台詞への共感性だったりする。そこも魅力の構成要素だと思う。また例に習って、それらを感じた箇所について下記に記す。

・1話1話の構成

 アバン・OP・Aパート・Bパート・ED・じゅじゅさんぽという構成が基本形だと思うが、その割合は各話によって柔軟に変化している。きっと各話で一番面白いと思う区切り方でアニメ化しているが故、構成もそれに従って柔軟に変えているのだと思う。

・キャラに説明させることへの違和感が少ない

 どうしても読者・視聴者に説明しないといけない内容もあると思うが、作品上の設定が上手いことその違和感を隠してくれている。前のめり過ぎず、自然なのだ。世界観と我々との境界線があからさまになっておらず、シームレスな印象を受ける。

・五条先生や東堂が虎杖に何かを教えるシーン(第6話、第7話、第16話、第19話)

⇒虎杖が視聴者と同じ目線(つい最近までごく普通な高校生活を送っていた)なので、五条先生&東堂⇒虎杖&(視聴者)みたいな感じで自然に説明が入ってくる。

・術式の開示(第9話)

⇒説明することで効果を高めるという設定が面白い。アニメの世界観に立ってしまえばなんの違和感もないが、より現実的な視点かつその設定がないこととすると、戦闘中に説明するキャラは、“戦っているのに急に自分の技について喋り出す人。”になってしまう。我々は当たり前のように、暗黙の了解として見ていた部分も焦点当てているのがすごいなと思う。

余談:だからこそ、笑える部分も多い。第20話の黒閃のシーン後、七海がドキュメンタリー風にカットインしてきた時、「いや急になに?誰に向かって話しているの?」と笑ってしまった。(若干得意げだったのもポイント。)

・台詞への共感

 作中発せられる台詞も、こういう考え方分かるな~好きだな~と思う部分がある。

・伏黒「不平等な現実のみが平等に与えられている」(第5話)

⇒確かに...と思わず納得してしまった台詞。お洒落な言い回しでぐっと来た。

・真人「人は目に見えないものを特別に考えすぎる。見える俺にとって、魂は肉体と同じで何も特別じゃない。ただそこにあるだけだ。」(第10話)

 ⇒真人の考え方、好きだなと思う。とは言っても、この思想を理由に実際にやっている行動はアウトだと思うが、考え方自体は良いな~と思うのだ。

・釘崎「男がどうとか女がどうとか知ったこっちゃねぇんだよ。てめえらだけで勝手にやってろ。私は綺麗にお洒落している私が大好きだ。強く在ろうとする私が大好きだ。私は、釘崎野薔薇なんだよ!」(第17話)

⇒野薔薇のこの台詞、非常に好きで放送中胸が熱くなった1シーンである。個が全力で個で在ろうとするというのが見えて、個人的にすごく好きな考えだと思った。

・独特なテンポ感

 見てて思うのが、不穏で緊張感ある場面・テンションぶち上がる場面・感動する場面・悲しい場面・笑える場面等々の諸々の感情を刺激してくる場面の切り替わりとかそのテンポ感が独特だなと思う。1感情に浸っている暇がなく、忙しいのだ。下々先生始めとする制作サイドに手のひらでコロコロ転がされている気分。

・存在しない記憶(第15話)

⇒そもそも、存在しない記憶という言葉のセンスも凄い。敢えてアニメでは言葉としては触れられていなかったのも、面白い。初見時、画面が突然狭まり始めて「?!」となったのは忘れられない。アニメでは、「瞬間、東堂の脳内に溢れ出した、存在しない記憶」というナレーションがないので、(あっても意味が分からないのだが、)一体何を見せられているのか分からない。混乱そのもの。そしてやたらじっくり見せてくる。約2分くらいこの謎の回想シーンに費やされていて色んな面で笑ってしまった。

・突然の野球回(第21話)

⇒正直2クール目のOPを見たときからずっと気になっていたが、話が進むごとにどうにもこうにも野球なんてできない雰囲気で悶々としていた。が、21話で来てしまった。何のスポーツ青春アニメかな…?という気持ちにさせてくれる、いいギャグ回?だった。個人的に加茂がなかなかに輝いていたと思う。選手紹介文で爆笑し、バッターボックスに立っているのに虎杖に結構大事な話をするし案の定3ストライク。

・特急呪霊との戦闘後の伏黒のシーン(第23話)

⇒伏黒の領域展開にテンションがぶち上がる→どこから見ているのか分からないが非常に満足気な宿儺に笑う→伏黒回想シーンでの五条先生に頭抱える→お姉さんとのエピソードでジーンとくる→回想終わり、唐突な「伏黒入眠」テロップで涙引っ込む。 

・タイトルの工夫

 タイトルで一本取られたなと思うのが、第20話「規格外」と第24話「共犯」。第20話の放送前は、第19話の次回予告でもほとんど内容が分からない状態で、何が規格外なのか全く分からない状態だった。私は単純に東堂か花御が「規格外」な強さなのかと思ったが、まさかの五条先生の登場で、東堂の「相変わらず規格外だな」という台詞でこれはやられたと思った。

 第24話も放送前時点、もっと言えば釘崎の「じゃ、共犯ね。私たち」という言葉が出るまで、誰と誰が何に対して共犯と言っているのか分からなかった。「起首雷同―参―」というタイトルを敢えて用いなかったのも凄く良い。

 

 というところで、知らない間に10000字を優に超えてきてしまったのでこの辺りでこの記事は終わりにしようと思う。呪術廻戦に対する熱い思いをどこかにきちんとまとめておきたいと思っていたので、このように思うがまま書くことができて謎の達成感を感じている。本当に自己満な文章だが、もし呪術廻戦を知らない人や或いは好きな人へのちょっとした暇つぶしになったら嬉しいと思う。最後に残しておきたいのは、呪術廻戦の制作にあたった全ての関係者の方に感謝という気持ちである。

 

以上。