【呪術廻戦】アニメ勢による2期 第25話「懐玉」の感想など

 こんにちは、先日7/6(木)に待望の呪術廻戦2期が放送開始されましたね!どこまで続けられるか不明ですが、2期は各話思ったことをブログに上げていけたらと思っています。今回は記念すべき第25話の感想になります。筆者は相変わらずアニメで観た分だけ原作を読み進める方式で追っているので、原作との違い等も含めて面白かった点などをまとめていきたいと思います。完全に自己満足のメモなのでご了承ください。

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※下記より、アニメ呪術廻戦・アニメ放映分の単行本のネタバレ及び、筆者の感想&考察要素を含みます。※

 

参考)単行本で言うとどの部分か?

 単行本8巻の、第65話 懐玉(p.69)~第66話 懐玉-弐-(p.110)までが第25話の範囲。1期が第63話までだったので、うっかり続きから開くと「??」となるので注意。

 

ファーストインプレッション

 リアタイで観終わったときの一発目に抱いた印象と言えば、「青春だ!呪術廻戦だけど、呪術廻戦じゃないみたい!」だった。今回は制作スタッフさんが1期から変わっている※ことと、それに加えて話の舞台も五条の学生時代ということもあって、1期よりも日常感や学生生活を通した“青春”にフォーカスされているなと感じた。ただし、所々に陰りを感じるのが呪術廻戦らしい。細かい感想は後述するとして、この呪術廻戦2期の制作に当たった皆さんに感謝の意を送りたい一心である。2年間、楽しみに待っていて本当に良かった…。

※監督も変わっていて、1期の時は朴性厚さんが監督を務めていたが、2期は御所園翔太さんが監督である。御所園さんと言えば1期の8話で演出&原画、17話で演出&絵コンテ&原画を担当されていた方である。

 

最も印象に残った部分:五条と夏油のバスケシーン

 素敵なシーンがいくつもあるが、敢えて一つ選ぶとするならここである。ここの何が印象的だったかというと、五条は暴論を唱えるもシュートを必ず決めているが、夏油は正論を言っているのにシュートを外している点だ。そこで何とな~くある台詞が記憶の底から浮かんできた。下記である。

夏油「君は五条悟だから最強なのか、最強だから五条悟なのか。もし私が君になれるのなら、この馬鹿げた理想も地に足がつくと思わないか?」(劇場版呪術廻戦0より)

 妄想に近い想像だが、夏油は五条に劣等感・コンプレックスを抱いていたのかもしれない…と思った。五条が御三家の出であることや1話の雰囲気から想像すると、五条は生まれつき“才能”に恵まれていて、割と何事も卒なくこなせる超天才タイプだったのではないだろうか?それに対して夏油は真反対とは言わずとも、五条ほど輝かしい才能には恵まれていなかったのではないだろうか。一緒に過ごす上でこういった自分と五条との違いを幾度も実感してきたのかもしれない…と思った。

・暴論でさえも、実力や才能溢れる五条が言えば正論になる…それほど五条悟は力と名声を兼ね備えた存在であること。

・夏油は正論を唱えるも、それは打ち砕かれること。五条には敵わないこと。

本シーンはこれらを暗示させるような場面だった。ぱっと見何てことない、やんちゃな男子学生の口喧嘩のように見えるが、2人の間にちょっとした歪みを感じるというか…そこが切なくて、良いシーンだなと思った。

 ちなみに、原作では教室で駄弁っているシーンだったが、アニメではバスケをしながら会話している。わざわざアニオリでバスケのシーンを入れているので、これは”意味のある”シーンと解釈せざるを得ない。制作者の示したかった意図はきっと最後まで見れば分かるのであろう…。

 またここの「"弱者生存”それがあるべき社会の姿さ。弱きを助け強気を挫く。いいかい悟、呪術は非術師を守るためにある。」という台詞は劇場版呪術廻戦0でも出てくる重要な台詞で、学生時代の夏油(=非術師を助けるために呪術師が存在する)と百鬼夜行を起こした時の夏油(=非術師の排除・呪術師だけの世界を願う)との思想の違いを視聴者に気づかせるシーンでもある。恐らく、というか必ずこの2期でこの変化の過程は見られると思うので、夏油の身に何が起こって何を感じたのかにしっかり注目して追っていきたい。

 

衝撃的だった部分:学生時代の五条の問題児感

 一番衝撃的だったのは、五条先生ってだいぶ大人になったんだな…という点である。正確に言うと、”あれでも”だいぶ大人になったんだな…である。それくらい、高専五条がめちゃくちゃやんちゃ。夜蛾先生に拳骨食らうのも日常茶飯事なのだろうと思う程の言動だし、夏油が咎める程だ。特に星漿体の任務のところなんかは知っているべきことを知らなかったり、「よく分からんけど夏油と自分がいれば何とかなるっしょ」みたいなノリであるし、力と才能を持った問題児みたいな学生だなと思った。上手くことが当たり前みたいな青さも感じる。

 一見(五条よりは)優等生っぽく見える夏油も夏油で質の悪い問題児感は臭うが、思慮深さや策士っぽい雰囲気は一貫してあるのでそこまでギャップは感じなかった。硝子さんはめちゃくちゃ省エネで可愛かった…でも煙草咥えていたので彼女もなかなか…。

 

ストーリー構成や原作補完について

 大まかなストーリー構成は大きくは原作と変わらないが、2期の舞台に引き込まれるような工夫もされていて、やはり呪術廻戦は素晴らしいなと感じる。構成を担当する脚本はお馴染みの瀬古浩司さんである。瀬古さんは進撃の巨人等の脚本も手掛けていて安心感が物凄くあり、背中をべったり預けてストーリーに集中できる。

①冒頭は夏油の独白。(アニオリ構成)精神的にかなり消耗している様子で、画面彩度も低い。台詞等から時系列的には後半の夏油であるということがそれとなく分かるので、ここまでに至る過程が気になった段階で本編へ移る。

②歌姫と冥冥の任務。2人が屋敷から脱出するまでは原作でいうと4ページだったが、今回約9分間にまで話を膨らませている。その意図は分かりかねるが、2期のイントロダクション的な要素もあるのかもしれないと思った。丁寧な絵作りやカメラワーク、過去の歌姫と冥冥の姿・やり取りに他のキャラへの期待も高まり、そして五条達合流となる。

③夜蛾先生のお叱りシーン~星漿体護衛任務の提示まで。アニオリ要素は2点で、五条と夏油が体育館でバスケをしながら口喧嘩をする点(原作では教室)。そして任務内容の詳細を話すシーンが実験室である点(こちらも原作では教室)。既述だが、2人にバスケをさせることで物凄く深みが出ていると思う。

④任務地まで向かう~戦闘開始まで。ここでは、任務地に向かう2人の動きが原作と異なる。最初は2人、途中から別行動となり、夏油が護衛対象の部屋を開けた瞬間部屋が爆発する。そこから天内救出のために夏油が呪霊操術を披露するのだが、この夏油の一連の動きがまたかっこいいのだ。(ちなみに原作では「聞こえないな。もっと近くで話してくれ」の時に耳に手を当てていて、煽り度が高い。こちらも見てみたかったな…)

 

オープニング/エンディングについて

 今回の主題歌も最高によい…。リアタイで観たときは鳥肌が立った。

1)オープニング

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 筆者の個人的な考えだが、オープニングには作品の魅力を伝える重要な役割を担っていると考えている。言うなれば、作品の顔=オープニングを見ればその作品の雰囲気が分かる と思っている。今回のオープニングは、爽やかな青色が印象的で、曲調も軽やか。「青春」「爽快」そんな感じの心地の良いオープニングだった。呪術廻戦とは思えない明るい曲で、陰りがほぼない(ないとは言っていない)のも印象的だ。五条の「まぁ大丈夫でしょ。俺たち最強だし」という台詞を表現しているようなオープニングだなと思った。

 一方歌詞を見てみると、「きみの笑顔の奥の憂いを見落としたこと、悔やみ尽くして」とあるように、どことなく五条の独白のような印象を受ける。映像や曲調は高専時代のキラキラ輝く五条達を表しているのに、歌詞は(恐らく)夏油と決別した後の五条の気持ちなのがなかなか心に来る…。原作を知っている方は私よりも大きなダメージを被っているであろう…。

夏油「誰が何と言おうと猿どもは嫌いだ。でも、別に高専の連中まで憎かったわけじゃない。ただこの世界では私は心の底から笑えなかった。」(劇場版呪術廻戦0より)

「きみの笑顔の奥の憂いを見落としたこと、悔やみ尽くして供花と咲いて散っていくきみにさよなら」(呪術廻戦2期 OP 青のすみかより)

下記、ざっくり気になった場面ごとの感想である。

 

・冒頭

 大人五条先生の直線状にふらふら歩く夏油と思わしき人影。2人がどうしてこうなってしまったのかのストーリーですよというのが示唆されている気がして、視聴者もこの冒頭を通して自然と学生時代の回想に入り込めるな思った。

・ベタなキャラ紹介的なカット

 五条→夏油→硝子の順にバストアップの絵が出てくるが、ここ実は原作第66話の扉絵が元絵なのだ。(リアタイ後に単行本を読んで発見した!なんか嬉しい。)カメラ目線で微笑むカットを呪術廻戦で見られるなんて…。私って青春日常系アニメを見てたっけ…?と錯覚しそうになるのもよい。(下のちっちゃい3人もかわいい)

・サビ前~サビ

 楽しそうで自信満々な表情から、五条&夏油がめちゃくちゃ良いコンビっていうのがすご~~くよく分かる。五条と夏油が落下してくるカットから始まるサビは高揚感MAXになる。そしてここだけの話ではないが、カメラワークがとんでもない。アニメーターさんの脳内って一体どうなっているのでしょう。笑みを浮かべながら空中戦を繰り広げているが、「なんかすごいかっこいい」しか言えないくらいかっこいい。とにかくすごくかっこいい。

・最後のカット

 教室の場面カット→誰かの手 の繰り替えしの部分、手は五条先生なのかな~と。歌詞と、あとは背景が五条の目のようにキラキラしているし、色味が五条っぽいというそれだけの理由だ。学生時代を思い返しているような五条(仮)視点のラスト。そんな締めでオープニングが終わる。

 

2)エンディング

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 「僕の善意が壊れてゆく前に、君に全部告げるべきだった」という詞から始まるエンディングは、オープニングに対して夏油にフォーカスを当てた曲のようだ。日常生活をベースに、五条と夏油の対比などが印象的なエンディングになっている。

 

・冒頭~最後までの大まかな流れ

- 蒼い目の金魚と黒い目の金魚が漂うカット

- 雨が降る中、傘をさして帰宅中の五条

- 傘を忘れたのか、鞄で雨を遮りながら駆け足で帰る夏油

- 黒い目の金魚が潜って黒い金魚になる

- 天内・硝子・五条・夏油の日常

- 黒い金魚を目で追う五条

- 白い金魚から目をそらし、うつむく夏油

- 傘を差しながら歩く五条

- 座ってカタツムリをつつく夏油

- 傘を差し、にかっと笑いながら走る五条

- 早く雨止まないかな~と貧乏ゆすりをする夏油

- 1年生&2年生の日常

- 2年生組で写真を撮って、じゃあねと別れる(夏油だけ影のある方向へ進む)

- 雨がやんで、何かに気づく夏油

- 傘を下ろして夏油に笑いかける五条

- 合流して一緒に帰る二人、水たまりには白い金魚と黒い金魚が同じ方向に泳いでいる

- 五条が夏油の肩を組もうとして、拒否られる

なんだかこう…五条と夏油の行く末を暗示しているような部分があるし、事実2人は決別するのは理解しているのだが、最後寄り添って歩くところから「楽しい日常が続いてほしいし、どうかハッピーエンドになってくれ」と願ってしまうようなエンディングだった。

 

その他気になること

1)五条と夏油のそれぞれの変化や背景

 アニメ2期を見て2人に抱く感想の1つに、「五条先生って大人になったんだな」「夏油はどうしてああなってしまったのか」というのがある。それぞれの変化の過程が非常に興味深いし、ここも2期の大きなテーマなのだと思う。例えば五条先生の一人称一つとっても、夏油のアドバイスからどういう過程を経て自身を“僕”と呼ぶようになったのか…等。

夏油「悟、前から言おうと思っていたんだが、一人称”俺”はやめたほうがいい。特に目上の人の前ではね。”私”最低でも”僕”にしな」(呪術廻戦2期第25話より)

2)伏黒甚爾

 アニメ1期で匂わせて来ていた故、十中八九伏黒甚爾は伏黒恵の父親だと思っているのだが、それを正とすると何だかかなりヤバそうな人である。あと筋肉もりもりなので、物理攻撃がめちゃくちゃ強そうである。第25話では少しだけしか喋らなかったので未だ謎多きキャラクターだ。今後が楽しみ。

五条「君のお父さんさ、禪院っていう良いとこの呪術師の家系なんだけど、僕が引くレベルのろくでなしで、お家出てって君を作ったってワケ!恵くんはさ、君のお父さんが禪院家に対してとっておいた最高のカードだったんだよ~ムカつくでしょ!」(呪術廻戦1期第23話より)

馬券に30万使っている(呪術廻戦2期オープニングより)

金払いはいいという誘いに乗っている(呪術廻戦2期第25話より)

3)天内理子の護衛任務

 夜蛾先生から通達のあった、天元直々の指名任務は「2日後の満月の日まで、星漿体の少女を護衛し天元の下までへ届けろ」である。な~んだか精神的ダメージを負いそうな、不穏な臭いしかしない。何故かと言うと少女があまりに不憫だからだという事と、しょうがないとは言え夏油も黙っていないのではないか…という理由からだ。500年に1度、天元と適合した星漿体と呼ばれる人間は天元と同化しなければならないようだが、正直当事者からしたら天元の事情など知ったことではないし、同化してその身を捧げなさいって言われて嫌ではないだろうか…。2日間と短い間ではあるが、天内の護衛につくという事は恐らく日常生活も側で見守るであろうし、星漿体としてではなく天内という少女自身に情も芽生えるのではないだろうか。

天内「いいか、天元様は妾で、妾は天元様なのだ」(呪術廻戦2期PVより)

夏油「理子ちゃんがどんな選択をしようと、君の未来は私たちが保障する」(同上)

天内「やっぱりもっと皆と一緒にいたい」(同上)

 PVの台詞からすると、最初天内は自身の身を天元に捧げることを受けて入れており、自分の宿命を誇りに思っていたのではないだろうか。そこから五条と夏油と関わったことで、天内本人として人生を歩むことの楽しさを自覚or再確認して最終的には「やっぱりもっと皆と一緒にいたい」という言葉出たのだろうなと推測してみる。五条がどう思うかは分からないが、夏油はそんな彼女を依頼通りに天元の下まで届けることができるのであろうか…。正直結構キツいのではと思ってしまう。また、未来である呪術1期の時点で天元が進化していないことを加味すると、天内の本音は虚しく天元と同化する運命となったのであろう…何とも言えない気持ちになる。

4)五条たちの学生生活

 オープニングやエンディングには出ているが、2年生組(五条、夏油、硝子)のやり取りや、1年生組(灰原、七海)、先生、先輩たちとの絡みも楽しみである。ただ1期や劇場版に一切出てこなかった灰原が、単純に登場してないだけなのか否かが気になってしまう。プロフィールを見るとめちゃくちゃ良い子そうなので無事でいてほしい。

 

 とここまで書いて大分ボリューミーになってきたので、以上で第25話の感想メモは終わりとする。第26話では恐らく天内も喋ると思うので、非常に楽しみである。来週までまた頑張るぞ~。