【呪術廻戦】アニメ勢による2期 第35話「降霊」の感想など【甚爾や五条についての考察多め】

 10/5(木)に呪術廻戦2期第35話が放送されました。いつも通り、アニメ勢の筆者が感想や考察などを語っていきます。

下記より、アニメ呪術廻戦・アニメ放映分の単行本のネタバレ及び、筆者の感想&考察要素を含みます。※

参考)単行本で言うとどの部分か?

 単行本11巻 第94話 渋谷事変⑫ ~

      第97話 渋谷事変⑪まで ※11巻の最後まで

ファーストインプレッション

 メインは粟坂vs虎杖&恵で、二人の共闘がサクッと見られるさっぱりした回だったと思う。とはいっても、途中伏黒甚爾が降霊されたり、ベイビー・五条先生が出てきたり幼少期の姿が出てきたりでアニメ勢としては大きな衝撃も受ける話だった。突然お包みに包まれた五条が出てきた時は「へ?!」っと声が出たし、道を歩く小さい五条の後ろ姿に「(なんかキルアみたいだな~)」と思ってたら役者さんがキルアをやっていた方でびっくりしたし、孫が何か飲み込んだ際には「(まさか…?!)」となって甚爾が出てきちゃったしで、ちょくちょく動揺させられた。

 また、アバン最後の「時間はかけらんねぇぞ」「かかんねぇだろ」で粟坂との戦闘が始まり、「オマエ意外と器用だよな」「そう?」というやり取りで35話が終わっていて、2人で始まり2人で終わるというまとまりのある回だったなとも感じた。特にこの最後の会話がこざっぱりしていて面白かった。あぁ、もう終わり?!という気持ちである。押し引きのバランスが巧妙で、緩急のあるストーリーだった。

出典:TOHO animation チャンネル, TVアニメ『呪術廻戦』「渋谷事変」第2期PV第3弾(URL: https://youtu.be/PKHQuQF1S8k?si=DhwVjHwoKOZTPnUY)より

ストーリー構成

 原作通り。

シーンごとのメモ等

・アバン:猪野&虎杖&恵

 帳に打撃を与える虎杖と、それを見守る猪野&恵で第35話はスタート。恵が喋ってる後ろで虎杖が呪霊を倒しているのだが、その呪霊が呪霊とは思えないくらいかわいい。虎杖もかわいい。3人が帳について考察している時に、最初は3人に合っていたピントがだんだん奥のセルリアンタワーに移っていき、その後帳の基がその屋上にあるのだという流れになっていく演出がお洒落だなあと思った。

・アバン: セルリアンタワー屋上から始まる戦闘

 前回Cパートで登場した呪詛師3人組が屋上で待ち構えており、「直ぐには上がって来れないだろうな」と言ったそばから虎杖たちが襲撃。虎杖は器用にワイヤーを使っていて、常人離れした身のこなしだ。地上に降りてきた虎杖と伏黒が粟坂と対峙するところでアバンは終了である。

・Aパート: 猪野の回想(七海と焼肉)

 オープニング明けに美味しそうな焼肉が出てきた。七海と猪野が食事をしながら会話する回想シーンだ。猪野は「迷ったとき、”七海ならどうするか”を考えて行動する」を軸にして呪術師として生きているという。それ故、「七海認められず昇級はあり得ない」と考え推薦してもらうのも七海が良いと言っている。こういう軽い感じのキャラが通す”我”というのは、とてもグッとくるものがある。猪野が「七海サンに認められず1級ってのは嘘でしょ」と言った後に七海が猪野から目を逸らす。自身が誰かの軸になることについて七海はどう考えているのだろうと、少し考えさせるものがある。

・Aパート:猪野vsオガミ婆&孫

 猪野と呪詛師らの戦闘が開始され、猪野の能力が明かされた。彼の術式は“降霊術 来訪瑞獣”であり、顔を隠すことで自らが霊媒となり、四種の瑞獣の能力を降ろして使用できるものであると解説された。また、孫とオガミ婆が「奇遇」と言っていたこともあり、彼らの戦闘も降霊術に属するものであると予想できる。「事実に即し 己を律する」という七海のモットーを呟く姿には、彼の七海への敬意が感じられる。

・Aパート:虎杖&恵vs粟坂

 一方後輩ちゃんズは粟坂と対戦中。恵の「正直相手よりもコイツに合わせる方が骨が折れる」という台詞からは、虎杖の肉弾戦のセンスや彼の成長っぷりを実感できる。戦闘シーンはスローやアップの絵が組み込まれていて意外と目で追いやすく、初見でも動きが理解できるのでありがたかった。「時間かかんねぇんじゃなかったか?」「……ノーコメント」のやり取りが可愛い。

・Aパート:猪野vsオガミ婆&孫

 そして猪野サイドに戻る。オガミ婆がずっと何かを唱えており、彼女を守るように孫が戦闘している。オガミ婆怪しいな~と思っていると、膨大な呪力がオガミ婆を包み「もうええぞ」の合図で孫が何かの破片を飲み込む。え…まさかお父さん来る?!と思っていると、オガミ婆が「禪院甚爾」と名前を唱え、孫の顔が半分甚爾になっていた…。衝撃である。オープニングにいたので、回想or復活で再登場とは思っていたがまーさかここで復活するとは。そういえば、本人は生前に「もう禪院じゃねぇ、伏黒だ」と言っていたが、その苗字が正式な名として使われているのだな。少し不憫である。彼については別途考察パートで述べていく。

・Bパート:五条悟、爆誕

 CM明けの突然のベイビー・五条先生に変な声が出た。猪野サイドの続きか虎杖らかと思っていたので不意を突かれてしまった…。めちゃくちゃ可愛くてびっくりしたし、何で五条先生の誕生話がここで?!と混乱した。その後すぐに謎の親子が出てきて、娘が父親を刺し、正体は娘に化けたオガミ婆ということが分かる。若い頃の粟坂っぽい人物も出てきて、彼が人殺しを生業にしていることも明かされ、「あ、これはオガミ婆や粟坂の回想か」と気づくわけである。まだ子どもだというのに、億越えの懸賞金がかけられているという五条。オガミ婆と粟坂も五条の首を狙ったようだが、圧倒的な強さを有する五条の前では震えることしかできなかった。そしてこの五条の誕生こそが、年々力をまず呪霊の原因であると確信し、彼が産まれたことで世界の均衡が変わったという。猪野は五条悟がいなくなることで起こるパワーバランスの崩壊(呪詛師や呪霊に対する抑止力を失う)を危惧していたが、二重の意味でその通りであった。五条の存在に感化され強くなり続ける呪霊、そしてその呪霊たちを抑えることができる五条という圧倒的存在。確かにこの均衡が崩れたら大変なことになりそうだ。

 ちょっと脱線するが、街を歩く子ども五条の後ろ姿に思わず「キルア」みたいだな…と思ってしまったし、なんなら声もキルアで(伊瀬茉莉也さん:新HUNTERxHUNTERのキルア役)でひっくり返りそうになった。

・Bパート:虎杖&恵vs粟坂

 有効な攻撃が通らない粟坂に不信感を抱き、その能力を探るために五条の名前を出す恵。以前東堂に襲撃(?)された時も同じように探りを入れていて、相手の強さを把握しようとしていた。駆け引きの才能は虎杖にはなくて恵にはある、こういうお互いの得意不得意を埋め合って戦えるコンビはとてもいいな~と思う。そして粟坂が仕掛けてくる前に恵が「脱兎」を出す。突然画面にたくさんうさぎが出てきて、可愛い(虎杖&恵)と可愛い(うさぎ)で画面が可愛い。

・Bパート:猪野vsオガミ婆&孫(甚爾)

 猪野の方は、汗もだくだくで早く甚爾から逃げて欲しいと思うばかりである。音もなく猪野の覆面を剥ぐ様からは、もう猪野では相手にもならないという事が分かる。もう体格から格が違う…。頭部を何回も殴られていたが猪野先輩は無事だろうか。心配である。

・Bパート:虎杖&恵vs粟坂

 粟坂の能力に気づいた恵は虎杖と連携して粟坂に連続攻撃をしかける。回想前の、戦闘が盛り上がってきた辺りで流れるBGMがお洒落で素敵だった。そして最後は虎杖の寸止めパンチ。アニメでは呪力のエフェクトの演出があったので、虎杖が“ただの打撃”に切り替えたことが分かりやすかった。そして「オマエ意外と器用だよな」「そぉ?」というやり取りで終わった。さらっと終わるのが面白い。

考察・疑問など

・伏黒甚爾は完全に復活したのか?どいう状況なのか?

 伏黒甚爾についてはオガミ婆の術式の詳細は明かされていないので何とも言えない部分が多い。今の時点で言えるのは、猪野の術式を見てオガミ婆と孫が「奇遇」と言ったことから、彼女の術式も「霊媒に対して対象を降ろす」という仕組みなのであろうという事くらいである。猪野はイタコ※と称していたが、一般的なイタコとはちょっと違うようだ。オガミ婆の場合は、霊媒は自身or他者(孫のみ?)であり、憑依後は言葉だけでなく声や姿形、身体能力までが本人と同じと言えそうだ。とんでもない術式であるため、条件などの縛りは結構厳しそうだが…一体どんな能力なのか気になって仕方がない。とりあえず、対象霊の一部(これも厳しい縛りがあるかもしれない)を摂取することが一つの条件のようだ。

 また、憑依後はどういう状態なのかも気になるところである。あくまで思考やどう動くか等の脳に起因する部分が”孫”なのか、甚爾なのか…。もし前者だとする場合、戦闘においては孫の素質に左右されるであろうから、憑依させた意味が出ない可能性のが大きいのではないだろうか。そもそも甚爾のようなめちゃくちゃ強い人物の力を上手く使いこなせるなら、もう憑依させなくても素で戦ったほうが良さそうである。ということで、筆者的には後者に近いのではないかと思う。

 憑依後が甚爾と同一人物として認識して良い場合、えらいことである。かつて五条悟を窮地に追い詰めた当本人なのだ。恐らく…オガミ婆に甚爾を降ろさせるように指示したのも偽夏油(寄生体)なのではと思うが、そうなると甚爾をどう倒すかも重要だし、もう寄生体が把握しているかもしれないが、彼の持つ五条の情報が流出しないように抑えねばならない。いろんな意味でピンチである。

※イタコ:口寄せの術を業とする憑依巫女。死者の霊や神霊を降ろして自身に憑依させ、代わりに言葉を語ること。(参考:舞の道 観音舞HP)

・伏黒甚爾にどう対処するのか?恵との対決もあるか?

 一体どうやって対処すればいいのだろうか。NARUTOでいう穢土転生の場合、根本的な解除方法は術師本人が解の印を結ぶこと、他には対象者が自身に幻術をかけて術者の命令を上書きすること、昇天すること等になるが…。オガミ婆に解除させるような能力を持っている人物に心当たりもないし、甚爾も生前わざわざ自身に細工しなさそうだし、昇天もしなさそうだし…。どうしたらいいんでしょう状態である。正面でやり合ったとして、甚爾を倒せるレベルの術師がいるのかも微妙だし、仮に倒せても何度でも生き返る可能性すらある。心理的にすこーしでも揺さぶれるとしたら、息子である恵であろうか。あと単純に親子対決は見てみたい気もする…。

 ここで思い出したのはオープニングのとあるカットである。恵が誰かと対峙中で、手前にその人物がいる構図のカットなのだが、服装が復活した甚爾と似ている気がするのだ…。全体的に赤く暗い絵なので、正確に判断し辛いが上が白いトップスで下が黒のボトムスに見える。これは親子対決も濃厚なのではなかろうか?

 二人が向き合ったその瞬間、どのようなリアクションをするのだろうか。恵の場合は小1の時点で「何年も会ってないから顔も覚えてない」と言っていたので、出会っただけでは父親と気づかないかもしれない。甚爾は意外に息子だと察するかもしれないし、名前を忘れていたように全然気づかないかもしれない。その辺のやり取りも興味深いものである。仮に恵が父親を倒したとして、甚爾は恵に気づいていて恵は気づかないままという形もありうるかもしれない。視聴者だけが真相を知っているというパターンもありうるかもしれない。

 ただもし、甚爾と恵の戦いが実現したとしたらぜひ恵に勝ってほしい。甚爾に勝利するということは、彼にとって父親を超えるということでもあるし、五条先生を超えるということでもあるからだ。宿儺が恵の成長を待ちわびている以上、恵が強くなることにやや不穏な空気を感じざるを得ないが、純粋に伏黒恵という一個人に対しては応援したい一心である。本当に宿儺、恵に手を出さないで欲しい。でも過去の台詞からすると絶対に利用してくるのだろうな…。こういう不穏な発言はだいたい実現するみたいなところが呪術廻戦にはある気がするのだ。

出典:TOHO animation チャンネル, TVアニメ『呪術廻戦』第2期「渋谷事変」ノンクレジットOPムービー(URL: https://youtu.be/5yb2N3pnztU?si=d5qCu87WR5445kct)より
・呪術師、呪詛師の死後の処置について

 夏油は死後にその遺体を利用されて身体を乗っ取られてしまったし、伏黒甚爾も遺体の一部と思しき物を利用されて現生に降ろされてしまったし…呪術師や呪詛師の死後は、生前よりも気を配らねばならないのだな…と。呪術を扱えるが故に、生きている間も死後も気が抜けないのはなんとも言えない気持ちになる。

・五条の境遇

 「六眼と無限術式を持った五条という存在の誕生が、呪術界の均衡を崩した」と言っていた。恐らくこれは本当なのであろう。飛び出た存在が表れた事がきっかけで、呪霊も強く育ってきてしまったのだ。恐らく呪霊だけでなく呪術師や呪詛師に対してもレベルがグンと上がっていると思う。

 そもそも五条自身も、何百年ぶりの~と称されているのでこのような現象は歴史上何回か起こっていることであろう。もしかしたら、今後呪術全盛と言われる平安時代に近い状況になるのかもしれない。

・五条も「夏油ならどうするか」と考えた事はあるのだろうか

 な~んにも根拠はない。ただふと思っただけだが、猪野の台詞を聞いて五条と夏油が過った。事実に即して己を律する七海と、呪術師のあるべき姿に即して己を律した夏油。2人には“模範さ”が共通しているからであろうか?なんだか重なって見えてしまった。

 五条は高専時代、自分がルールみたいな所もあって横暴な態度を取っていたが、それは夏油という存在がいたからこそなのかもしれない。自分とは正反対の部分を持つ夏油がいるからこそ、ある意味安心して羽目を外せるというか…。模範的な考えや正論を唱える夏油が自分をセーブしてくれたり、フォローしてくれるから背中を預けてマイペースにいられるというのも、自覚していたかは別として少なからずあったのではなかろうか。そんな夏油が離反した後、傍には正論・模範の道に修正してくれる夏油はいない。五条が誰かを育てる道を選んだ後、たくさん悩んだり迷ったりする機会はあったと思うがそんな時に「夏油だったらどうするか」と考えた事もあったのかもしれないと思ってしまった。

・真人、漏瑚、脹相の内、誰が一番に虎杖と戦うのか?

 PVやオープニングの絵から判断すると、戦闘の時系列は 真人→脹相→漏瑚 となりそうだ。根拠は虎杖の顔の傷と、メタ的な想像からである。更に言うと、漏瑚は多分虎杖…というより宿儺と戦うことになりそうだ。PVで漏瑚が虎杖風貌の男性と戦っているようなカットがあったが、服装は虎杖ではあるものの姿勢が虎杖っぽくないのだ。(関連考察記事:リンク)どういう理由で宿儺が出てきてしまったのかは置いておいて、恐らく先に述べた順番で戦闘があると思われる。真人と脹相は虎杖戦後にどうなるのかも興味深い。特に真人戦では虎杖&東堂の共闘となるので、真人の狡猾な戦闘と虎杖&東堂の個々の戦闘センスそして2人の協力プレイに大注目になりそうだ。早く見たい。脹相はよく分からないが、仮に脹相が弟達の仇取りが目的と言ったら虎杖がどういう反応をするのかや、PVで出てきた謎の赤い塊が何なのか気になる。漏瑚に関しては、「宿儺に指を献上する」ために来たと思うがPVではすごく劣勢な描写であった。“彼らにとってもリスクが高い”という言葉がそのまま現実になってしまう可能性が濃厚だ。つくづく苦労人だな~。

■次回、第36話について

 毎回恒例の予告から想像する次回のストーリーであるが、虎杖・恵・猪野サイドの同刻辺りでの、他メンバーの動きがメインになってくるのではなかろうか。特に野薔薇に視点が当たった話になりそうだ。予告の絵からすると彼女が対敵するのは重面だ。彼は伊地知さんを始めとした補助監督たちを狙って動いている。恐らく重面が補助監督たちを襲っている現場に居合わせた野薔薇が、その場で重面と戦うことになるのであろう。2期になってから野薔薇の戦闘シーンは初となるので大変楽しみである。重面の能力はまだ不明ではあるが、長い剣を使った近距離物理攻撃がメインの敵なのであろうか(他にも色々ありそうだが)。野薔薇は中距離~遠距離の物理攻撃タイプなので、2人がどのような戦い方をするのか気になって仕方がない。

 他には冥冥やナナミンサイドの動きも出てきそうだ。だんだんPVで出てきた絵が回収されていくのがワクワクする。とにかく皆無事でいて欲しいと願うばかりである…。

出典:TOHO animation チャンネル, TVアニメ『呪術廻戦』「渋谷事変」第2期PV第3弾(URL: https://youtu.be/PKHQuQF1S8k?si=DhwVjHwoKOZTPnUY)より

 

芥見先生のコメント

■アニメーターさんの投稿

 

以上。