【呪術廻戦】玉折まで視聴したアニメ勢が、渋谷事変に備える【疑問点・考察】

 8/31からアニメ2期にて渋谷事変が放送される。渋谷事変と言えば、夏油が「五条悟は然るべき時、然るべき場所。こちらのアドバンテージを確立した上で封印に臨む。決行は10月31日渋谷。詳細は追って連絡するよ」と言っていた、そのイベントの事であろう。筆者はアニメ勢で原作も懐玉・玉折までしか読んでいないが、この渋谷事変では不穏な展開が待っているに違いない。懐玉・玉折まで見ると、芥見先生って地獄を作り出しているのかな?と思う位に報われない展開が多いのだ。うっかり渋谷事変でダメージを負ってしまわぬよう…というのもあるが、より楽しく見られるように自分なりに準備をしておこうと思い、本記事を書くに至った。

 よって今回は、アニメ29話(単行本9巻p.176)までの内容を踏まえて、疑問点の整理やこうなるんでなかろうか?といった予想などを綴っていく。心がぺしゃんこになりそうになりつつも気合を入れて書いたので、アニメ勢の皆さんは一緒に考えながら、原作勢の方はアニメで初見を迎える筆者を応援してながら読んで頂きたい。

youtu.be

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※下記より、アニメ呪術廻戦・アニメ放映分の単行本のネタバレ及び、筆者の感想&考察要素を含みます。※

 

 ちなみに、以前も同じような趣旨でまとめ(リンク)を書いたことがあり、この時点で洗い出した疑問点は現時点でも回収されていないものばかり。この記事で書いたことの補足のような形になるので、似たような内容が出てくるかもしれませんが悪しからず。

呪術廻戦における主人公

 筆者はアニメ1期、劇場版 呪術廻戦0、アニメ2期の懐玉・玉折まで視聴したが、それぞれ視聴し終えた1つの感想として、下記のような印象を受けている。

それぞれ下記の人物が中心の物語

 アニメ1期      :虎杖

 劇場版        :乙骨&五条(と夏油)

 アニメ2期 懐玉・玉折:五条(と夏油)

➡今後、虎杖・乙骨・五条が中心となって物語が展開されていくのでは…?

 特に五条。今回懐玉・玉折まで視聴した後、五条視点で今後の展開を見ざるを得ないような持っていき方だったなと思った。回想を終え、それが五条が居眠りしている間に夢の中で思い出していた過去であったことが分かり、そして五条視点で現れる1年ズ。五条がどんな過去を抱えていたのか知り、どんな思いで教師をしているのかを想像してしまったら、五条ももう1人の主人公と捉えても仕方がないだろう。五条自身は呪術廻戦において最強ポジションであり、今後宿儺などの強敵と戦闘すると思われるので、物語の要を担う超重要人物であることは間違いない。これも相まって虎杖に並ぶくらい、物語の中心の人物になっていくのでは?と思った。乙骨はアニメでは直接的な登場は一切なく、今後どう絡んでくるのか期待されるキャラクターだ。彼も特級術師であり、何と言っても呪術廻戦0の主人公なので、先の2人に続いて活躍する可能性もあるのではないだろうか…。(乙骨はミゲルが何をしているのかすごく気になる…。)

 呪術廻戦の魅力として各キャラクターにとても深みがあるというか…それこそ皆が主人公のような部分もある。上記3人を始めとし、今後もそれぞれのキャラクター達のストーリーを楽しんで追っていきたい。

各主人公に思うこと:虎杖

 虎杖は不運にも、千年生まれてこなかった宿儺の器の逸材である。宿儺は呪いの王と称されており、呪術全盛の時代に術師が総力をあげて立ち向かっても敵わなかった、とんでもなく危険な存在である。そんな虎杖が恵たちを助けるために宿儺を指を喰らい、意図せず虎杖に受肉してしまった。五条の提案をそのまま受け取ると、虎杖はどう足掻いても宿儺と共に死ぬ運命にある。もしかして他の選択肢も考えているかもしれないが、今のところ「宿儺の指を全て取り込んでから処刑される」というのが虎杖の定めでもあり、使命である。今まで普通の高校生活を送っていた虎杖には何とも酷な話である。

五条「君が死ねば、中の宿儺も死ぬ

五条「宿儺に耐えうる器なんて今後生まれてくる保証はない。だからこう提言した。”どうせ殺すなら、全ての宿儺を取り込ませてから殺せばいい”。上は了承したよ、君には今2つの選択肢がある。今すぐ死ぬか、全ての宿儺を見つけ出し取り込んでから死ぬか」(単行本1巻)

五条「宿儺の捜索をするとなれば凄惨な現場を見ることもあるだろうし、君がそうならないとは言ってあげられない。」

五条「ま、好きな地獄を選んでよ」(単行本1巻)

 規定にのっとれば即処刑対象ではあるが、虎杖は多くの人からの善意で延命されている恵の私情がなかったら虎杖はあの場で処刑されていたかもしれないし、五条の提案がなければ上の指示通り”今すぐ死ぬ”ことになっていただろう。また東京校を始めとした周囲の人間も、虎杖を信頼していて、導いたり、助けたり、守ったり虎杖自身を想って各々行動をしている。恵は虎杖を助けたことに対して論理的な思考は持ち合わせていないと言っていたが、多分皆そうだと思う。恵は虎杖を善人と認め、生きて欲しいと思ったから五条に頼ったし、それに応じたのも五条の虎杖自身や恵を想ったが故、つまるところ私情であろう。そんな皆の私情と、虎杖の祖父からの遺言、そして「知っている人くらいは正しく死んでほしい(=呪いのせいで死んでほしくない)」という思いがあったからこそ虎杖は生きている。

恵 「……仮に器だとしても、呪術規定にのっとれば虎杖は処刑対象です」

恵 「でも死なせたくありません

五条「…私情?」

恵 「私情です。なんとかしてください」

五条「かわいい生徒の頼みだ、任せなさい」(単行本1巻)

恵 「…俺はオマエを助けた理由に論理的な思考を持ち合わせていない。危険だとしてもオマエの様な善人が死ぬのを見たくなかった。それなりに迷いはしたが結局は我儘な感情論。でもそれでいいんだ、俺は正義の味方じゃない。呪術師なんだ。だからオマエを助けたことを一度だって後悔したことはない」(単行本2巻)

七海「単身乗り込むリスクと虎杖君を連れていくリスク、前者を選んだまでです。彼はまだ子供ですから」(単行本3巻)

釘崎「テメェらこそ、これから呪おうとしてるバカがどんな人間か少しは考えたことあんのかよ」(単行本5巻)

東堂「(手加減はしない。全力で導く!!死ぬなよ虎杖!!登ってこい!!高みへ!!)」(単行本5巻)

祖父「オマエは強いから人を助けろ。手の届く範囲でいい、救える奴は救っとけ。迷っても感謝されなくてもとにかく助けてやれ

祖父「オマエは大勢に囲まれて死ね。俺みたいにはなるなよ。」(単行本1巻)

虎杖「知ってた?人ってマジで死ぬんだよ」

虎杖「だったらせめて自分が知ってる人くらいは、正しく死んでほしいって思うんだ」(単行本1巻)

 しかし現実は残酷なもので、真人が虎杖を誘導するために順平を殺したように、そして虎杖に宿儺が受肉したことで八十八橋の呪殺が始まってしまったように、今後も虎杖は自身の存在が故に起こった他人の死を目の当たりにしなければならないだろう。後悔もたくさんするだろうし、もしかしたらあの時”今すぐ死ぬ”を選んだ方が良かったのではないかと思う日も来るかもしれない

 また周りの人間も、私情で虎杖を助けたり守ったことによって、怪我をしたり亡くなる仲間が出てくるかもしれない。大切な人を傷つけることになるかもしれない。周りの人間を巻き込んでしまうかもしれない。

 上記のようなことが起こった時、虎杖や私情を基に動いた仲間達は巡り巡る地獄のような因果を受け入れて乗り越えられるのだろうか。正直、台詞を読み返したりアニメを見返したり、こうやって文字に起こしていくととても辛い…。そんな事が起きてほしくないのだが、あり得そうで怖い。下々先生、ほんと頼みます…!!!

虎杖「”宿儺を喰う”それは俺にしかできないんだって」

虎杖「死刑から逃げられたとしてこの使命からも逃げたらさ、飯食って風呂入って漫画読んで、ふと気持ちが途切れた時”あぁ今宿儺のせいで人が死んでるかもな”って凹んで”俺には関係ねぇ”、”俺のせいじゃねぇ”って自分に言い聞かせるのか?

虎杖「そんなのゴメンだね、自分が死ぬ時のことは分からんけど、生き様で後悔はしたくない」(単行本1巻)

恵 「虎杖に共振の話はするな」

釘崎「……それって確定なの?」

恵 「ほぼな、終わった案件だ。気づくとすれば俺達か新田さんくらいだと思う」

恵 「虎杖…宿儺の受肉はキッカケにすぎない。八十八橋の呪殺はいつ始まってもおかしくなかった。そもそも指を飲み込んだのは俺を助けるためだ。でもアイツはそれで納得しないだろ。だから言うな

釘崎「……言わねぇよ。レディの気遣いナメんな」

宿儺「オマエのせいだ。オマエが俺を取り込んだ、目覚めたんだよ切り分けた俺の魂達が。大勢の人間を助けるか」

宿儺「小僧!!オマエがいるから!!人が死ぬんだよ!!

虎杖「おい、それ伏黒に言うなよ

(恵「自分が助けた人間が将来人を殺したらどうする」)

虎杖「言うなよ」(単行本8巻)

各主人公に思うこと:五条

 五条は御三家の出で、中でも五条家にて六眼と無下限呪術を有する超エリート呪術師だ。きっと幼少期の頃から呪術界の色んな側面を見聞きし時に身をもって経験してきただろうし、また高専時代には同級生の夏油、家入と共に過ごし、護衛任務での天内や黒井の死、己の能力の覚醒や成長、灰原の殉職、夏油との離別等々様々な事柄を経て教職を目指したと想像できる。そんな五条には今、頼もしい生徒が付いてきてくれている。彼の目指す呪術界の実現に少しずつ近づいて行っているのではないだろうか。

 腐ったミカンがどれほどの腐り加減なのかまだ現時点では出きっていないと思うが、ただでさえ身内の呪術界が魔窟なのだ。こーんな状況で、外から特級呪霊たちが攻めてきて呪術師vs呪いの大戦闘が起きたら内部のごちゃごちゃも絡んできそうである。きっぱり呪術師同士で連携できたらスムーズだろうが、腐ったミカンがごろごろ存在してはそんなわけにはいかなさそうだ。五条が変革を願う呪術界はなかなかの強敵のような気がしてならない。(特に禪院家や加茂家にはきな臭さしか感じない。)

五条「教師なんて柄じゃない。そんな僕がなんで高専で教鞭をとっているか。聞いて」

伊地知「なんでですか…?」

五条「夢があるんだ

五条「悠二のことでも分かる通り、上層部は呪術界の魔窟。保身馬鹿・世襲馬鹿・高慢馬鹿・ただの馬鹿。腐ったミカンのバーゲンセール。そんなクソ呪術界をリセットする。」

五条「上の連中を皆殺しにするのは簡単だ。でもそれだけじゃ首がすげ替わるだけで変革は起きない。そんなやり方じゃ誰も付いてこないしねだから僕は教育を選んだんだ。強く聡い仲間を育てることを。」

五条「皆優秀だよ。特に三年秤、二年乙骨。彼らは僕に並ぶ術師になる。」

五条「(悠二もその一人だった…!!)」(単行本2巻)

 また、五条の最強という立場と教師という立場を踏まえると、あるべき論で言えば五条の守るべき対象は”自分以外の人類”になる。非術師、生徒、頼りにしている術師等々…五条のポジションは背負うものが多すぎる。だからこそ、「俺が救えるのは他人に救われる準備がある奴だけだ」という台詞もあったのかもしれないが…なんだか孤独である。(「僕性格悪いんだよね」なんて言っていたが、逆に癖が強い性格でないと(夜蛾学長風に言えば”イカレてないと”)こんな重役務まらないのだろう。)

五条「先生、俺強いよね?」

夜蛾「あぁ、生意気にもな」

五条「でも俺だけ強くても駄目らしいよ

五条「俺が救えるのは他人に救われる準備がある奴だけだ」(単行本9巻)

五条「オッケー後は任せなさい。でも恵君には多少無理してもらうかも。頑張ってね」

五条「強くなってよ、僕に置いていかれないくらい」(単行本9巻)

 1期時点の五条はあまり自身について語ることもなかったし、それゆえのガチの最強感というか…「なんかよく分からんけど強いし、最後は五条先生がなんとかしてくれるでしょ」感があったが、呪術廻戦0や懐玉・玉折編を見せられるとなんだかこう…五条の人間性に触れてしまったが故の嫌なフラグも感じてしまう。いやでも最強だし、あの対甚爾戦で覚醒し文字通りピンチをチャンスに変えてしまった男なのでそうそうのことではダメージは食らわないと思う…が…、その五条をよく研究して対策を立ててきている敵や、五条以外誰が相手するのというレベルの呪いの王もいるので、彼も一筋縄では行かぬだろう。厄介な敵が同時に色んな嫌な攻め方をしてきて、カオスになる可能性も十分あり得る。五条もずっと無事でいられるかの保障なんてないのである

 さらに夏油が渋谷事変で五条の封印を図っていて、あの手この手でどうにか獄門疆に五条を封じ込めようと画策するであろう。策士な夏油のことなので、作戦は綿密に企てていることであろうし、本当にいや~なタイミングで挑んでくるに違いない。そして恐らく…五条は夏油の作戦通り獄門疆で封印されると思われる。今までの雰囲気的に達成されそうだなというのもあるが、術師と呪霊サイドで比較すると、術師が余りにも不利だからというのも大きい。まず、呪師側はそもそもこの作戦について気づいていない事、渋谷で作戦が決行されても術師たちは一般人を守りながら戦わねばならない事、更に五条は自分以外の者を助ける義務がある事(最強&教師であるが故)等々がある。一方、呪霊側は一般人も巻き込む勢いで、更に自分の仲間を犠牲にしてでもこの作戦を遂行する覚悟がある事、高専側の情報を持っている(夏油&内通者)等、五条や宿儺がいるというリスクを差し置いても既にかなり優位な状況と言える。

 また、これは予想が確信に変わった時の話なのだが…、先日呪術廻戦展に行ったときに最後の五条先生のブースにちょこんと獄門疆が置いてあったのである。これはもう…そういう事でしょう。五条の封印がなされる時、夏油達がどういう時を然るべき時としていて、どういう場所を然るべき場所としているのか…またどのようにアドバンテージを確立してくるのか、注目して見ていきたい。いや~~…考えるだけでも怖いな…。

夏油「これで分かったと思うけど、五条悟は然るべき時、然るべき場所。こちらのアドバンテージを確立した上で封印に臨む。決行は10月31日渋谷。詳細は追って連絡するよ」(単行本2巻)

 呪術師の教師をやっているのだから、生徒が傷つく姿やそれ以上のことも経験したorするだろう。もっと凄惨な現場の場合、五条の選択次第で誰かは救えるけど誰かは救えないという事もあり得るだろう。そんな事が起きてほしくないが、”誰を助けるべき”かという苦しい選択をせざるを得ない時もくるかもしれない。先に述べた封印の件でも、五条の隙を作るため犠牲になってしまう人も出てくるかもしれないし、五条が封印された後に残された者たちが無事でいられるのかも分からない。五条が最強であるが故に起こる、この不穏な空気…地獄の臭いしかしないが、果たしてどうなるんだろうか。生徒を可愛がっているからこそ、今後の展開が怖くて仕方がない

五条「若人から青春を取り上げるなんて許されていないんだよ。何人たりともね」(単行本0巻)

 これまでのストーリーを踏まえると、気になるのは夏油の事である。夏油についての詳細は後述するが、現在(アニメ1期時間軸)五条は夏油は亡き人と認識しているであろう。明確な表現や言葉はないが、0巻で五条は夏油に「何か言い残すことはあるか」と問いかけていたし、夏油も「最期くらい呪いの言葉を吐けよ」という台詞を残しており、その後”バシュ”という効果音のみ記載されている。恐らくこの会話で五条と夏油二人ともが夏油の死を覚悟し、認めたと思われる。…が、現在夏油は呪霊たちと手を組み、宿儺の復活と五条の封印を目指して秘密裏に活動している。渋谷事変は五条の封印を目的としたイベントであるが、筆者の予想では夏油は狙ったタイミングで五条の目の前に姿を現すのではないだろうかと考えている。五条にとっての夏油がいかに重要な人物か一番理解しているのが夏油のはずなので、それを利用してくるに違いない。ここで気になるのは、五条がどんな反応を示すか…である。個人的にアニメ1期の夏油≠五条の親友の夏油と考えているので(この点も後述する)、多分見た瞬間すぐ違う人物と気がつくのでは?と思っている。この辺の、五条と夏油の物語も今後注目していきたいところである。

 こんな事考えるのは心底嫌だが、やっぱり色んな意味で五条先生大丈夫かなと心配になっている。特に対宿儺戦(指全部取り込み済)が起きたとして、五条はその場合「ちょっとしんどい」とは言いつつ「勝つさ」と言っている。この勝つさは、何となく「(死んでも)勝つさ」な気がしている。五条は今まで乙骨や虎杖といった生徒を、上に無理を通して預かっている。それを可能にしたのは五条が最強であることや、何かあった際は責任を取って対処するという覚悟が彼自身にあり、またそれができると信用されているからこそである。虎杖に宿る宿儺に対しても、五条は自身が命懸けで何とかすると決心していることだろう。

乙骨「あっ 学生証、先生が拾ってくれてたんだ」

五条「いや僕じゃない。僕の親友だよ、たった一人のね」(単行本0巻)

虎杖「先生とどっちが強い?」

五条「うーんそうだね、力を全て取り戻した宿儺ならちょっとしんどいかな

虎杖「負けちゃう?」

五条「勝つさ」(単行本1巻)

五条「(前略)でも呪術師はあくまで個人競技

恵 「他の術師との連携は大事でしょ」

五条「まぁね、でも周りに味方が何人いようと死ぬときは独りだよ

五条「君の奥の手のせいかな。最悪自分が死ねば全て解決できると思ってる。それじゃ僕どころか七海にもなれないよ」

五条「”死んで勝つ”と”死んでも勝つ”は全然違うよ、恵。本気でやれもっと欲張れ」(単行本7巻)

各主人公に思うこと:乙骨

 乙骨については正直、0巻の情報しかないと言っていいほど現状出番がないし、0巻で乙骨の物語は”一旦”完結しているので予想も何も…という状態であるが、乙骨の能力や今何をしているのか、そして今後どこで登場してくるのかは興味深い。

 乙骨の詳細な能力はずっと明かされていなく、この前の閑話前編でチラッと「術式をコピー」というワードだけが放たれた状態である。先日も感想に書いたが(リンク)、乙骨の術式が他人の術式のコピーであるとすればその能力の詳細が気になるし、どんな戦い方をするのか大変楽しみである。コピー能力と言えばチート能力であるのが常だが、条件や縛り、敵味方関係なくコピーできるのか等々の細かい設定が公開されるのが待ち遠しい。

 また五条との遠い親戚であることや、里香に呪いをかけて特級過呪怨霊にさせてしまったり、反転術式や術式コピーの能力を有すること等、乙骨の呪術師としての強さも気になるところ。五条にも「僕に並ぶ術師になる」と言われる程の存在なので、やはりどんな戦い方をするのか早く知りたくて仕方がない。

 とはいっても、今後どこで登場するか検討もつかない。現状、ミゲルと海外にいること&五条が二人に接触したことは明らかになっているが…、もしかして渋谷事変で登場したり…?もうちょっと先かしら。そもそも何の目的で海外出張しているのかも知りたい。もう知りたいことだらけである。

乙骨「里香ちゃんが僕に呪いをかけたんじゃなくて、僕が里香ちゃんに呪いをかけたのかもしれません

五条「これは持論だけどね、愛ほど歪んだ呪いはないよ」(単行本0巻)

五条「憂太が正しかった。里香が君に呪いをかけたんじゃない。君が里香に呪いをかけたんだ。」(単行本0巻)

■1年ズを始めとした生徒やその他キャラの今後

 以前もまとめたが、懐玉・玉折を見て更に不安になってきた。芥見下々先生はキャラクターを容赦なく地獄に突き落としてくるんだなというのが今回のエピソードでよ~~~く分かったし、それによって日常ほのぼのシーンは”危ない”と刷り込まれている。特に我々にとって癒しである1年ズはその標的にされる可能性があるので、構えだけは取っておきたい。怖いので。

 第一に、1年ズだけでなく五条の受け持ちの生徒は警戒して見守っていった方がいいと思う。何故なら、生徒思いの最強五条先生の(言い方は悪いが)弱点にもなりうるからだ。懐玉・玉折まで見終えると、五条に対してめちゃくちゃ応援したい気持ちに溢れるし、可愛い生徒に囲まれてよかったな~幸せになってくれと思うのだが、逆にそれがフラグになる可能性がある。下々先生だったらやりかねない。五条は強く聡い仲間を育てるために教師をやっているが、その生徒が立ち向かうのは命の危険を伴う事象であり、生徒が傷つく可能性なんで大いにあるからだ。もちろん、五条もその辺はしっかり覚悟した上で教職に就いていると思う(自身の経験から理解できるだろうし、小説にもそういった記載があった)。ただ、今のところ怪我を負う生徒はいても殉職してしまった生徒はいないので、もし誰かが…なんて思うとあり得そうで怖い。

 まずは1年ズをメインに考えていこうと思う。虎杖は先にも述べたように、高専に入学する時点で「宿儺の指を取り取り込み、宿儺と共に死ぬ」ことが条件で生かされている存在であるので、そもそも先行きが真っ暗である(五条に何か案があるのかもしれないが)。また恵は真面目で自己犠牲精神の強い性格という事や、背負っている物が大きそうである事、奥の手の存在宿儺に興味を持たれている存在である事(=悪い方に利用される可能性大 ※詳しくは後述する)術師最強の五条と特に親交が深い事(=五条関連で巻き込まれる可能性が大)という要素で今後が不安である。釘崎は、どうも沙織ちゃんの存在が怪しい気がするのと、虎杖の大事な同級生である点で呪霊側(特に真人)に狙われる立場になりやすそうである。

 他に個人的に心配なのは、真希&真依、棘先輩、メカ丸、七海、東堂、五条である。真希&真依は、特に真依が心配だ。第17話にて開示された真依の術式や、真希に対するコンプレックスや思い等からなんかこの姉妹に嫌なフラグを感じる。棘先輩も仲間思いで自分が多少しんどくても前に立つような性格のようなので、そういった部分を逆手に取られぬか心配。メカ丸は第16話での「いつかみんなと一緒…」にという台詞や、OPで影がかかっていることから嫌な空気を感じる。七海は1期時点で真人に後2、3回タッチされたら終わる状況であることと、めちゃくちゃ良いキャラすぎてなんか芥見先生に消されそうで怖い。回想もした上で、悔いはないとまで言い切っていたのでそれも相まって余計に心配だ。東堂も術式が強すぎてという点で、退場させられないか心配。こういうキャラは大丈夫そうだよな~みたいに安心しているところを刺してきそう。(芥見先生をすごく疑っている。)五条は先ほど述べたように、宿儺と戦闘することになった場合は命懸けで戦わねばならぬと思うのでそこが心配である。

内通者は誰か

 現在、五条&歌姫間では呪霊たちの活動を支える情報源として内通者の存在が疑われており、実際1年ズの八十八橋任務の最後にメールで夏油に情報提供した者がいることが分かっている。以前は、五条の発言から内通者は学生なのかも?でもミスリードかも?なんて考えていたが、シンプルに冥冥が最も内通者向きでは…?と思い直した。内通者が1人とは限らないが、一番怪しいのは冥冥かと。何故なら、彼女はカラスを使役していてカラスの視覚情報を得ることができること・誰の味方でもなくお金で動く人 だからだ。本当にお金で動く人っぽいので、お金さえくれれば誰にでも協力するのではなかろうか。学生にいるのだとしたら、京都校の子が怪しいかなというのは以前の通りでそこは変わっていない。

九十九由基がどう関わるか

 九十九は1期の第20話、2期の29話で登場した特級術師である。現状、夏油と東堂に接触した程度の人物で、まだ謎は深い。東堂には小3の彼に声をかけたということだけが描かれており、九十九きっかけで東堂は呪術師の道を志したと思われる。一方、夏油へは高専時代に接触した。この頃の夏油は、ずっと正しいと思っていた「術師は非術師を守るために存在する」という呪術師のあるべき姿に疑問を抱いていて、思い悩んでいる時だった。九十九は夏油と理想の世界、そして実現方法について言葉を交わし、特に「全人類が術師になれば呪いは生まれない」「(非術師を皆殺しにすること)それは”アリ”だ」「どちらを本音にするのかは君がこれから選択するんだよ」という言葉が夏油に大きな影響を与えてしまった。堕ちるという方向に夏油の背中を押してしまったのである

 夏油に接触したことに関して気になる点がある。①夏油に接触した理由、②夏油にかけた言葉の意図の2点である。①は全く不明。高専関係者でもなさそうで&普段は海外をプラプラしているらしいので、何等かの目的があって夏油に会いに来たのだろうということは可能性としては大きいのではないだろうか。②については①にもよるが、一旦良いor悪い意味で接触した場合で分けて考えてみようと思う。前者の良い意味で…の場合、「たまたま高専に来たら夏油がいたので偶然会話した」「単に夏油という個人に興味があったため」「自身の目指す原因療法の協力者を募るため」「夏油のメンタルケアの依頼を受けたため」等が考えられる。悪い意味の場合、「非術師の末梢を志すように誘導するため」「自身の目的のために夏油を利用するため」等があるだろうか…。

 まぁ正直、良い意味で接触した場合でも、「じゃあ、非術師を皆殺しにすればいいじゃないですか」と夏油が言った時点でもっと夏油の心に寄り添って話を聞いてあげてから言葉をかけるべきだったと思うので、悪意がないとしたら九十九は他人の機微にかな~り疎いタイプと言える。夏油が何に悩んで苦しんでいるのか分かっていたら、別れ際に「星漿体のことは気にしなくていい。あの時もう1人の星漿体がいたか、既に新しい星漿体が産まれたのか、どちらにせよ天元は安定しているよ」なんて言葉は出ないはずだ。(これ結構酷い言葉である。)悪意があるとしたら、まぁ~~上手いこと夏油を闇堕ちさせたなという感じである。九十九と接触した後に、夏油の選択を迫るように辛酸なイベントが立て続けに起きているのも気になる。偶然かもしれないし、偶然だとしても夏油が不憫でならないが、何か意図的なものがなかったのかという点で少し引っ掛かる。

 灰原が「大丈夫ですよ。悪い人じゃないです。人を見る目には自信があります」と言っていたので、悪い人じゃないと思いたいが、懐いていた夏油が後に離反したとなると何だか雲行き怪しいような。ここでごちゃごちゃ考えても仕方がないが、どちらにせよ、今後もストーリーに絡んでくる重要人物であるに違いないだろう。

不安要素のまとめ:概要

 1期の時間軸で、明確に「これから悪いことしちゃおっかな~」と企んでいる敵は大きく3者。そしてどれをとっても厄介極まりない。今後起こる渋谷事変やその先のエピソードでふいに衝撃的な展開が来てうっかり精神ダメージを負うのを極力避けるために、ちょっと状況を整理して構えておこうと思う。

1)不安要素のまとめ:呪霊組

呪霊組をまとめると下記のようになる。

・実現したい事:呪霊が真の人間として存在する世界(最悪自分たちが全滅しても呪いの時代さえくればOK)

・目標:呪術師に勝つこと

・課題:宿儺の復活、五条の封印

・仲間:真人、漏瑚、花御、赤い呪霊

・協力者:夏油(&おかっぱの子?)、その他呪詛師

・真人

 真人は産まれたばかりの呪霊で、自分の成長を楽しんでいるかなりの強敵だ。明言されてなかった気がするが、恐らく特級呪霊であろう。そして現状、虎杖を傷つけることに執着しているため、今後間違いなく虎杖を追い詰めるようなことをしてくるはず。特に慕っている七海や、同級生を始めとした仲間を狙って精神攻撃をしかけてきそうである。触られたり、領域展開されたら終わるので、五条(触れない&真人より強いはずなので領域展開されても上書きできる)や虎杖(宿儺がいるので領域展開は難しそう)、メカ丸(本体の所在が不明なのである程度凌げそう)ら以外にとってはかな~り分が悪い厄介な敵だ。

真人「あれが呪いの王、両面宿儺。現時点では漏瑚より呪力の総量では劣るはず。なのにあの存在感。魂の格が違う」

真人「これは確信だ。俺達が全滅しても宿儺さえ復活すれば呪いの時代がくる

真人「……しかし参ったな、俺は今どうしようもなく、虎杖悠二を殺したい

真人「肉体と違って魂は何度でも殺せる。次はどう殺してやろうかな」(単行本4巻)

・漏瑚

 漏瑚も人間にとって相性の悪い呪霊で、第7話を見ても分かる通り物凄い火力も高いし範囲攻撃もお手の物と見える。今のところ対応するのに適任する者が五条とメカ丸くらいしか思いつかない。虎杖くんが覚醒して、甚爾のように身体能力オバケになったら彼も戦えるかもしれないが、何せ火だし…燃やされたら終わりである人で溢れる渋谷であんな噴火みたいなのをされたらほんと無理である。ぜひ、人気のない第7話くらいの環境で五条先生に祓って頂きたいが…恐らく難しいだろう。被害が少なくなることを祈るしかない。

真人「漏瑚、宿儺に触れて分かったけどとりあえず夏油のプランを軸に進めていいと思う。宿儺にはそれだけの価値がある

漏瑚「指を全て集め、宿儺に献上する……か、結果儂らが全滅してもだな

漏瑚「いいだろう、100年後の荒野で笑うのは儂である必要はない。呪いが人として立っていればそれでいい」(単行本4巻)

・花御

 花御がどう渋谷事変で関わってくるのかは想像もできないが、植物等の自然が少ない渋谷では本領発揮はできなさそうである。恐らく領域展開まではできないのではなかろうか…。ただ注意したいのは、花御は交流会での東堂&虎杖との戦いで、戦闘自体に愉悦を感じるようになってきている事や、あの五条先生に「気配を消すのが上手いな。火山頭よりもよっぽど不気味だ」と言わせるほどの要注意人物だということ。特に花御は漏瑚のようにすぐ熱くなることもなく、冷静に振る舞う節があるのでこういう点でも厄介そうである。特に下記の台詞なんかはゾッとした。渋谷事変以降でこの情を狙った行動をする可能性もあるだろう。

花御「術師というのは殊の外情に厚いのですね、仲間が傷つく度隙が生じる」(単行本6巻)

・赤い呪霊

 一見無害そうに見える、海にぷかぷか浮いている呪霊。全然分からないがめちゃくちゃヤバい呪霊かもしれないので、用心に越したことはない。1期のキャラ紹介にも「水の呪霊」以外何も書いてなくて怖いが、真人の台詞からすると、この呪霊は海を恐れる気持ちから産まれた呪霊であると想像できる。水で閉じ込める系だろうか...これまた範囲も大きそうだし、とても厄介そうである。そういえば、海と言えば…夏油達の集まるビーチはもしかしたらこの赤い呪霊の術なのかもしれない。

真人「大地を森を海を、人は恐れ続けてきた

真人「それらに向けられた呪力は大き過ぎるが故に形を得る前に知恵を付けて今まで息を潜めていたんだ。皆誇らしい俺の仲間さ

順平「真人さんはなんの呪いなんですか?」

真人「人間。俺は人が人を憎み恐れた腹から産まれた呪いだよ」(単行本3巻)

2)不安要素のまとめ:夏油傑

夏油傑(アニメ1期に登場の、頭に縫い目がある夏油)については下記のように整理した。

・正体:不明瞭 

・実現したい事:不明(キャラ紹介には、” 「呪術師の楽園実現」を標榜”とあるが…)

・現状:呪霊組に協力し、宿儺の復活と五条の封印を目指している

・特徴:頭に縫い目、非常に策士的、呪いを卑下する節がある

 夏油は未だ謎の多い人物だ。高専関係者に自身の存在が漏れないように細心の注意を払いつつ、呪霊組に知恵を貸している。自身が切り札でもあるという認識もあると言える。夏油の目的は不明だが、自身の目的のために手段は選ばなさそうだし、呪霊組に提言した2つの条件も夏油の目的達成のために叶えておきたい事である可能性も濃厚だ。

 先にも述べたが、高専関係者に頑なに存在を察知されないようにしているという部分で、夏油自身の存在もまた重要な切り札である可能性が高い。狙いはなんだろうか?筆者は今のところ、五条を戦闘不能にする切り札の内の1つなのではと考える。呪術師最強である五条を抑制しなければ、夏油たちの立場も危うくなる。京都姉妹校交流会の時の帳(五条のみを拒む結界)も五条対策の予行練習と受け取れる。(最後は五条が破壊していたが…)そんな中、対五条に際して、夏油ほど五条の動揺を誘う存在はいない。自身をどう活用するのかはまだ分からないが、恐らく夏油はあるタイミングで五条に接触すると思われる。五条先生大丈夫かしら。

 また、正体不明瞭と書いたが、筆者としてはこの1期の夏油がどうも夏油本人とは思えない。理由は下記で、違和感と気になるとある台詞から怪しいなと感じている。

・違和感

 呪術廻戦0での五条と夏油のあの最期のやり取りを経て、仮に生き返ったとしても百鬼夜行と同じようなことをするだろうか…?親友の五条を封印をするなんてことを企てるだろうか?夏油が非術師を末梢するために親友すら利用するようになってしまったならばあり得そうだが、0や懐玉・玉折の夏油を知るとそこまで堕ちないと思った。どうもおかしい気がする。

・夏油の死後何かが起きた可能性を感じさせる台詞

硝子「脳と呪力の関係はまだまだブラックボックス」(単行本3巻)

楽巌寺「先の虎杖の死は、自死だと聞いておる。敵対術師に止めを刺す時、気を付けねばならんことは?加茂。」

加茂「はい、死後呪いに転ずることを防ぐために呪力で殺します。」

楽巌寺「そうだ。他者の呪力でしっかりトドメを刺せば何の問題もない。」

楽巌寺「現在肉体の主導権は虎杖悠二にある。宿儺が出てこなければただの一回生だ。」(単行本4巻)

甚爾「式神使いなら殺したが、呪霊操術となるとな。オマエの死後、取り込んだ呪霊がどうなるか分からん。ここで面倒事は避けたい」(単行本9巻)

 ここで初心に帰って夏油のキャラ紹介を見てみる。1期の夏油は「呪術師だけの楽園を〜」と書いてある。これを見ると1期の夏油も「呪術師の楽園実現」を標榜しているように読める。こう見ると同一人物である可能性も捨てづらくなってくる。仮に偽物の夏油だとした場合、キャラ紹介をどう書くのかと思うとこういう書き方もあるだろうが、「謎の呪詛師。呪霊と結託し、密かに活動している。」くらいでもいい気がする。わざわざ「呪術師の楽園〜」と書いてあるのが引っ掛かる。

1期:「呪術師の楽園実現」を標榜し、かつて百人以上の一般人を呪殺した最悪の呪詛師。雌伏の時を経て、呪霊と結託し、密かに活動を再開している。

2期:東京都立呪術高等専門学校二年 降伏した呪霊を取り込み自在に操る“呪霊操術”の使い手。 後に最悪の呪詛師と呼ばれる男。 礼節を重んじ、非術師の救済を信条とする。 同級生の五条とは対立することも多いが、 互いに認め合っている関係。

劇場版:非術師を殲滅し呪術師だけの楽園を標榜する最悪の呪詛師。 4人の特級の一人であり、かつて一般人を大量虐殺し呪術高専を追放された。 呪霊たちによる大規模虐殺「百鬼夜行」を画策する。

 また、呪霊組に手を貸す一方で呪いを卑下するような発言もある。ここも若干引っ掛かる。

夏油「助けたいなら助ければいいさ、呪霊にそんな情があるかは知らないけどね

夏油「よく言うよ呪霊の分際で」(単行本2巻)

 ここまで来ると、本物じゃないようなそうでもないような…訳が分からなくなってくる。もういっそ、虎杖くんのように2つの魂が夏油の肉体に存在してるというのならどうだろう?それだったら夏油は夏油本人でもあるし、別人のような違和感にも説明がつく。虎杖くんで言うところの宿儺が肉体の主導権を握っている状態(タトゥーが出る状態)が1期の夏油だとしたら、本人じゃないようなでも本人のような…という引っ掛かりも解決する。

 つまり、夏油が0巻時点で完全な死に至らず瀕死状態になる→何らかの呪いが夏油を蘇生し肉体の主導権を握る というような事が起きた可能性があるということになる。でもそう思うと夏油本人の魂が報われなさすぎる.....。これはこれで地獄。

 頭に縫い目があるので、何か頭に細工をされた可能性もある。ただ夏油の経験や知識は共有されているっぽいので、脳を丸っと交換した訳ではなさそう。何されたのだろう...。それか五条が夏油を始末した時に頭部を狙っていたとして、その際にできた傷を繋げただけという可能性もある。縫い目といえば真人もつぎはぎなので、関連があるのだろうか。同一人物からの手当てを受けたとか?ただのデザインかもしれないが…。まぁ何にせよ、恐らく今の夏油は本人ではないと言うのが筆者の予想である。

 この予想を正とすると、気になるのは五条である。たった一人の親友を自身で手にかけ、その後その姿形を利用して(ここは筆者の推測)自身の目の前に現れたら…。恵が虎杖と宿儺を見分けることができたように、五条はきっと難なく気が付くだろう。対面したらどうなるのだろうか…「ハ?」という言葉も出ないかもしれない。ブチ切れなのでは。夏油のあの胡散臭い策士っぷりからすると、これを仕掛けてくるタイミングも物凄く嫌なタイミングなのだろう。まじで五条先生頑張って

 また、夏油は宿儺については「高専関係者に宿儺にとっての地雷がいる。虎杖&宿儺を刺激するタイミングは、より混乱が求められるときまでに残しておきたい」と述べている。この台詞から、恵が宿儺を刺激するトリガーとなる。この時点では夏油が恵のことを地雷と認識していなさそうだが、今後何等かの手を使って恵がその存在と気づく可能性もなくはない。混乱が求められるときというのはどのタイミングであろうか。話の流れからすると、五条を戦闘不能にするという第一条件を叶えるための要素とするのが妥当だろう。五条封印のために恵が利用されないことを祈りたい。

夏油「宿儺の動きがさ、少し私のイメージとズレる。これは推測でしかないんだけど、恐らく学生の中に宿儺にとっての地雷がいる。それを踏めば最悪今回の行動全てが台無しになる

漏瑚「先に虎杖だけ攫ってしまえばいいだろう、どの道使う駒だ」

夏油「いや虎杖…宿儺自身もまた爆弾だ。私達にとっても高専にとってもね。刺激するタイミングはより混乱が求められる時にしたい

夏油「10月31日渋谷、五条悟の封印のために利用できるものは温存する」(単行本7巻)

 また、第2条件の「両面宿儺 虎杖悠二を仲間に引き込む」はどうやって達成するのだろうか。渋谷事変ではとりあえず五条の封印に集中するようなので、虎杖&宿儺は混乱が求められる時に刺激するくらいであろうか。その後仲間に引き込むとしても、虎杖や宿儺に真っ正面から「仲間になってください」なんて言ってもついてくる訳がないだろうし、かと言って変に言葉巧みに誘導するのも現実的ではなさそうである。となると、考えられるのは“縛り”だろうか?現状虎杖と宿儺の間には、他者間の縛りとして「虎杖の心臓を治して生き返らせる代わりに、宿儺が“契闊”と唱えたら1分間身体を明け渡すこと・この約束を忘れること」という契約が結ばれている。このように他者間での縛りも不可能ではないだろうし、他者が介入することもできるだろう。はたまた虎杖や宿儺自身が自主的に縛りを科す状況を作り出すということも考えられる。宿儺が他人と協力関係をほいほい結ぶような感じには見えないが、自身の目的のために虎杖に縛りを科したり恵の成長を見守ったりはしているので、利害一致さえすれば呪霊組に協力をするかもしれない。呪霊組も宿儺さえ生き残って呪いの時代が来ればいいと言ってるので、宿儺にとってもそんなに悪い話でもないし。

夏油「いや縛りはあくまで自分が自分に科すものだ。他者の介入や他者間との縛りは簡単ではないよ」

 あとは、まだ名前も公開されていないキャラクターとの関係性も気になるところだ。夏油や呪霊側にはまだ分からないことが多くて楽しみな反面、あまり活躍はしてほしくないという、何とも言えない気持ちになる。

鞣造「ハンガーラックを作りたかったんだ。それをあの坊主、名前は知らねぇ。男か女かも分かんねぇ白髪オカッパのガキだ」(単行本7巻)                                    

3)不安要素のまとめ:両面宿儺

呪いの王である宿儺は作中一番の強敵であろう。そんな宿儺については下記のようにまとめてみた。

・興味:人間を鏖殺すること、伏黒恵

・不快:真人

・仲間:不明(今のところ単独行動っぽい)

・特徴:自分の興味対象以外は無関心

・その他:力を取り戻したら五条を狙う?

 宿儺は1巻から登場する超重要人物ではあるが、台詞も少ないので彼もまた未だ謎が多いキャラクターである。ただ、台詞が少ないからこそ一つ一つが重要な情報とも言えるので、なるべくポイントになるものを拾い上げてみた。まずは、彼の興味関心であるが、人間を皆殺しにすることと伏黒恵の2つが今楽しみにしていることであることが分かる。ちょっと笑ってしまうくらい恵に執着しており、彼の成長を見守っているので宿儺Pなんて呼ばれているのを見たことがあるが、恐らく宿儺が何か行動を起こした時にはこんな茶化してる場合ではないだろう。多分めっちゃやばいことが起きそう。

宿儺「呪霊の肉などつまらん!人は!女はどこだ!!」

宿儺「いい時代になったのだな。女も子供も蛆のように湧いている。素晴らしい。鏖殺だ」(単行本1巻)

ナレーション「天上天下唯我独尊。己の快・不快のみが生きる指針。両面宿儺、彼にとって七海が死のうと真人が死のうとどうでもいい。唯一の後期はただ一人。(恵の絵が背景)それ以外は心底どうでもいい」(単行本4巻)

 宿儺は割と人を見る目があって、初対面の五条に「なんだ貴様が頭ではないのか。力以外の序列はつまらんな」(単行本1巻)と五条の実力を認めた発言もしている。そんな宿儺が目をつけた恵もまた、今後どんどん成長していく存在であると言える。ただ宿儺は呪いの王であり、鏖殺を目的としている。そんな宿儺は、自分のやりたいことを思う存分に実施するための下準備をしていると思われる。つまり、宿儺は恵を利用して鏖殺ないしは、それを叶えるための行動を起こすと予想できる。特に今、宿儺は虎杖との縛りがある以上、肉体の主導権を得ても鏖殺ができない。宿儺の立場になって考えると、まずは自由に動ける器を新たに見つけて乗り換えたいと思うであろう

宿儺「オマエの式神影を媒体にしているのか。フム、分からんな。(呪符を使うありきたりな術式ではない。応用も利く。)オマエあの時何故逃げた。宝の持ち腐れだな。」(単行本2巻)

宿儺「(恵が領域展開をして特級呪霊に勝った後)いい。それでいい」(単行本7巻)

 具体的にどうやって恵を利用するのかはまだ分からないが、今の段階ではまだ不可能というのは分かる。ある程度恵が宿儺の望む方向に呪術師として成熟した暁に、何かしらのアクションを起こしてくるだろう。そこで気になってくるのは、「契闊」と「影」の2点である。虎杖に縛りを提示した際に「近い内面白いモノが見れるぞ」と言いながら恵を思い浮かべているので、「契闊」と唱えるのは恵関連の用事がある時と思われる。そしてこれは筆者の単純な勘だが、器として影を活用するのではなかろうか?つまり、「契闊」と唱えて虎杖の肉体の主導権を得た時、“誰も殺さず傷つけずに”恵の術式で生まれた影に乗り移り、宿儺は虎杖から解放されて晴れて自由の身という訳だ。

宿儺「オマエが条件を呑めば、心臓を治し生き返らせてやる

宿儺「事情が変わったのだ。近い内面白いモノが見れるぞ(恵の絵が背景)」

宿儺「条件は2つ。①俺が“契闊”と唱えたら1分間体を明け渡すこと、そして②この約束を忘れること

宿儺「ならばその1分間誰も殺さんし傷つけんと約束しよう。これでいいだろう」(単行本2巻)

 仮に影を利用された場合、心配なのは恵だ。恵由来の影であればある種、式神のような形になるはずなので、宿儺を狙うor術師本人を狙うしか宿儺を抑える方法がなさそうだ。こうなったら恵は間違いなく奥の手を使うだろうし、なんだかこう…他にも色々起こりそうで恵が危ない目に合わないか心配である。実行するかは分からないが、真っ先に五条に借りを返しに行く可能性もあるので、五条・恵・宿儺の歪な三角関係で何かしら嫌な事象が起きそうで非常に不安である。五条にとって恵は10年以上の付き合いで、恐らく最初の弟子&生徒だろうからそういった意味で芥見先生が我々が苦しむ展開を作ってこないか…それも心配だ…。嫌だな。

 ただ、宿儺は呪術廻戦にとって超重要キャラなので直ぐには何かやってくるとは思えず、タイミングが来るまでじっと待っているだろう。そういう意味で、宿儺のお気に入りの恵は物語の中盤~終盤までは無事でいるだろうと思う。早い段階で不幸なイベントは起きなさそう…と思う。

宿儺「貴様には借りがあるからな。小僧の体モノにしたら真っ先に殺してやる」(単行本1巻)

虎杖「先生とどっちが強い?」

五条「うーんそうだね、力を全て取り戻した宿儺ならちょっとしんどいかな

虎杖「負けちゃう?」

五条「勝つさ」(単行本1巻)

五条「(前略)でも呪術師はあくまで個人競技

恵 「他の術師との連携は大事でしょ」

五条「まぁね、でも周りに味方が何人いようと死ぬときは独りだよ

五条「君の奥の手のせいかな。最悪自分が死ねば全て解決できると思ってる。それじゃ僕どころか七海にもなれないよ」

五条「”死んで勝つ”と”死んでも勝つ”は全然違うよ、恵。本気でやれもっと欲張れ」(単行本7巻)

 

 といった具合で長々と書いてしまったが、渋谷事変に挑む心構えは一旦できたと思う。今後の展開について物凄く怯えているものの今回のようにこうやってまとめているのも、根底に呪術廻戦という作品が好きだという気持ちがあるからこそである。これからも原作及びアニメの呪術廻戦を応援していこうと思う!それでは、最後までお付き合い頂きありがとうございました。次回は8/31の放送回の感想で..!

以上。